中国が秋休みに入ってサボってるのかと思ったら、GPDさんちゃんと発送してくれました
Indiegogoで出資していたGPD WIN Max 2021モデル(インテル版)がようやく届きましたので、今回は開封からのファーストインプレッションレビューと、前モデルであるWIN Max 2020、そしてGPD WIN 3とベンチマークを比較してどれだけ性能が向上したのかを見ていきたいと思います
Tiger Lakeになったのでグラフィック性能は上がってるはずですが、GPD WIN 3と比較するとあまり変わってなさそうな気もしますが(笑)
GPD WIN Max 2021のファーストインプレッション
見た目は前モデルと全く変わってないのでファーストインプレッションもクソもないような気がするのですが、『ディスプレイの品質が下がったんじゃないか?』等言われていましたので、そのあたりを中心に見ていきたいと思います
いつも通り佐川で届きました。例によって佐川急便では追跡できず、sgx-th.comで追跡してました。コロナの影響かちょっと通関に時間かかって悔しいです
梱包状態、隙間ありっ!! 海外から来るのにこれとか……もう慣れましたけどね
化粧箱は前モデルと全く変わらずです。今回は箱潰れが無かったのは良かった
付属品等も完全に同じです。新鮮味はありません
外観やI/Oポートも全く同じ見た目です(USB-C TB3がUSB4になったという微妙な違いはある)
見づらいですが今回も技適あり。最近の中華ガジェットはこのあたりの心配も減ってきましたかね
画面は前モデルのWIN Maxと全く同じパネルなのかなと感じます。つまり、WIN 3ほど良くはないけど、心配されていたスペックダウンも無いってこと。WIN Maxから改悪された! というのは、スペックシートからだけで判断された単なる噂だったようです
サンボル接続も問題ありません
初代GPD WIN Maxと違って、2つあるポートのどちらでもサンダーボルト接続が可能なことを確認しました
どっちもUSB4なんだから当たり前じゃん?
と思う方もいるかもしれません
このあたり話すと長くなっちゃうんですが、USB4はTB3を内包している(ベースにしている)とはいえ、実は必須要件の中に『互換性』は含まれてはいません。USB4なのにサンボル3機器と互換性が無い可能性もゼロではないのです。ちなみに、Thunderbolt 4を謳っていれば必ず互換性があります
GPD WIN Maxは「USB4」としか書かれていないので一抹の不安があったのですが、ちゃんと動作してくれて一安心という確認だったわけです。なお、Ryzen版は元々Thunderbolt非対応ですのでその点はご注意ください
以上が第一印象です
メーカーが言うように、本当に中身だけ変わったGPD WIN Maxであり、それ以上でもそれ以下でもないというのが感想です。なので特に書くこともありませんでした(笑)
GPD WIN Max 2021 対 WIN Max 2020 対 WIN 3 ベンチマーク
それではベンチマークの方に入っていきたいと思います。もう一度確認しておきますが、私のGPD WIN Max 2021はAMDではなくIntelモデルです
そしてGPD WIN Max 2021もその他の機種も、BIOSでTDPを変更していないノーマルな状態で測定しています
PassMark(CPU Mark)
まずはいつも通りPassMarkで、CPU性能をザックリと見ていきます
GPD WIN Max 2021 |
GPD WIN Max 2020 | GPD WIN 3 | |
CPU Mark | 10519 | 9820 | 11574 |
その他のスコアは画像で確認して下さい
CPU性能だけを見るとどれも微差で、グラフィックを重視しないなら先代のWIN Maxから買い替える必要すらなさそうですね。微差とはいえ1165G7搭載のGPD WIN 3に負けているのはちょっと残念ですね
このPCを買う人でグラフィック性能は度外視という方はほとんどいないと思いますが、そういう方にとっては逆に、値崩れも始まる初代WIN Maxが中々良い選択になるかもしれません
GeekBench 4&5
続いて定番のGeekBenchでCPUとGPUを見てみます
GPD WIN Max 2021 |
GPD WIN Max 2020 | GPD WIN 3 | |
GeekBench4 シングルコア | 6936 | 5325 | 6661 |
GeekBench4 マルチコア | 19659 | 16393 | 18808 |
GeekBench4 GPU(OpenCL) | 61041 | 38185 | 58393 |
GeekBench5 シングルコア | 1621 | 1202 | 1549 |
GeekBench5 マルチコア | 5082 | 4129 | 4828 |
GeekBench4 GPU(OpenCL) | 19839 | 4538 | 18968 |
このような結果に
こっちで見るとCPU性能も上がっているように見えますが、個人的にGeekBenchのスコアリングはいまいち信用がおけない(測定時間が短く、単純なクロックやコア数だけで判断している疑惑がある)ため、多くは語らないようにします
CINEBENCH R20/R23
こちらも定番で、ちゃんとレンダリングをテストしているベンチマークのCINEBENCHです
GPD WIN Max 2021 | GPD WIN Max 2020 | GPD WIN 3 | |
CINEBENCH R20 | 1886 | 1554 | 1835 |
CINEBENCH R23 | 3922 | 3449 | 4612 |
んー…やっぱこうなのか。PassMarkと同じ傾向ですね。初代WIN Maxよりは微差で優れているけど、GPD WIN 3には微差で負けている
1165G7から1195G7になってもCPUとしてのメリットはほぼなく(シングルコア性能の微増?)、マルチコア性能はむしろ下がってしまう? という悲しい結果になってしまいました
PCMark10
PCの総合的な快適性を計測するPCMark10です
GPD WIN Max 2021 | GPD WIN Max 2020 | GPD WIN 3 | |
Essentials | 10295 | 8533 | 9867 |
Productivity | 7099 | 5182 | 6756 |
Digital Contents Creation | 5269 | 3807 | 4600 |
総合スコア | 5216 | 3958 | 4834 |
こうして見ると総合的な地力は増えているようですね。WIN 3と比べてしまうと誤差レベルですが、初代WIN Maxからはそれなりに快適性が上がっています
ただしそれを体感できるかというと……(汗)
Fire Strike(3DMark)
では肝心のグラフィック性能を見ていきましょう
GPD WIN Max 2021 | GPD WIN Max 2020 | GPD WIN 3 | |
Graphicsスコア | 5499 | 2641 | 5559 |
総合スコア | 4929 | 2483 | 4957 |
うーん……GPD WIN 3(i7-1165G7)と勝ったり負けたりなのはやはり誤差であり、GPU面でも両者に性能差は無いってことなんでしょうね。今1165G7機を持ってる人が性能アップのために買い替える必要性は無さそうなので、何か別の理由が無いとムダ金になってしまいますね
一方でIce Lakeの初代とは全然グラフィック性能が違いますので、初代WIN MaxユーザーがGPU性能目的で買い替えるのは超絶効果アリってことですね
……って、スペックを見れば分かることなんですが、当たり前の結果でしたよ~ということで
Time Spy(3DMark)
GPD WIN Max 2021 | GPD WIN Max 2020 | GPD WIN 3 | |
Graphicsスコア | 1709 | 771 | 1589 |
総合スコア | 1873 | 874 | 1748 |
こちらも同様の結果です
ドラクエ10ベンチマーク
やる意味は無いのですが恒例なのでドラクエ10ベンチも行います
GPD WIN Max 2021 | GPD WIN Max 2020 | GPD WIN 3 | |
スコア | 16947 | 11919 | 16602 |
評価 | すごく快適 | すごく快適 | すごく快適 |
こんな感じです
FF14ベンチマーク
既にWIN Max 2020とWIN 3は手元に無いため、最新の暁月のフィナーレは実施できません。仕方ないのでWIN Max 2021でも1世代前の漆黒のヴィランズベンチを実施しましたので、比較はそちらでお願いします
GPD WIN Max 2021 | GPD WIN Max 2020 | GPD WIN 3 | |
スコア | 7567 | 4573 | 7455 |
評価 | 非常に快適 | 快適 | 非常に快適 |
予想通りの結果です
FF15ベンチマーク
GPD WIN Max 2021 | GPD WIN Max 2020 | GPD WIN 3 | |
スコア | 2344 | 1337 | 2388 |
評価 | 重い | 動作困難 | 重い |
こちらも予想通りですね
CrystalDiskMark Ver.8
ストレージはこれまでの製品と同じSSDが使われていることが既に明らかにされています
GPD WIN Max 2021 | GPD WIN Max 2020 | GPD WIN 3 | |
SEQ1M Q8T1 Read/Write | 2110.03 / 1766.10 | 2036.54 /1860.91 | 2013.04 / 1921.87 |
SEQ1M Q1T1 Read/Write | 1751.35 / 1755.61 | 1694.71 / 1804.19 | 1717.83 / 1834.54 |
RND4K Q32T1 Read/Write | 779.48 / 612.62 | 542.38 / 492.46 | 762.41 / 685.62 |
RND4K Q1T1 Read/Write | 77.33 / 243.54 | 70.13 / 186.32 | 65.18 / 240.54 |
そのため結果も今まで通り、変わりありません
おまけでiPad mini 6とも比較
なんか全然面白くない結果になってしまいましたので、ちょっと毛色の違った視点で見てみます
ここ最近で性能が話題の8インチ機種というとiPad mini 6があると思いますので、簡単にですがそちらとも性能比較してみましょう
今回はFPSで比較できるGFX Benchmarkでフレームレートを比較していきます(小数点以下3位以降切り捨て)
GPD WIN Max 2021 |
iPad mini 6 |
|
1440P Aztec Ruins High Tier | 141.92 FPS | 31.99 FPS |
1440P Aztec Ruins High Tier(Offscreen) | 49.33 FPS | 34.52 FPS |
1080P Aztec Ruins Normal Tier | 210.41 FPS | 50.47 FPS |
1080P Aztec Ruins Normal Tier(Offscreen) | 132.95 FPS | 98.87 FPS |
Car Chase | 212.49 FPS | 43.60 FPS |
Car Chase(Offscreen) | 122.62 FPS | 85.22 FPS |
1440P マンハッタン(Offscreen) | 92.28 FPS | 69.91 FPS |
マンハッタン エンハンスド | 254.21 FPS | 57.15 FPS |
マンハッタン エンハンスド(Offscreen) | 159.15 FPS | 129.88 FPS |
マンハッタン ノーマル | 300.58 FPS | 59.92 FPS |
マンハッタン ノーマル(Offscreen) | 241.58 FPS | 221.51 FPS |
ティラノサウルス レックス | 414.78 FPS | 60.01 FPS |
ティラノサウルス レックス(Offscreen) | 354.88 FPS | 343.249 FPS |
というような結果となりました。以前のレビュー
にて、iPad miniに搭載されているA15 Bionicチップは、描画を伴う実使用においてはイマイチ性能を発揮できないのではないか? ということを書きましたが、まさにそれを裏付ける結果となりましたね
実際の性能を見ても、わずかですがA15チップよりもTiger LakeのXe GPUの方が勝っているようですね。もちろんOpenGLとMetalという違いがあるため単純比較はできないのですが、WIN Maxの方がFPSが高いのは事実。実際に遊んだ時の滑らかさには差が出てしまう可能性が高いわけです
Windowsというプラットフォームの便利さを考えても、ゲームをやるならやっぱりこの機種を始めとしたTiger LakeのUMPCゲーム機が良さそうですね
まとめ
ということで今回はGPD WIN Max 2021のファーストインプレッションと、前モデルと比較してのベンチマークをお届けしました
ひとことで言ってしまうと「新しさが無くて感動もない」というのが感想です。見た目(筐体)も全く変わっていないので余計にそう思ってしまうのだと思います。これならGPU性能が下がってもいいからAMD版を買った方がまだワクワクできたかもしれません
ただしGPD WIN Max自体はとても良いUMPCだとは思っています
打鍵感があってタイピングしやすいキーボード・豊富なI/Oポート・価格と性能のバランスなど、どれも他社のUMPCより優れているのは間違いないでしょう
ゲームを中心に考えるならハッキリ言ってGPD WIN 3の方が良いです。性能やハードウェアの完成度の高さもそうですが、ゲームパッド部の使いやすさもWIN 3が勝っているからです
でも、『日常的に使いやすくて性能もそれなりに高いUMPCが欲しい』という方にとってはGPD WIN Max 2021モデルはかなり良い選択肢なのではないかと思いますよ
それではまた~
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