水中ドローンに落胆した私が「BW Space Pro」を分析してみた

BW Space Pro レビュー ガジェット

こんにちは、ドローンインストラクターのりんごロイドです

水中ドローン、名前を聞くだけでワクワクしますよね。空の映像も素晴らしいですが、水中もまた未知の風景が広がる世界。ステキな映像が撮れるのではないかとワクワクします

かつて私もそんな期待を胸に、水中ドローンを購入したことがあります。もう2年近く前でしょうか……

水中ドローン レビュー

かつての愛機 PowerRay

その時に、あまりの理想とのギャップに激しく落胆して、速攻で売りさばいたという過去があります

苦い思い出です……

そんな中、近ごろ日本のクラウドファンディングサイトMakuakeにて注目が集まっているBW Space Proという水中ドローンのウワサが耳に入ってきました

このドローンがなかなかの人気らしいのですが、かつて痛い思いをしている私は素直に飛びつくことができません

今回は私の失敗経験をもとにして、公表されているBW Space Proのスペックを分析し、満足に使っていけるのかどうかを考えてみたいと思います

もしいけそうなら、もう一度だけ信じてみようかとも思いますが……果たしてどうなる!?

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水中ドローンとは? メリットと注意点

そもそも、水中ドローンとはどういうものなのかを解説しておきたいと思います

ドローンとは「無人航空機」のことですので、厳密には水中ドローンという呼称は矛盾しているのですが……まあ最近は『ラジコン』みたいな意味で使われている言葉でもありますので、揚げ足とっても仕方ないですね

その名が示す通り、機体を遠隔操作して水中を自在に移動し、撮影を楽しむことができるガジェットが水中ドローンです

水中ドローンは普通のドローンとは違い、法律的な制限がありません。そのため、誰でも自由に楽しむことが可能となっています。また、安全性も高くなっているため講習等を受ける必要もありません

最近ごく一部のドローンスクールで「水中ドローン講座」なるものをやっているようですが、ハッキリ言って通う必要はありません。ボッタくりだと思っています。確かに多少気をつけなければいけない点もありますが、この記事を読んでもらえれば全てわかる程度のことですので大丈夫です

水中ドローンのメリット

水中ドローンは普通のドローンと比較して以下のような利点があります

  • 空中と違いバランスを崩す要因がほとんどない
  • 空を飛ばないのでバッテリーの持続時間が段違いに長い
  • 予備バッテリーが必要無いので追加出費が無い
  • 電波法上、5GHz帯の電波も使える(低遅延・大容量データの送受信)
  • 法律的な制限がない(民法や自治体条例には注意)

水中では墜落するということがあり得ないため、重大事故を引き起こすリスクがほとんど存在しません。移動中も安定していますし、水中でホバリングすることも可能です。また、バッテリーの持続時間が長く、機種によっては満充電にしておけば5時間程度もったりします

通信電波も『上空』へ向けて使っていないため電波法の制限を受けず、5GHz帯の電波を使用することも可能です。そして先ほども言ったように法規制がありませんので、ルール等を覚えさせられたり制限されたりすることなく、自由に扱うことができます

ただし港湾事務所や河川管理局などが禁止している場合は従わなければなりませんので、その点だけ注意して下さい

水中ドローンの注意点

では気をつけなければいけない点とは何なのでしょうか?

  • 通信にケーブルを用いるため、巻き込みに注意
  • 水の透明度によっては全く見えない
  • ダイバーや水棲生物に注意

以上の3点になります。「たった3つかよ」と思うかもしれませんが、特に上2つはけっこう大きな問題だったりします

まず通信ケーブルなのですが、これが結構厄介です

水中ドローンの通信は、プロポとWiFi中継局間を電波によって行い、WiFi中継局と機体の通信をテザーと呼ばれる有線の通信ケーブルによって行います

水中ドローン レビュー

このテザーが嵩張ってしまって、特に小さなボートの上などでは取り回しに苦労します。もし小型のエンジン付きボートだったりした場合など、スクリューにテザーを巻き込んでしまう可能性もあるので特に注意が必要になります

私はこんな

巻き取り式のホースを購入し、ホースを引っこ抜いて代わりにテザーを巻き付けて運用していました。今回紹介するBW Space Proははじめからリール式の巻き取り台がついているようですのでこの点は心配いりませんが、巻き込みのリスクはありますので十分に注意して下さい

 

そして2点目の水の透明度によっては全く見えないという点。実はこれこそが、私が水中ドローンを手放した最も大きな理由です

日本の海や河川、湖沼の透明度は残念ながらかなり悪いと言わざるを得ません。これは、水中ドローンが美麗な映像を撮影できる透明度を大きく下回っています

これによってまず、美麗な水中さんぽ映像を撮りたいという理想を叶えるのが非常に困難になっています。沖縄や東北の一部地域など、透明度の高い水場がある人はいいですが、そうでない人にとっては非常に厳しいです

そのためある程度接近しないと被写体を映すことができないのですが、別の言い方をすれば「接近するまで何があるのか分からない」ということでもあります。ある程度スピードを出していたりすると、定置網や岩場に気づかず激突してしまう可能性があります

当時アドバイザーとして、ホタテの養殖をしている方や水鳥の生態調査をしているという方にアドバイスをしたことがありますが、やはり接近しなければ見ることができず、中々フル活用は難しいとのお話しでした。ダム管理の方なども、壁面にかなり接近しないと見えませんので注意が必要です

水中が見えないのは、単純にカメラの限界であることに加えて、水中ドローンに搭載されているライトの明るさがそこまで明るくないことが原因です

多少手を加える覚悟があればダイビングライトを増設することでカバーすることも不可能ではありませんが……

3番目のダイバーや水棲生物に注意というのは、衝突に注意という意味です。当たり前のことですね。普通のドローンと比べればはるかに衝突リスクは低くなっていますが、一応気を付けるようにして下さい

BW Space Proは使い物になるのか? スペックから検証

前置きが相当長くなってしまいましたが(笑)

それでは今回登場するBW Space Proのスペックであれば、先ほど紹介したような注意点を乗り越えて、バリバリと活用していくことができるのかどうかを考えていきたいと思います

BW Space Pro レビュー

画像引用:Youcan Robot

私がかつて「まるでダメだ!」と落胆したPowerRayとの比較形式で検証します。つまりPowerRayと同等、もしくは下回っていた場合、その部分については使い物にならないということになります

BW Space ProPowerRay
センサーサイズ1/1.7 CMOS:4Kモデル
1/1.8 CMOS:4Kズームモデル
1/2.8 CMOS:フルHDモデル
1/2.3 CMOS
焦点距離(フルサイズ換算)
※変換後の値ですので凡そです
20mm:4Kモデル
18mm-55mm:4Kズームモデル
35mm:フルHDモデル
20mm
解放F値f1.4:4kモデル
f1.4 – f2.9:4Kズームモデル
f2.0:フルHDモデル
f2.8
撮影形式MP4 4K/30fps:4K・4Kズームのみ
MP4 フルHD/30fps
JPG/1200万画素:4Kモデル2機種
JPG/213万画素
MP4 4K/25fps
MP4 フルHD/60fps
JPG/1200万画素
ストレージ64GB(全モデル共通)64GB
動作可能時間最大5時間最大4時間
バッテリー容量9600mAh 3セル(たぶん)
106.56Wh
6400mAh 4セル
94.72Wh
最大速度秒速1.5m秒速1.5m
最大深度100m30m
推進器(スクリュー)水平2/垂直2水平2/垂直1
ライト性能2,760ルーメン
(1,380ルーメン×2)
900ルーメン
(450ルーメン×2)
サイズ430×330×130mm465×270×120 mm
重量3.9Kg3.8Kg
価格118,800円:フルHDモデル
162,000円:4Kモデル
237,600円:4Kズームモデル
112,800円

このようになっています

これは……なかなか良いのではないでしょうか?

全体的に見てもPowerRayの上位互換という感じがします。特にライトの性能が段違いですので、私が絶望した時とは違ってある程度見通し距離を稼いでくれる可能性があります。さらにレンズ自体が明るくセンサーサイズも大きいですので、PowerRayに比べて暗所にかなり強くなっていることも予想できます

南の島で撮影したようなクリアな映像の撮影は無理だと思いますが、高輝度のライトによって、少なくとも点検業務などでは使っていけそうなスペックだと思います。水中ドローンとしては有名なGLADIUSが2,400ルーメン(1,200ルーメン×2)なのでそれを上回っています

BW Space Pro レビュー

画像引用:Youcan Robot

ただ、プロが使うような水中ドローンは4,000ルーメンオーバーですし、本格的な水中探査機などは10,000ルーメンを超える照明を積んでいるわけですので、それらと同じ映像を期待してはいけません。もちろんルーメン数で全てが決まるわけではなく、照射角やルクスなども重要な要素なのですけどね

それと、4KモデルだけがSONY製センサーを採用していて他は謎というのはやや怖いです

サイズ感はPowerRayとほとんど同じで重量も兄弟のようにソックリです。それでいて最大潜航深度はBW Space Proの方が大幅に上回っていますので、サイズ対性能比がかなり良いということになります

サイズ感をPhantom4 Proと比較

それからスペック表には載っていない部分なのですが、最近の水中ドローンのトレンドである仰角ホバリングが可能となっているのもPowerRayにはないメリットです。これは上下にある程度傾いた角度をつけた状態で静止できるという機能で、この能力があると水中をあおりや俯瞰で撮影することが可能です

この機能はGLADIUS MINIにも搭載されていて大変好評でした

そしてなんといっても価格が控えめなのが嬉しいポイントですね。定価でも安いですが、Makuakeで先行出資すれば30%オフというのはかなり魅力的です。ただ、フルHDモデルはカメラスペックがガクッと下がってしまうのがちょっと残念ですね

ちなみに今でこそPowerRayは12万円ぐらいで売ってますが、私が買った時の価格は22万円ほどでした……(ToT)

まとめ

ということで、かつて私が苦渋を飲んだ機種と比較しながら色々と検証してみましたが、結論としては……

フルHDモデルなら買ってみてもいいかもしれない

です

BW Space Pro レビュー

画像引用:Youcan Robot

たしかにセンサーはスマホ以下だし画角も水中で使うには狭いしで、ちょっと残念さはあるのですが、レンズが比較的明るいことでカバーできるのではないかという期待と、何よりも本体性能はフルHDモデルでも4Kモデルでも変わらないというのが魅力的だと感じました

10万円以下の水中ドローンで2,500ルーメン以上の明るさのライト、100m潜航可能というのは、かなりコスパが良いと感じます

もちろん4Kモデルの方がより魅力的なのはその通りなのですが、苦い過去を思い出すと10万円以上出すのは個人的にちょっと怖いです。それと4K撮影可能で最大5時間潜ってられる機種なのに、ストレージが64GBでは、撮影に満足する前にストレージがいっぱいになってしまいそうというのも不安です

お金があって失敗も怖くないという方には、スペック的にあらゆる点で上回っている4Kモデルをおすすめしますが、「水中ドローンてどうなんだろ?」と悩んでいる方には、フルHDモデルだったら試してみる価値は十分にあると思いますよとお伝えしたいです

※ただしフルHDモデルの静止画画質はおもちゃカメラレベルですので、写真撮影をしたい方は絶対に買ってはいけません

その他、機体スペックは申し分ないのですがカメラ性能が明らかに悪い・もしくは不明な点が多いのはちょっと怖いので、その点だけは覚悟が必要かもしれません

Makuakeのプロジェクトページはこちら です。ちなみに4Kモデルなら7月末までに、フルHDモデルは8月末までに、それぞれ入手できるようです。4Kズームモデルは9月末までらしいので、夏が終わってしまう可能性があるのがちょっと残念ですね……

私も迷っているところですが、もし購入したら改めてレビューしたいと思います

それではまた~

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