たった1枚の写真から様々なアニメーションを作成できるアプリ
Pixaloop
同様のアプリはいくつかありますが、効果を加える程度ではなく、止まっている画像にパスをつけて自在に動かすことができるのがこのアプリの強みです
基本無料のアプリですが、フル機能を使うためにはアプリ内課金が必要となります
今回は、課金をすることによって解放される機能の紹介とその使い方を解説していきたいと思いますので、基本的な操作方法や、無料版で使いたいという方は「無料編」の記事を参考にして下さい

After Effectsの代わりと言い切ることはできませんが、部分的な代替としては使っていけるのではないかと思いますよ
課金をしてPixaloopをプロ版にする方法
本題に入る前に、基本的な話としてアプリ内で課金を行ってPRO版の制限を解除する方法を解説しておきます
いくつか方法はあるのですが、メイン画面の左上にある
こういう形のアイコンをタップする
もしくは、プロ版の機能を使った際に画面右側に出現する
このボタンをタップする
他には、プロ版の機能を使っている際にレンダリング画面に表示される
このボタンをタップすることです
これらを選択すると
この画面が表示されますので、ここから課金を行うことが可能となっています
課金方法は3種類あり、サブスクリプション制としての月払い(月450円)と年払い(年2,200円)、そして期間の制限なくずっと使い続けられる一括購入(7,400円)から選択することができます
有料版でできるようになること 一覧
概要を掴んでいただくために、まずは課金を行うことで解禁される機能を一覧でご紹介します
- 動画化に「ジオメトリック」機能が追加
- 「水」のアニメーション機能が解禁
- 「空」機能が解禁。青空のみ7種から、夕焼けやオーロラなど含む21種類に増加
- オーバーレイエフェクトが16種類から57種類に増加
- エレメントが7種類から25種類に増加
- ウィグラーのみだったカメラFXに、ダイナミックエフェクト3種が追加
- 「調整」機能が解禁
- レンダリングの解像度が最大4Kまで可能に
となっています
なかなか魅力的ですが、月450円や年間2,200円、あるいは7,400円を支払ってまで使うメリットがあるのかどうかという点にも注目しながら見ていってみましょう
Pixaloop PRO版の機能の説明
ジオメトリック
いきなり分かりづらい機能です
ジオメトリック=幾何学的な、という意味ですが、ここでは単純に図形的にアニメーションを与えることができる機能だと考えて問題ないと思います
何それ? という感じでしょうが、ざっくり言うならば、『ポイントを多段式に設けてそれに基づいたアニメーションが可能になる機能』といったものになります

うん。さっぱり分からん!
分かりにくいので例を挙げます
アプリのヘルプでも使われていますが、こんなようなエスカレーターの画像があったとします
この画像のエスカレーターを動かしたいと思った場合、通常のパス機能を使ってエスカレーターをきれいにアニメーションさせるのは、無理とは言わないものの難しい場合があります
なぜなら、画像にパースがついているから
そこでジオメトリック機能を使ってこのようにポイントを設けます
ここで設定した各ポイントは、それぞれ等速で次のポイントめがけてアニメーションします
例えば左側のパスの1段目のポイントが2段目に動く間に、右側のパスの1段目のポイントも2段目に動く、というイメージです
また、各パスの1段目のポイントが2段目に動く間に2段目のポイントは3段目に動きます
これによって、タイミングを揃え、かつ移動量をコントロールしてアニメーションさせることが可能となります
ジオメトリック機能はパス機能と違い、部分的に変化量を大きくすることができますので、パースや角度がついている画像を均等に動かしたい場合などに力を発揮することと思います
また冒頭でも書きましたがジオメトリックパスを図形的に配置することで、それこそ幾何学模様のような複雑なアニメーション変化をさせることも可能となります(パスでも可能だが動きは画一的になる)
ウォーター
有料版の中でも魅力的な機能のひとつがこのウォーターです
画像から水に当たる部分を自動認識し、8種類の水面エフェクトの中から好きなものを適用することができます
8種類のエフェクトは静かな水面~波立つ水面、もしくは小刻みに揺れる水面~ゆったり揺れる水面と微妙な違いがありますので、湖面や海面、洋上や入り江などシチュエーションによって使い分けると良いと思います
ちなみにウォーター機能は、空機能と違って適用範囲を細かく調整することが可能となっています
微調整が行えるのは助かりますし、例えば広大な海などは水平線近くをあえて適用外エリアにすることで、遠近法によって広大さを表現することも可能になります
空・オーバーレイ・エレメント
これらについては単純に種類が増えるだけですので操作説明は割愛しますが、例えば「雨」や「雪」といった基本的なエフェクトであっても、PRO版の方がよりリアルな(?)エフェクトが用意されています
種類も3~4倍に増えますので、使えるシーンが増えるのではないかと思いますよ
カメラFX
PRO版では、「ダイナミック」とカテゴライズされた3種類のエフェクトを使用することが可能になります
言葉で説明するのが難しいので動画で見てみて欲しいところなのですが、あえて名づけるなら「高速ズーム」、「スピン」、「高速チルト&ミラー」といった動きが実現できます
クセがありすぎて使いどころに悩みます
また、言い方は悪いですがこういう安っぽいエフェクトは他のアプリでも可能ですので、魅力は今ひとつだと感じます
むしろPRO版でウィグラーが解禁される方がこのアプリの趣旨に合ってる気がするのですが……
調整
色調補正が可能になります
と言ってもあんまり細かいことはできず、補正項目は「明るさ」、「コントラスト」、「彩度」、「温度」の4つだけです
温度とはもちろん色温度のことですが、ケルビン(K)で指定できるわけではありませんので注意して下さい
2K・4Kレンダリング
こちらも有料版として意義のある機能となっています
PRO版ではレンダリングの際、フルHD 1080P解像度に加えて、2K・4K解像度でのレンダリングが可能となります
フルHDと2Kは同じじゃないの? と思うかもしれませんが、このアプリはアスペクト比を変更でき、正方形や縦長でのレンダリングにも対応しているため、アスペクト比によっては1080Pだと2Kに満たない解像度になってしまうことがあるのです
お布施をすることで、2K以上の高解像度でのレンダリングが有効になります
PRO版を購入するメリットはある?
以上で解説は終了になりますが、ここまで見てきて有料版を購入するメリットを感じられましたでしょうか?
個人的な意見としては

サブスクリプション、もしくは買い切りで7,400円支払うほどでじゃないかなぁ……
というのが正直なところです
ウォーター機能や、青空以外の空機能は魅力的だと思いますがちょっと値段が高すぎるかなと感じてしまいます。そしてそれ以外の機能については、お金を払う価値自体があんまり無いような……
人によるとは思いますけどね(笑)
ただしこれはアプリ自体がイマイチ使えないという意味ではなく、無料版でもかなり大部分の機能を解禁してくれているが故のジレンマだとも感じます。サービス良すぎちゃったんですね~、嬉しいですけど
肝になるのはやはり4K解像度でのレンダリングが必要かどうかだと思いますので、そのあたりを判断基準にして課金を検討すると良いのではないかと思います。使う時だけ1ヵ月課金する、とかでもいいかもしれませんね
でも継続的に使うならやはり年契約や買い切りがお得ですので、使途に合わせて検討してみて下さい
解説動画では基本操作、無料版の機能に加えて、今回解説した有料版の機能についても解説を行っていますので良かったら参考にしてみて下さい
なお、少し考えればこれらの有料機能を無料で使えてしまう方法を多くの人が考え付くと思います
が、そのようにして不正に有料版の機能を用い動画作品を作成・公開するのはライセンス違反となりますので、決して行わないように注意して下さい
最後に余談ですが、これまでずっと実写素材で解説してきましたが、このアプリはイラストからでも高い認識率でアニメーションを作成してくれます
権利の関係でお見せできませんが、例えば「君の名は。」の1枚絵を動画化して、彗星が流れていくあのシーンのアニメーションを作成することも可能となります
実際に試してみたらかなりそれっぽく出来ました
実写の方だけでなく、アニメーションを作成される方にもおススメのアプリとなっていますよ~
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