GPD WIN Max 2021モデル(Core i7-1195G7)のレビュー&ベンチマークを2020モデルと比較

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ レビュー PC

中国が秋休みに入ってサボってるのかと思ったら、GPDさんちゃんと発送してくれました

Indiegogoで出資していたGPD WIN Max 2021モデル(インテル版)がようやく届きましたので、今回は開封からのファーストインプレッションレビューと、前モデルであるWIN Max 2020、そしてGPD WIN 3とベンチマークを比較してどれだけ性能が向上したのかを見ていきたいと思います

Tiger Lakeになったのでグラフィック性能は上がってるはずですが、GPD WIN 3と比較するとあまり変わってなさそうな気もしますが(笑)

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GPD WIN Max 2021のファーストインプレッション

見た目は前モデルと全く変わってないのでファーストインプレッションもクソもないような気がするのですが、『ディスプレイの品質が下がったんじゃないか?』等言われていましたので、そのあたりを中心に見ていきたいと思います

GPD WIN Max 2021 1195G7 レビュー

いつも通り佐川で届きました。例によって佐川急便では追跡できず、sgx-th.comで追跡してました。コロナの影響かちょっと通関に時間かかって悔しいです

GPD WIN Max 2021 1195G7 レビュー

梱包状態、隙間ありっ!! 海外から来るのにこれとか……もう慣れましたけどね

GPD WIN Max 2021 1195G7 レビュー

化粧箱は前モデルと全く変わらずです。今回は箱潰れが無かったのは良かった

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付属品等も完全に同じです。新鮮味はありません

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外観やI/Oポートも全く同じ見た目です(USB-C TB3がUSB4になったという微妙な違いはある)

GPD WIN Max 2021 1195G7 レビュー

見づらいですが今回も技適あり。最近の中華ガジェットはこのあたりの心配も減ってきましたかね

GPD WIN Max 2021 1195G7 レビュー

画面は前モデルのWIN Maxと全く同じパネルなのかなと感じます。つまり、WIN 3ほど良くはないけど、心配されていたスペックダウンも無いってこと。WIN Maxから改悪された! というのは、スペックシートからだけで判断された単なる噂だったようです

サンボル接続も問題ありません

GPD WIN Max 2021 1195G7 レビュー

初代GPD WIN Maxと違って、2つあるポートのどちらでもサンダーボルト接続が可能なことを確認しました

どっちもUSB4なんだから当たり前じゃん?

と思う方もいるかもしれません

このあたり話すと長くなっちゃうんですが、USB4はTB3を内包している(ベースにしている)とはいえ、実は必須要件の中に『互換性』は含まれてはいません。USB4なのにサンボル3機器と互換性が無い可能性もゼロではないのです。ちなみに、Thunderbolt 4を謳っていれば必ず互換性があります

GPD WIN Maxは「USB4」としか書かれていないので一抹の不安があったのですが、ちゃんと動作してくれて一安心という確認だったわけです。なお、Ryzen版は元々Thunderbolt非対応ですのでその点はご注意ください

以上が第一印象です

メーカーが言うように、本当に中身だけ変わったGPD WIN Maxであり、それ以上でもそれ以下でもないというのが感想です。なので特に書くこともありませんでした(笑)

GPD WIN Max 2021 対 WIN Max 2020 対 WIN 3 ベンチマーク

それではベンチマークの方に入っていきたいと思います。もう一度確認しておきますが、私のGPD WIN Max 2021はAMDではなくIntelモデルです

そしてGPD WIN Max 2021もその他の機種も、BIOSでTDPを変更していないノーマルな状態で測定しています

PassMark(CPU Mark)

まずはいつも通りPassMarkで、CPU性能をザックリと見ていきます

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ

GPD WIN Max 2021
GPD WIN Max 2020 GPD WIN 3
CPU Mark 10519 9820 11574

その他のスコアは画像で確認して下さい

CPU性能だけを見るとどれも微差で、グラフィックを重視しないなら先代のWIN Maxから買い替える必要すらなさそうですね。微差とはいえ1165G7搭載のGPD WIN 3に負けているのはちょっと残念ですね

このPCを買う人でグラフィック性能は度外視という方はほとんどいないと思いますが、そういう方にとっては逆に、値崩れも始まる初代WIN Maxが中々良い選択になるかもしれません

GeekBench 4&5

続いて定番のGeekBenchでCPUとGPUを見てみます

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチGPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチGPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ

GPD WIN Max 2021
GPD WIN Max 2020 GPD WIN 3
GeekBench4 シングルコア 6936 5325 6661
GeekBench4 マルチコア 19659 16393 18808
GeekBench4 GPU(OpenCL) 61041 38185 58393
GeekBench5 シングルコア 1621 1202 1549
GeekBench5 マルチコア 5082 4129 4828
GeekBench4 GPU(OpenCL) 19839 4538 18968

このような結果に

こっちで見るとCPU性能も上がっているように見えますが、個人的にGeekBenchのスコアリングはいまいち信用がおけない(測定時間が短く、単純なクロックやコア数だけで判断している疑惑がある)ため、多くは語らないようにします

CINEBENCH R20/R23

こちらも定番で、ちゃんとレンダリングをテストしているベンチマークのCINEBENCHです

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチGPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ

GPD WIN Max 2021 GPD WIN Max 2020 GPD WIN 3
CINEBENCH R20 1886 1554 1835
CINEBENCH R23 3922 3449 4612

んー…やっぱこうなのか。PassMarkと同じ傾向ですね。初代WIN Maxよりは微差で優れているけど、GPD WIN 3には微差で負けている

1165G7から1195G7になってもCPUとしてのメリットはほぼなく(シングルコア性能の微増?)、マルチコア性能はむしろ下がってしまう? という悲しい結果になってしまいました

PCMark10

PCの総合的な快適性を計測するPCMark10です

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ

GPD WIN Max 2021 GPD WIN Max 2020 GPD WIN 3
Essentials 10295 8533 9867
Productivity 7099 5182 6756
Digital Contents Creation 5269 3807 4600
総合スコア 5216 3958 4834

こうして見ると総合的な地力は増えているようですね。WIN 3と比べてしまうと誤差レベルですが、初代WIN Maxからはそれなりに快適性が上がっています

ただしそれを体感できるかというと……(汗)

Fire Strike(3DMark)

では肝心のグラフィック性能を見ていきましょう

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ

GPD WIN Max 2021 GPD WIN Max 2020 GPD WIN 3
Graphicsスコア 5499 2641 5559
総合スコア 4929 2483 4957

うーん……GPD WIN 3(i7-1165G7)と勝ったり負けたりなのはやはり誤差であり、GPU面でも両者に性能差は無いってことなんでしょうね。今1165G7機を持ってる人が性能アップのために買い替える必要性は無さそうなので、何か別の理由が無いとムダ金になってしまいますね

一方でIce Lakeの初代とは全然グラフィック性能が違いますので、初代WIN MaxユーザーがGPU性能目的で買い替えるのは超絶効果アリってことですね

……って、スペックを見れば分かることなんですが、当たり前の結果でしたよ~ということで

Time Spy(3DMark)

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ

GPD WIN Max 2021 GPD WIN Max 2020 GPD WIN 3
Graphicsスコア 1709 771 1589
総合スコア 1873 874 1748

こちらも同様の結果です

ドラクエ10ベンチマーク

やる意味は無いのですが恒例なのでドラクエ10ベンチも行います

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ

GPD WIN Max 2021 GPD WIN Max 2020 GPD WIN 3
スコア 16947 11919 16602
評価 すごく快適 すごく快適 すごく快適

こんな感じです

FF14ベンチマーク

既にWIN Max 2020とWIN 3は手元に無いため、最新の暁月のフィナーレは実施できません。仕方ないのでWIN Max 2021でも1世代前の漆黒のヴィランズベンチを実施しましたので、比較はそちらでお願いします

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ

GPD WIN Max 2021 GPD WIN Max 2020 GPD WIN 3
スコア 7567 4573 7455
評価 非常に快適 快適 非常に快適

予想通りの結果です

FF15ベンチマーク

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ

GPD WIN Max 2021 GPD WIN Max 2020 GPD WIN 3
スコア 2344 1337 2388
評価 重い 動作困難 重い

こちらも予想通りですね

CrystalDiskMark Ver.8

ストレージはこれまでの製品と同じSSDが使われていることが既に明らかにされています

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ

GPD WIN Max 2021 GPD WIN Max 2020 GPD WIN 3
SEQ1M Q8T1 Read/Write 2110.03 / 1766.10 2036.54 /1860.91 2013.04 / 1921.87
SEQ1M Q1T1 Read/Write 1751.35 / 1755.61 1694.71 / 1804.19 1717.83 / 1834.54
RND4K Q32T1 Read/Write 779.48 / 612.62 542.38 / 492.46 762.41 / 685.62
RND4K Q1T1 Read/Write 77.33 / 243.54 70.13 / 186.32 65.18 / 240.54

そのため結果も今まで通り、変わりありません

おまけでiPad mini 6とも比較

なんか全然面白くない結果になってしまいましたので、ちょっと毛色の違った視点で見てみます

ここ最近で性能が話題の8インチ機種というとiPad mini 6があると思いますので、簡単にですがそちらとも性能比較してみましょう

GPD WIN Max 2021 1195G7 レビュー

今回はFPSで比較できるGFX Benchmarkでフレームレートを比較していきます(小数点以下3位以降切り捨て)

GPD WIN Max 2021 1195G7 ベンチ

GPD WIN Max 2021
iPad mini 6
1440P Aztec Ruins High Tier 141.92 FPS 31.99 FPS
1440P Aztec Ruins High Tier(Offscreen) 49.33 FPS 34.52 FPS
1080P Aztec Ruins Normal Tier 210.41 FPS 50.47 FPS
1080P Aztec Ruins Normal Tier(Offscreen) 132.95 FPS 98.87 FPS
Car Chase 212.49 FPS 43.60 FPS
Car Chase(Offscreen) 122.62 FPS 85.22 FPS
1440P マンハッタン(Offscreen) 92.28 FPS 69.91 FPS
マンハッタン エンハンスド 254.21 FPS 57.15 FPS
マンハッタン エンハンスド(Offscreen) 159.15 FPS 129.88 FPS
マンハッタン ノーマル 300.58 FPS 59.92 FPS
マンハッタン ノーマル(Offscreen) 241.58 FPS 221.51 FPS
ティラノサウルス レックス 414.78 FPS 60.01 FPS
ティラノサウルス レックス(Offscreen) 354.88 FPS 343.249 FPS

というような結果となりました。以前のレビュー

iPad mini 6到着! レビュー&ベンチマークで見えてきたAppleの誇大広告(?)
本日発売されたiPad mini 6のレビューとベンチマークを、前モデルであるiPad mini 5と比較しながらまとめてみました。驚異の性能アップにただただ驚くばかりかと思いきや、色々試すうちにちょっと気になることが……

にて、iPad miniに搭載されているA15 Bionicチップは、描画を伴う実使用においてはイマイチ性能を発揮できないのではないか? ということを書きましたが、まさにそれを裏付ける結果となりましたね

実際の性能を見ても、わずかですがA15チップよりもTiger LakeのXe GPUの方が勝っているようですね。もちろんOpenGLとMetalという違いがあるため単純比較はできないのですが、WIN Maxの方がFPSが高いのは事実。実際に遊んだ時の滑らかさには差が出てしまう可能性が高いわけです

Windowsというプラットフォームの便利さを考えても、ゲームをやるならやっぱりこの機種を始めとしたTiger LakeのUMPCゲーム機が良さそうですね

まとめ

ということで今回はGPD WIN Max 2021のファーストインプレッションと、前モデルと比較してのベンチマークをお届けしました

ひとことで言ってしまうと「新しさが無くて感動もない」というのが感想です。見た目(筐体)も全く変わっていないので余計にそう思ってしまうのだと思います。これならGPU性能が下がってもいいからAMD版を買った方がまだワクワクできたかもしれません

ただしGPD WIN Max自体はとても良いUMPCだとは思っています

打鍵感があってタイピングしやすいキーボード・豊富なI/Oポート・価格と性能のバランスなど、どれも他社のUMPCより優れているのは間違いないでしょう

ゲームを中心に考えるならハッキリ言ってGPD WIN 3の方が良いです。性能やハードウェアの完成度の高さもそうですが、ゲームパッド部の使いやすさもWIN 3が勝っているからです

でも、『日常的に使いやすくて性能もそれなりに高いUMPCが欲しい』という方にとってはGPD WIN Max 2021モデルはかなり良い選択肢なのではないかと思いますよ

それではまた~

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