撮影性能アップ? Mavic Miniにフィルターを付けてみた

Mavic Mini レンズフィルター ガジェット

最近Mavic Mini関連の記事が続いてしまってすみません。年内いっぱいぐらいで終わると思うので近々他の連載も始めますので……

今回はMavic Miniの弱点とも言える撮影性能の弱さを、外付けのレンズフィルターによってどうにか向上させられないかという記事です

重量からは考えられないほど飛行も安定していますしセンサーやレンズ自体の性能もいいのですが、シャッタースピードもホワイトバランスもオートしか使えないのでは撮影の幅が限られてしまうというのが画竜点睛を欠くという印象

フィルターによって少しでも使いやすくなるといいのですが……

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Mavic Mini用フィルターについて

現在のところDJIからは純正のフィルターというものは出ておりません。そこでサードパーティ製のレンズフィルターを購入するしかないのですが、私が選んだのはこちら

カメラにカチッとはめるタイプのフィルターで、ND4~32までのNDフィルターが各1枚ずつと、CPLフィルター、UVフィルターが各1枚の計6枚がセットになったフィルターです。中国からの送料込みで3,000円程でした

Mavic Mini レンズフィルター

ちなみに上記のリンク商品は3枚セットで2,700円。6枚セットを売っている業者もありますが5,500円程度とボッタくり価格ですので、やれそうな人はAliexpressなどから買うのがおすすめです

つけ外し自体は予想に反してワンタッチ的に行えるのでその点は好印象です。ただし構造上フィルターの重ね付けはできません

Mavic Mini レンズフィルター

それでもND32まであれば意外といけるのではないか? と思うところなのですが、DJI Flyアプリで確認すると、ND32を装着した状態でのシャッタースピードは理論値ほど遅くできませんでした……。ND24(無いけど)相当ぐらいで、4.5段分ぐらいの減光効果があるようです

※SS1/30で適正露出環境下でND32フィルターを装着した際の適正露出がSS1/1.167

まぁ元々ND32では日中の屋外でシャッタースピードをシネライクなフレームレートまで落とすことは厳しいですのであまり失望もないのですが、謳っているだけの品質が担保されていないというのはちょっと悲しいものがありますね

フィルター自体の品質は、中国製の一般的な一眼レンズ用フィルターと同程度だと思います。特殊コーティングとか言っていますが埃は付着しますね。ただレンズ径自体がとても小さいのであまり気にならないかとも思います

CPLフィルターの効果

ではちょこっとだけサンプルの紹介を

まずはCPL――いわゆる偏光フィルターを装着してみます。代表的な用途としては写り込みの軽減などですが、(人間が感じる)モノの自然な色味を取り戻すというのが本来の効能ですので、ドローンの場合だと空をより青く見せたり緑をより鮮やかに見せたりする効果が期待できます

果たして効果のほどは?

Mavic Mini レンズフィルター

上段がフィルター無し。下段がフィルターありです。書き間違いじゃないですよ? 下段がフィルター装着時です

うーん……色味を際立たせるどころかむしろくすんでしまっているような(笑)

空の色以外にも、色の際立ちやすい赤系統の色の屋根を見てもフィルター無しの方が印象的な色をしています。何と言うか階調の狭い、トイカメラのような写りになってしまいました

CPLフィルターはわずかですが減光効果もありますので(ND2相当ぐらい)そのせいで色味が変わったのかとも思いましたが、しかしこれでは装着しない方がマシです

ちなみにこちらは水面を映してみたところなのですが

Mavic Mini レンズフィルター

キレイに鏡のように反射しています(笑) ジンバルピッチを細かく調整したわけではないので、角度次第では反射を抑えられる可能性は無くはないですが、本来の効能すら発揮できていないという印象を受けました

ひとまず私の購入したフィルターセットに限っては、CPLフィルターを付ける意味は無い! と言ってしまっていいような気がします。新緑の季節にもう一度試してみようかと思いますが、あまり期待はしていません

NDフィルターの効果

続いてNDフィルターです。理論値ほどではないものの、ちゃんと減光効果があることは先ほど書いた通り確認済みです。では色味の変化などはあるのでしょうか?

こちらが比較画像です

Mavic Mini レンズフィルター

うーん、さっきと全く同じ結果に(笑)

恐らくなのですがMavic Miniに搭載されている画像処理エンジン(アンブレラプロセッサ)は、レンズの光学性能をきちんと計算に入れた上で画作りをしてくれているのだと思われます。つまり、フィルターの装着は想定していないのではないかと……

だからDJIも純正のフィルターをリリースしないのではないかと思ってしまいます。そもそも手軽さがウリの機種ですしね

もちろんフィルターによっては結果が変わる可能性もありますが、少なくとも私が購入したこちらのフィルターセットにおいては、色味を映えさせるためのフィルター装着はあまり効果が無さそうということが分かりました

しかしながら『シャッタースピードを遅くしたい』というNDフィルターを使う人の多くが求めている効能は多少満たしてくれそうです

こちらは離着陸の際の比較ですが

Mavic Mini レンズフィルター

フィルター装着時はきちんとモーションブラーが効いていることが分かります

シャッタースピードが上がり過ぎてしまっている動画は、動いている最中もハッキリクッキリ映りすぎてしまうので、人間の目には不自然に感じてしまったりガチャガチャして目が疲れる映像になってしまうことがしばしばあります

NDフィルターを使うことによってモーション(動いている感)を自然に演出することができますので、そういう意味ではこちらのフィルターはアリっちゃアリなのかもしれません

とはいえNDフィルターの真価を発揮するためにはシャッタースピードを固定にして、それに合わせたフィルターを装着することが必要になりますので、Mavic Miniにもどうかシャッタースピードのマニュアル設定機能を搭載してほしいと切に願います

静止画だとシャッタースピードとISOをマニュアル設定できるので不可能ではないはず

あ、それと以前の記事でホワイトバランスがオートしか選べないことによるカラーシフトについて書きましたが、動画撮影時もAEロックだけは出来ますのでそれでどうにか対応することが可能そうです

ただ明暗差の大きいシチュエーションでは白とびや黒つぶれが起きますので、もしかしたら使えるかもしれない小技程度の対応ですけどね。ですのでワンカットで様々なシチュエーションを撮影する時に使うのはちょっと厳しいとは思います

まとめ

ということで、サードパーティ製のレンズフィルターをMavic Miniに装着してちょろっとだけ試してみたわけですが、現時点での感想は

付ける意味なし!

ということになってしまいました。タイトルに書いた「撮影性能アップ?」という点についても、「NO!」というアンサーになるわけですね。悲しい(ToT)

他のメーカーのフィルターでは違う可能性も僅かに存在しますので、一応『私が買ったフィルターセットでは』という但し書きを付けておきます

SSが上がり過ぎてしまう場面においてそれを抑えるという意味では、NDフィルターの方は少しだけ効果がありそうです。ただ、そのシャッタースピードも自分では設定できないわけですが……

やはりMavic Mini自体のファームアップによって、動画撮影時もマニュアル撮影が可能になってくれれば活用の可能性も拡がると思います

DJIさん、どうにかお願いします。いやマジで

それではまた~

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