今回の記事は短いです
そして結論から書きますと無理です
今日はそのあたりのことを簡潔にまとめてみたいと思います
ハードウェア上の違いはあるのか?
ご存知の方も多いかもしれませんが、アメリカ版のiPhone 12シリーズとその他の国のiPhone 12シリーズではハードウェアに大きな違いがあります
具体的にはこちら
アメリカ版の方がアンテナが余分に設置されているんです。どうもこれがミリ波用のアンテナらしく、基本的な構造が違うため、日本版のiPhoneをゴニョゴニョすればミリ波を掴めるようになるという類のものではないようです
ミリ波を掴みたかったらアメリカ版iPhoneを買うしかないってことですね
じゃあアメリカ版を個人輸入すれば日本で5Gが使えるのか?
というと、冒頭にも書いたようにこれまた無理となっています
アメリカ版はウルトラワイドバンド対応をめっちゃアピールしてましたが、実はミリ波の対応バンドは2つしかありません
バンドn260とn261です
で、日本で使用されているミリ波のバンドはというと、これはdocomo・au・ソフトバンク・楽天の4社共通でn257というバンドになっています
つまり、アメリカ版のiPhone 12(ミリ波対応アンテナが付いてるiPhone 12)を日本に持ち込んだとしても、ミリ波での5G接続は無理でセンチメートル波(sub6と呼ばれる周波数帯)での接続に限られてしまいます
輸入使用自体注意かも?
輸入しても恩恵は受けられないことが分かりましたが、iPhone 12の場合はこの「輸入して使用する」という行為自体に注意が必要な可能性があります
最初にも書いたようにiPhone 12はハードウェアとしての仕様が日本版とアメリカ版で大きく違っています。ということは同一の認証を受けていない可能性も十分に存在し、特に日本だけのガラパゴス認証である電波法の技適認証を取得していないのではないかという懸念があります

日本で販売しないうえにフル性能での使用もできないのに、わざわざコストをかけて認証受けるのかって話ですよね
そうすると、これホント電波法のおかしなところだと思うのですけど、違法な電波を一切発していない、日本で売られているのと同じ仕様の機器であったとしても、技適がないというただそれだけで合法的な使用は不可となってしまうのです
ということで当面絶対ないですが、例えばdocomoあたりにn260やn261バンドが割り当てられたと仮定しましょう。するとミリ波は掴めるようになりますが、だからといってアメリカ版iPhone 12を使用すると電波法違反になる可能性があるってことですので注意して下さい
ちなみに今までのiPhone海外版には、技適マークを取得しているものと取得していないものとが混在していて、買ってみるまで分からないギャンブル状態なところがありました
例えば香港版iPhone SE(第2世代)は技適ありですが香港版iPhone XS Maxは技適無しです
どちらも日本とはモデル番号が異なっているのですが、iPhone SEの方はモデル名が日本と同じになっています(A2296)
するとモデル名が同じであれば、海外版でも日本の技適認証がある可能性が高いのかなと期待できるのですが……
- アメリカ版iPhone 12:モデル名 A2176
- 日本版iPhone12:モデル名 A2402
あ、ダメそうですねこれ(笑)
さっきの香港版の例もそうなのですが、ハードウェア的に大きな違いがあるモデル(香港版XS MaxはデュアルSIMモデルで日本版と大きく違ってるのです)の場合は特に、技適取得は絶望的かと思います
まとめ
ということで日本においてのミリ波対応iPhoneはiPhone 13までお預けですね
とはいえこれらは予想です。ホントのところはアメリカ版iPhone 12が発売されてから、誰かに『日本の技適マークは電子表示されますか?』と確認してもらうしかないですので、参考程度に思っていただければ幸いです
あと、電波法には特例があり、技術の検証・研究といった実験目的であり日本の技適相当の認証(例えばFCC認証)を受けている機器であれば、総務省に届け出ることで最大180日間の使用が可能というルールもあります
期限が切れた後も別の実験をこじつけられれば必要とするのであれば延長も可能ですので、これを利用するというのも手かもしれませんね
それではまた~
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