Mavic Air 2の嬉しいところ・残念なところ

Mavic Air 2 ガジェット

DJIがカウントダウンしていた新製品ですが、誰もが分かっていた通りMavic Air 2として発表されました

スペックも詳細に発表されましたので、今回は思ってたよりも良かったところと、ちょっと残念だったところをシンプルに書いてみたいと思います

いつも長くなってしまうのでできるだけ簡潔にしたいのですが、ガジェットの場合って「なぜその点が良い所なのか?」とか「何がダメなのか?」というところは細かく書かないと意図が伝わらない部分も多いですのでやっぱり長くなってしまうかもしれません(笑)

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Mavic Air 2の思ってたよりも良かった点

Mavic Air 2

画像引用:DJI

まずは、事前のリークでは曖昧だったりもっと低く見積もられてたけど、それよりも良くなったと思われる点についてです

別の言い方をするなら『Mavic 2』よりもスゴイじゃん! と思える点についてですかね

  • センサーの大型化(要注意)
  • 4K60P撮影が可能に。コーデックもH.265にパワーアップ
  • HDR撮影が写真だけでなく動画でも可能に
  • 伝送距離の長大化(日本は6km)
  • 最大飛行時間が34分に

といったところでしょうか

まず動画についてなのですが、4K60Pは実現するかも? と言われてはいましたが明らかになっておらず4K30P止まりの可能性も十分にあると噂されていたところです

しかし蓋を開けてみればしっかりと4K60Pに対応してきてくれました。これはナイス!

HDR撮影については嬉しいポイントではあるのですが色深度は(たぶん確実に)8bitと思われ、Mavic Pro 2のHDR動画とは少し違いますのでその点は注意して下さい。スペックシートに記載は無いのですが、10bitに対応してたら嬉々として書くはずですのでほぼ間違いないと思います

続いて伝送距離の長大化です

Mavic Air 2

画像引用:DJI

伝送方式はMavic 2なんかと同じOcuSync 2.0のままですが、最適化によって通信可能距離は10kmへとパワーアップしています。出力の抑えられるCE認証地域やMIC(日本)の場合でも6kmという長距離通信を実現しています

最大飛行時間の増大も嬉しいポイントですね。34分というフライト時間はDJIの民生機としては最長クラスですので技術の進化を感じさせてくれます

そしてカメラのイメージセンサー大型化についてですが

Mavic Air 2

画像引用:DJI

1/2.3インチセンサーのままだと思っていましたので、ここが大型化されたのは正直言って意外でした。これによってイメージセンサーの大きさを他機種と比べると

Phantom 4 Pro・Mavic 2 Pro > Mavic Air 2 > Mavic 2 Zoom

というような感じとなります。Mavic Air 2は35mm換算で焦点距離24mmの単焦点レンズということもあり、カメラ性能を考えるとMavic 2 Zoomを超えてきているのはほぼ確実ではないかと思われます(画像処理エンジンによっても変わるので一応実機が出るまでは注意)

ズーム機能がいらないなら、カメラ性能でMavic 2 Zoomを選ぶ必要は無くなりそうです

ただしセンサー大型化は次で紹介する「残念なポイント」でもありますので、あまり手放しで喜ばない方がいいかもしれません

Mavic Air 2の残念だった点

今度は、スペック表を眺めてガックリ来てしまった点です

  • センサーは大型化されたけど実はあまり変わってない
  • カラープロファイルにD-Log無し
  • プロポの形状が残念
  • DJI GO 4やGS Proには非対応(DJI Flyアプリにのみ対応)

こんなところです

まずセンサーサイズについてなのですが

さっきセンサー大型化は「良い所」って言ってたじゃないか!

と言われてしまいそうですが、ここが中々「騙しのテクニックを使ってるなぁ」と感じてしまうポイントになっています

センサーサイズは確かに大型化されています。されているのですが、どのぐらい大型化されているかと言いますと1/2.3インチ→1/2インチという、本当にごくわずかなサイズアップとなっています

普通のカメラ等では1/2.3インチのワンサイズ上は1/1.7インチセンサー、というのが半ば当たり前でした

このぐらいの差があると微妙に被写界深度の違いを感じられたり、暗所耐性を感じられたりしたものですが、それもカメラが好きな人の話であり、普通の人からしたら「差が分からない」という程度の違いでした

今回のセンサーサイズアップはそれよりもさらにわずかなサイズ差しかないので、正直なところセンサーサイズアップによる恩恵はほとんど感じられないのではないかと思います

Mavic 2 ProやPhantom 4 Proのような1インチセンサー機に迫る画質を期待していると、ちょっとガッカリしてしまうのではないでしょうか。しかしDJIはMavic Air 2のPVで

Mavic Air 2

画像引用:DJI

最初のアピールポイントとしてこの映像をババン! と出してきます。さらに立て続けに

Mavic Air 2

画像引用:DJI

この映像をバババン! と出してきます

こうして文字と画像で出されると普通に思えてしまうのですが、実際に映像を見るとセンサーサイズの大型化がとても大きなアップグレードであるように感じられたり、それによって画素数が大幅に向上したかのような印象を与えるような作りになっています(実際にはセンサーサイズと画素数には全く関係はありません)

嘘をつくことなくユーザーに錯誤させるような映像を作れるのはCM映像作家のテクニックなのかもしれませんが、個人的にこういうやり方は好きではありません

Mavic Air 2

画像引用:DJI

サイトにはこんなことまで書いてあります。「1/2センサーだから48MPの写真が撮れますよ」って、そこに因果関係は無いですからね。明らかに、あまり詳しくない人を騙そうという意図が透けて見えていて不快です

続いてカラープロファイルについて

これは仕方ない部分でもあるのですが、やはりD-Logには非対応であることが明らかになりました。まあMavic 2 Zoomも非対応ですからね。その代わりにこれまたMavic 2 Zoomと同じくD-Cinelikeには対応してます。いわゆるハイパーガンマってやつですね

Mavic Air 2

画像引用:DJI

私も含めてですが、Log撮影はあまりその恩恵を活かしきれていない人も多く、カラーグレーディングを詰めるというよりせいぜいLUTをあてるぐらいのことしかしない人も多いですので、カラーグレーディングが楽なハイパーガンマのみでもいいのかもしれませんね

お次はプロポについて

これはリークでも散々明かされていた部分ですが、噂通りの残念デザインに変更されてしまいました

Mavic Air 2

画像引用:DJI

スマートコントローラーの画面部分をオミットしたようなデザインですね。ホールド性は向上しているのでしょうが、うーむ…… ちなみに今後のアップデートで、本家DJI Smart Controllerにも対応する予定です

最後が対応アプリについてです

Mavic Air 2はDJI GO 4には非対応で、純正アプリはDJI Flyにしか対応しないことが明らかにされました。ということでDJI Gogglesにも非対応となっています

Mavic Air 2

画像引用:DJI

ただ、Mavic Miniと比べるとスフィアやハイパーラプス、アクティブトラック、ポイントオブインタレストなど、出来ることは大幅に増えてはいます

Mavic Air 2

画像引用:DJI

ハイパーラプスは静止画を後で合成する手法ですので8K映像が作成できますよ

それと、先代Mavic Airの大きな不満点にGS Proに非対応という点があったのですが、これについても変わらずで自動航行のハードルは高そうです。仮に対応アプリが出てきたとしても、飛行申請の際の目視外飛行の条件は厳しくなりそうですかね

まとめ

ということで、本日10:30に公開されたMavic Air 2について簡潔にまとめてみました

思っていたよりもとても良い機種だと思います。特に「ズーム機能はいらないんだけど価格差を考えてMavic 2 ProじゃなくてZoomを買おうかな」と考えていた人にとっては、より安い金額である部分ではそれ以上の性能のドローンを買えるのですから魅力的な選択肢ではないかと思います

ただ、飛行性能は向上しているものの障害物検知は前後と下方しかありませんので、左右移動やノーズインサークル、屋根のある場所等での飛行は注意して下さい

撮影性能も良くも悪くもMavic 2 Zoomと同等で、ズーム機能を取っ払った代わりに全体的に少し良くなっているというレベルでしょう。Mavic 2 Zoom同様、絞りが変更不可なのはツラいのですがNDフィルターの発売も公表されています

ただこの記事でも書いた通り、Mavic 2やPhantom 4シリーズと比較して弱点になる部分も多いですので、自分にとって何が必要な機能なのか? ということをよく考えてドローン選びをしていただけたらと思います

それではまた~

関連サイト

Mavic Air 2 製品ページ

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