※2020年5月21日アップデート
One-NetbookのOneGXと、GPDのGPD WIN Maxの情報が増えてきましたので、ちょっとここいらで「どちらが買いなのか?」を比較してみたいと思います
といっても、特にOneGXの方についてはまだまだ不明な部分も多いですので、比較の暫定版ということになります。書かれているスペックも現在確認できている部分だけで、今後スペックアップする可能性は大いにありますのでご承知おきください
え? SMACH Zは比較しないのか? 残念ながらSMACHは生まれる前に型落ちになってしまいました。このまま生まれない可能性もあります……。ということで今回は比較しません(笑)
OneGX1とGPD WIN Maxの比較一覧表
まずは両者を一覧表でざっと比較し、その後それぞれの機種の特徴をさらっていってみましょう
OneGX / Pro |
GPD WIN Max | |
CPU | Tiger Lake Y TDP9W |
Core i5-1035G7 TDP 20W、cTDP 15W/25W(BIOSで変更) |
GPU(iGPU) | Xe GPU(GT2と思われる) EU数96 |
Intel Iris Plus 940 EU数64 |
メモリ | 8GB / 16GB LPDDR4X | 16GB LPDDR4X |
ディスプレイ | 1920×1200 16:10アスペクト | 1280×800 16:10アスペクト 500nit DCI-P3カバー率90% |
画面サイズ | 7インチ | 8インチ |
コントローラー | Joycon方式外付けタイプ。アナログスティック×2、ABXYボタン、十字キー その他にも備わっている可能性あり |
本体内蔵。アナログスティック×2、ABXYボタン、十字キー、L1L2L3/R1R2R3、START/SELECT |
キーボード | 6列セミフルサイズ、RGBバックライト搭載、トラックポインタ | 6列セミフルサイズ、バックライト搭載、トラックパッド有 |
その他のI/O | 空きM.2 2242スロット(5G or 4G通信モジュール or SSDを増設可能)※排他 USB4 Type-C×1、USB3 Type-C×1、USB3.0 Type-A×1、Micro HDMI、イヤホンジャック |
USB Type-C thunderbolt3×1、USB Type-C×1、USB Type-A×2、フルサイズHDMI×1、microSDカードスロット、有線LANポート、イヤホンジャック |
無線 | 4G / 5G通信(オプション)、Wi-Fi、bluetooth | モバイル通信無し、Wi-Fi 6、Bluetooth5.0 |
ストレージ(形状) | 256GB / 512GB(オンボード?) | 512GB M.2 2280 |
バッテリー容量 | 12,000mAh 1セル、44.4Wh |
5,000mAh 3セル、57Wh |
サイズ | 約173 × 136 × 21 mm | 205 × 140 × 24.5 mm |
重量 | 623g | 800g |
こんな感じです。OneGXの方はリーク画像から検証した予想スペックな部分もあります
※5月30日にファッション版(現行と同じCome Lakeですので性能は全然。今のOneMix3と同じ)が出るので、サイズ等はそちらを参考にしました
現時点で判明している情報だけでの判断になりますが、OneGXがGPD WIN Maxに勝っている部分は7インチというサイズ感とGPUだけで、その他の部分についてはGPD WIN Maxの方が優れていると思います
ただ、その分GPD WIN Maxは重いですので、サイズ感と取り回しの良さでOneGXをとるか、性能でGPD WIN Maxをとるか悩ましいところですね
OneGXが低電圧版のYプロセッサを搭載するというのは未発表ながらかなり可能性が高いです。というのも、One-Netbookの社長がかつてインタビューで「OneGXにはYプロセッサの採用を見据えている」と話したことがあるからです
その結果としてIce Lake YではGPUの性能をフルに発揮できないため、Tiger Lakeの採用に踏み切ったと話していますのでこれはほぼ間違いないと予想しています
そうなってくるとGPD WIN Maxは一世代前のIce Lake採用ですが、UプロセッサですのでOneGXよりも処理能力が高いことは確実でしょう
ただ、GPUについてはOneGXに分がありそうです
Tiger Lakeに内蔵されるXe GPUはIce Lakeの内蔵GPUと比較して2倍近い性能があると吹聴されています。YプロセッサとUプロセッサの比較でもこの通りなのかは分かりませんが、もしウワサ通りだとするとGPU性能ではOneGXの方がGPD WIN Maxの2倍の性能を持つことになります
ゲーマーの方にとってはこの点は無視できないポイントですよね
ちなみにXe GPUが噂通りの性能だとしたら演算性能は1~2TFLOPSにもなり、GTX 1050 MAX-Qの1.7TFLOPSに近い性能を発揮できる可能性があります! MX250が1.1TFLOPS程度ですので、悪くてももそのぐらいの性能はあるってことに
”本当だったとしたら”すごいことです
OneGXの特徴
ここからはそれぞれの機種を個別に見ていきます。まずは、まだ謎のベールに包まれているOneGXについてです
冒頭でも書いた通り、製品名はOneGX1になるっぽいことが画像から伺えます(その後の発表でOneGXだと明かされました)
7インチというサイズは同系の製品と比較してかなり優れている部分だと感じます。やっぱりGPD WIN Maxの8インチはハンドヘルドとしてはデカすぎ&重すぎです。その点OneGXは小型なうえにコントローラーも外付けなため、かなり取り回しはしやすそうです
そんな取り外し式のコントローラーがこちら
ちょっと謎なセンスのイメージですが、このようにJoyconグリップのようなパーツに取り付けて無線コントローラーとしても使えますし、コントローラーだけを取り外してOneGX本体の左右に取り付けることでSwitch風に使うことも可能です。というか、まんま任〇堂スイッチと同じ方式です
OneGX本体への装着はスライドレールではなく、はめ込み式になると言われています。これは任天堂の特許の関係だそうです
コントローラーは無線で本体と接続されるわけですが、Bluetoothではなく独自の2.4GHzを用いた通信方式を採用しているそうです。そうしないとBluetoothのチャンネルを2チャンネルも消費してしまうのでこのような方式にしたのだとか
そしてキーボードも公開されています
ゲーミングPCらしくWASDに印がつけられたキートップとなっています
それ以外にこの画像から分かることは、バックライトを搭載していること、英字配列なこと、ファンコントロールが可能なこと、でしょうか。電源ボタンが上部に移動したのは嬉しい変更ですね
画像には上記のように注釈が振ってありますが、その後の発表でトラックパッドは非搭載、トラックポインタが搭載されることが明かされました
あと、個人的に最も嬉しいのはアイソレーションタイプではないこと。今のPCって、GPD WIN MaxみたいなUMPCも含めて全部アイソレーションタイプなんですよね。OneGXはそうではないのでこれには期待したいです
本体カラーは4色展開を予定している(?)っぽく、既に赤・青・黒はレンダリング画像が公開されています
取り回しのしやすさと強力なGPUが魅力のOneGXですので、CPU能力をあまり重視しない使い方をする方やポート類が最低限でも足りる方にとってはGPD WIN Maxよりも魅力的な選択肢になるのではないかと思います
コロナがどう影響するか分かりませんが、発売は今年の夏予定だそうです
GPD WIN Maxの特徴
続いてGPD WIN Maxについてです
こちらは公式がスペックを公開してくれましたので色々と分かっていますが、率直な感想は
UMPCとして超欲しい~! ゲーミングデバイスとしてはいらねぇ!!
って感じです
ちょっと前にも記事にしましたが、ハンドヘルド端末としてはデカすぎです。その後重量も公開されましたが、なんと800g……! これを両手で持ってゲームをするのはかなり厳しいのではないでしょうか? 少なくとも、非力な私には無理です
しかしそれ以外の性能はすごい魅力的です
まず、GPDデバイスとしては初めてYプロセッサではなくUプロセッサを採用しています。同じ『Core i5』とか書かれていてもYプロセッサとUプロセッサは全然性能が違いますので、この点は大幅なパワーアップと言えます。通常サイズのノートPCと同じ性能と言えば伝わりますでしょうか
Ice Lake世代のCPUですのでグラフィック性能も過去のUプロセッサとは一線を画します。と言ってもMX150にやや及ばないぐらいですので、dGPU搭載機と比べると一段落ちてはしまいます。このあたりはOneGXが採用するTiger Lakeには敵わないところですね
ちなみにIce LakeのGPUはcTDPで25W駆動させないと本来の性能が発揮できないと言われていますが、GPD WIN MaxはcTDP25Wに対応していますので安心して下さい
高TDPでも安心の冷却システムもこのように公開されています
ディスプレイ解像度が1280×800という無理のない解像度なのもゲームのスペック向上に一役買ってくれそうです。ただ、ゲームのためと考えると16:10アスペクト比なのは謎。16:9で良かったのでは? とも思ってしまいます
16:10アスペクト比はどちらかというと日常ユースやオフィスユースで恩恵が受けられると思いますが、そうなると今度は低解像度なのが使いづらくなってしまい、何だかチグハグな印象を受けてしまいます
気を取り直して…インターフェースは超魅力的です
USB Type-Cが2つ、USB Type-Aも2つというだけで超魅力的なのに、Type-Cのうちの1つはthunderbolt3対応となっています。いざとなればeGPUによるグラフィック性能の底上げも可能そうですね
他にもフルサイズのHDMIポート、有線LANポート、microSDカードスロット、イヤホンジャックなど、UMPCでありながらそこらへんのノートPCよりも遥かに豊富なポートを備えています。個人的にはこの点だけでも買う価値アリです
ストレージも普通の2280タイプのSSDですので気軽に換装可能なのも嬉しいポイントです。ここはGPDが強い部分で、オンボードのOne-Netbookよりも明確に優れている点だと思います
ということで何だか変な感想ですが、”ゲーム用途ではないのであれば”GPD WIN MaxはOneGXよりも遥かに多くのメリットを備えていますので、小型で強力なノートPCが欲しいという方はこちらを選ぶとハッピーなのではないかと思いますよ
まとめ
中国では生産工場が続々と再開しているようで、一時はコロナでどうなるかと思いましたがOneGXもGPD WIN Maxも発売へ向けて動き出している感がありますね
今回の比較をざっくりまとめると
- 性能:GPD WIN Max > OneGX
- ゲーム機としての性能:OneGX > GPD WIN Max
- ゲーム機としての使いやすさ:OneGX > GPD WIN Max
- UMPCとしての使いやすさ:GPD WIN Max > OneGX
- PCとしての使いやすさ:GPD WIN Max = OneGX
というような感じになりました。あくまで予想ですけどね
最後の『PCとしての使いやすさ』は、ポート類やインターフェースを考えるとGPD WIN Maxが圧倒的に優れてるんだけど、1280×800という解像度だと私の使用用途では画像編集とか動画編集とかDTMとかは厳しそうということでこうした評価にしてあります
一般の方が使うことが多そうなオフィスソフトなんかも、解像度の低さがネックになることが多いですのでやっぱり厳しそうな気がしますね
OneGXの方はまだまだ分かっていない部分も多いですので、今後本体仕様が明かされてくればまた評価は変わるかもしれません
でも、ポートの豊富さに関しては、7インチの筐体にサンボル+フルサイズHDMI+Type-A×2+有線LANとか絶対無理だと思いますので、この点はGPD WIN Maxの優位は揺るがないとも思います
何にせよ、OneGXは早く本体仕様を公開して下さい! そしてGPD WIN Maxは発売時期を速く公開して下さいっ!! もう楽しみ過ぎて辛抱できません(笑)
それではまた~
コメント
いつも拝見させてもらっています。
GPD WIN MAXの16:10ディスプレイは、縦の解像度が768無いと起動できないソフトへ対応する為ではないでしょうか?
旧機種でそう言う意見をちらほら見かけました。
FullHDはパフォーマンスの問題か、搭載するつもりが無さそうですし。
匿名さん
コメントありがとうございます
たしかにその問題がありましたね。私もゲームではないですが、DAWを使う時に初代や2代目で苦労したような記憶があります
1440×810とかのほとんど見かけないパネルを量産するのは現実的じゃないし、そう考えると仕方ないのかもしれませんね
貴重なご意見、ありがとうございます♪