一問一答 プロが答えるドローンのよくある疑問100

プロが答えるドローンの疑問 TIPS

ドローンに興味があるけど未知の分野だけに

何をどう始めていいか分からない

という意見をよく耳にします

この記事にたどり着いて下さったあなたも、そうなのではないでしょうか?

どんな機種を選べばいいの? ドローンを飛ばすのに免許は要るの? 学校に通った方がいいの? どんなルールや法律があるの? などなど…

今回はドローンの専門家(ドローンパイロット・JUIDA認定講師・DJIインストラクター)でもある管理人が、ドローンに関するあらゆる疑問に対して、一問一答形式で簡潔に答えていきたいと思います

顔は秘密です(笑)

知りたいことだけサクッと読めるよう一問一答にしましたが、もっと詳しく知りたい! という場合や、知りたいことが載ってなかった! という場合にはコメントいただければ速やかに回答いたしますのでお気軽にどうぞ

目次で各項目へジャンプできますが、長すぎて見づらい場合には[CLOSE]というところを押して閉じると見やすくなると思います

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ドローンの基本的な疑問

ドローンて、何?

無人航空機全般のことをドローンといいます

マルチコプター(プロペラがたくさん付いてる航空機)以外に固定翼機やヘリコプターも条件を満たしていたら無人航空機になります

最近は陸上ドローンとか水中ドローンも出てきてるので定義は曖昧になりつつあります(笑)

どんなものが無人航空機なの?

日本では法律(航空法)で定義されています

固定翼機・回転翼航空機・滑空機・飛行船であって構造上人が乗ることができないもののうち、遠隔操作又は自動航行により操縦が行えるもの(機体とバッテリーの合計重量が200グラム未満のものを除く)

200グラム未満て、厳密にはどういうこと?

飛行するために最低限必要な装備を整えた状態で200グラム未満となります

例えば、プロペラガードをつけたら200グラムを超えてしまう、というようなケースは200グラムを超えたとはみなされません

ドローンは何ができるの?

撮影全般が得意です
写真や動画を撮ったり、カメラが赤外線カメラであれば点検や調査も行えます

大型ドローンであれば物を載せられますので、荷物を運搬したり農薬を撒いたりできますが飛行時間や飛行距離は短めです

ドローンの大きさが違うと何が違うの?

主な使いみちが変わります

小型のものは目の代わり
ちょっとした撮影や点検をしたりホビーとして楽しむことができます

サイズが大きくなると性能の良いカメラが積めたり長く飛んでいられますのでプロ用となります
さらに大型の機体は物を搭載するためのドローンで、産業用ドローンと言われたりします

小型のものほど気軽に使えますが風に弱かったり、飛行時間が短くなります。大型のものは用途に応用が利きますが、気軽に使うのは難しくなってきます

ドローンビジネスは儲かるの?

簡単に稼げていた時代は終わったと思います

パイロットとして働くのも、ドローンスクールを開くのも、今ではそれほどお金になりません
私も全然儲かっていません(笑)

しかし、ドローンに新しい何かをプラスアルファして、まだ誰もやっていないことを生み出せれば爆発的に儲けられるビジネスチャンスはあると思います

これは別にドローンに限ったことではないですけどね
何事もイノベーションが大事だということです

ドローンの仕事ってどんなものがあるの?

撮影道具として最も多く使われています。また撮影機能を応用した測量や点検でも既に広く使われています

ですのでカメラマンの方や映像業界の方、それと工事や点検業関係の方が最も活用していますね

今から業界にポンと飛び込んで仕事が豊富にあるかというと…難しいかもしれません
コネがあるとか、自分の仕事を便利にするという意味ではビジネス利用する価値はあります

ドローンに免許は必要なの?

ドローンには免許というものはありません。誰でも飛ばすことが可能です

民間団体が発行しているライセンスというものはあり、ドローンスクールを卒業する等で資格を取得できますが、法的な効力はほぼありません

ドローンスクールは何のためにあるの?

ドローンは誰でも飛ばせますが、自由に飛ばそうとすると法律・ルールが枷になってきます
そうした制限を超えて運用するには「飛行許可・承認」を取得しなければなりませんが、許可や承認を取得するには正しい知識確かな技能を持ち、安全運用を行えることという条件が付きます

ドローンスクールに通えばこれらの条件を確実にクリアすることができます

ドローンスクールに通う意味

飛行申請についてはスクールに通わなくても、自分でしっかりと学び、腕を磨き、安全運用体制を構築できるならそれで問題無いことになっています

自分で学ぶのが大変・よく分からない・練習場所が無い等の方は利用するメリットはあるかもしれません

また、民間団体のライセンスは飛行申請提出の際に添付することができ、審査の際に多少考慮される……と言われています
ごく一部ですが申請書類の一部を省略することも可能になります

とはいえドローンスクールは高額ですので、コスパを考えると首を傾げる部分もあります

ドローンのルール

ドローン 法律

ドローンを飛ばしていい場所はどこ?

これは逆に飛ばしてはいけない場所をお教えした方が早いです

  • 空港周辺
  • 高度150メートル以上の上空
  • 人口密集地域(DID)

上記が航空法によってドローンの飛行が禁止されているエリアです(飛行禁止空域)

さらに無人航空機等飛行禁止法(ドローン禁止法)により

  • 国の重要施設(首相官邸や皇居等)
  • 対象となっている外国公館等(大使館など)
  • 対象となっている原子力事業所(原発等)

の上空及び周囲300メートルを基準としたエリアも飛行禁止です

上記以外の場所であれば原則ドローンを飛ばせますが、ドローン禁止法は今年改正され「基地周辺(自衛隊や米軍基地)」の飛行も禁止となりますので注意して下さい

ドローンでやってはいけないことって何?

航空法により以下の行為が禁止されています(飛行方法の制限)

  • 夜間飛行(日の出から日没までしか飛ばしてはいけない)
  • 目視外飛行(ドローンの向きが目視で判別できる範囲で飛ばさなければいけない)
  • 安全距離を確保しない飛行(第三者や第三者の家・財産から30メートル以上距離をとって飛ばさないといけない)
  • 催し物上空での飛行(不特定多数の人が同じ目的を持って集まってきた場所)
  • 危険物の輸送(凶器、毒物・劇物、爆薬等をドローンに載せてはいけない)
  • 物件投下(物を落とす、紙吹雪を撒く、水を撒く等)

目視外飛行はドローンが見えていないとダメなので、建物の裏手に回り込ませることやドローンのカメラ映像を見ながら飛ばすことも禁止です

また、航空法は今年改正され飲酒状態での操縦も禁止となります

じゃあドローンは全然使えないってこと?

何もしないと、ほぼ使える場所やシチュエーションはありません

そのため「飛行申請」を行い許可や承認を受けてから飛ばすことがほぼ必須となっているのが現状です

他に、無人航空機の定義に当てはまらない200グラム未満の機体を使用すれば、上記の制限に縛られずにフライトさせることが可能です

飛行申請はどうやって出すの? どこに出すの?

国土交通省・航空局に対して提出します

紙ベースで提出する方法と、DIPSというオンラインサービスを利用する方法があります
飛行申請は遅くとも、フライト予定日の10開庁日前までに提出する必要があります

民間ライセンスが無いと飛行許可や承認はもらえないの?

ドローンスクールに通ってライセンスを取得しなくても、要件さえ満たしていれば誰でも飛行許可・承認を取得することが可能です

許可や承認をもらうための条件は何かあるの?

法律や機体、運用に関する正しい知識と確かな技能を持ち、安全運用体制を構築できていることが許可・承認の条件となります
最も有名なところでは10時間のフライト経験を有すること、などでしょうか
他にも色々と定められています

これらの証明は自己申告であり証明書を提出する必要などはありませんが、公的な書類ですので虚偽の申告は罪に問われることがあります

飛行申請の行い方や条件などはこちらの記事で徹底解説していますので参考にしてみて下さい

誰でも無料でできる! ドローン飛行申請の提出方法 2020年版
ドローンを自由に運用するために必要となる航空法の制限に対しての飛行許可・承認申請。当記事では現役のドローンインストラクターが、紙ベースで申請する方法と電子申請する方法(DIPS)の両方を徹底解説しています。ドローンのことをしっかり学びたい方は参考にしてみて下さい

許可と承認て何が違うの?

飛行禁止空域を飛行させたい場合には「飛行許可」が必要となり、飛行の方法の制限を超えたい場合には「飛行承認」が必要となります

例えばDID地区を飛行させたい場合には「飛行許可申請」を。夜間飛行を行いたい場合には「飛行承認申請」を提出します

夜間にDID地区を飛行させたい場合などには「飛行許可・承認申請」を提出することとなります

包括申請すればいつでもどこでも飛ばせるんだよね?

飛行申請には「通常申請」、「一括申請」、「包括申請」があります
包括申請」は場所や日時に対して包括的な許可や承認を取得するための飛行申請です

これを取得していると、飛行日時を「1年間いつでも」としたり、飛行場所を「日本全国」とするなど包括的に許可・承認が得られますので、毎回申請を行う必要がなく運用上とても便利になります

包括申請を取得するにはどうすればいいの?

基本的には通常申請と同じように申請を行い、日時を「1年間」としたり場所を「日本全国」と書いて提出するだけですが細かな条件もあります

詳しくは別記事で解説していますのでそちらをご覧ください

2020年 ドローン飛行申請の「包括申請」を徹底解説 条件・申請方法など
当記事ではドローンの年間包括飛行申請の取得方法を解説しています。紙ベースとDIPSの両方に対応。包括申請についての解説や注意点なども、プロの目線からできるだけ分かりやすく解説を心がけました。正しい知識で安全フライトを目指していただけたら幸いです

また包括申請は最大で1年間自由にドローンを運用できる代わりに3ヵ月に一度「飛行実績」を報告する義務があります

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飛行実績報告はどうすればいいの?

所定の様式に記入してメールを送付、もしくはオンラインサービスDIPSにて3ヵ月に一度報告を行います

記載方法が分からない場合には国交省のウェブサイトにて書き方例が解説されています

なお、DIPSで取得した許可・承認の場合は、実績報告も電子報告となりますが、現時点では手間はそれほど変わりません

紙で取得した飛行許可・承認をDIPSで報告できるの?

郵送によって取得した飛行許可・承認であってもDIPSで飛行実績報告が可能です

ただし電子報告とは違い、これまで通り既定の様式に必要事項を記入したものをメールではなくDIPSからアップロードして報告する、という方式になっています

つまり、報告書の作成は必要です

紙の許可証の人でも、DIPS『ドローン情報基盤システム』で実績報告を行う方法
ドローンの専門家が、ドローン情報基盤システム【DIPS】を使って、飛行実績報告を行う方法を解説。DIPSによる電子申請をした方はもちろんのこと、従来の紙ベースで申請を行った方がDIPSで実績報告する方法も細かく解説しています

他にも気をつけないといけない法律はあるの?

あります

代表的なものを挙げると

  • 地方自治体条例
  • 道交法
  • 民法
  • 個人情報保護法
  • 軽犯罪法
  • 電波法
  • 外為法
  • 産廃法
  • 刑法

あたりは意識する必要があります

詳しくはこちらの記事で解説していますので参考にしてみて下さい

ドローンに関する法律 現役インストラクターが簡潔に丁寧に全部解説!
ドローンを使う上で知っておくべき法律を、現役ドローンインストラクターが本記事で全部解説します。ポイントと詳細に分けて解説していますので、サクッと知りたい方・深く学びたい方、どちらにも対応してますよ。ドローンスクールの講義とほとんど同じことを話しています

ドローンの運用について

ドローンの疑問

どんなドローンを買えばいいの?

自分の目的に合わせたドローンを購入しないと「使い物にならない」という結果になってしまいがちです

レジャーのお供なら携帯に便利な小型のものが良いでしょうし、業務撮影、測量、点検等で使うなら大型センサー、高性能レンズ、高画素のカメラを備えたものを購入しないと要件を満たせない可能性があります

また、ドローンにおいては「大は小を兼ねません

大型機は取り回しのしにくさや、安全対策を大掛かりにする必要があるため、気軽に街中を飛ばすことは難しい場面が多いです

使いみちに合ったドローンをしっかり吟味することが重要と言えます

おすすめのドローンメーカーはどこ?

一般の方が使用するのであれば、趣味利用から業務利用までDJIが圧倒的におススメです

機体の安定性、日本語環境への最適化、アプリや情報の充実度はもちろんのこと、DJIの機体は飛行申請を行う際に断トツで優遇されており、かかる手間暇や許可・承認を得る難易度がまるで違ってきます

それなりにメジャーメーカーであるParrotもYuneecも全く優遇されていませんので、DJIへの贔屓っぷりはものすごいと感じています

産業用ドローンに関してはDJI製品もラインナップされていますが、エンルートもほぼ全ての機体が国交省にて優遇されていますのでそちらでも良いかもしれません

詳しく知りたい方は別記事を参考にして下さい

機体以外に用意するべきものは何?

絶対に必要になってくるのは予備バッテリーです。1セットだけだと満足に使うことができませんので、できれば予備含め最低3セットあると、充電を回しながらある程度快適にフライトさせられると思います

アプリの機能を使う・カメラ映像を確認する必要がある、というような場合にはモニター(タブレットやスマホ)も必須となります

まとめ

こうして書き出してみたら全然100は無かったです(笑)
今後何か思い出したら追記したり、ご質問をいただけたら都度回答していきますので最終的には100ぐらいにはなるんじゃないかなぁ~と予想してタイトルはこのままいきたいと思います

最近は見せしめなのか書類送検される人が増えてきているようにも感じますので、ルールを守って楽しいドローンライフ・ドローン活用を行えるといいですね

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