WIN Max3がダメそうなので今さらGPD WIN 5を試す

GPD WIN 5 レビュー ベンチマーク PC

今日開始イベントのChinaJoyでプロトタイプの公開が始まったGPD WIN Max3

前モデルと違ってガンメタパープルっぽさが無くなり純粋な黒色で、かつサイズもコンパクトになり良い感じですね。私も絶対に購入するつもりでいました

しかし結構前から主にDiscordにて

GPD WIN Max3には128GBメモリ版は出ない!

ということが語られるようになりました。GPDの中の人がそう言っているわけなのですね

もちろん私や他の方は

リークされた情報や販促資料(例えば今回のChinaJoyを宣伝する画像)には最大128GBって書いてあるじゃないか!

画像出典:GPD from X

と訴えたわけなのですが、それは「あくまでSoCとして対応可能なのであって、製品として出るかどうかは別問題である。そして今のところ出す予定は無い――

とのことでした。ガーン

そこで改めて私のサブPCの使い方を考えたときに、GPD WIN 5の128GBモデル版こそが唯一無二の選択肢なのだと気づいたため、今さらながら慌ててWIN 5を購入しました

今回はそんな記事です

※別に今さらGPD WIN 5の詳細を書いてもしょうがないでしょうし、結構自分の感想的な文章や内容が多くなってしまっています。情報だけを知りたいという方は読まない方がいいかもしれません

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GPD WIN Max3とWIN 5についての個人的所感

冒頭のSKUについての話題ですが

Discordにいる人の大半はゲーム機として見ているので大きな騒ぎにはなっておらず、むしろベースモデル(AI Max+388/32GB/1TB)の価格がOneXPlayer3の32GBモデルよりも安くなるということで喜んでいます

しかも値段が安いのに、OXP3より大画面のOLEDでmicro SD Expressにも対応するとのことで大喜びみたいです

が……

私を含む、生産ワークやローカルAIに使いたいというごく一部の人にとって、Strix Haloの唯一の利点は大容量ユニファイド(厳密には少し違うけど)メモリなのです。64GB版でも無意味

なぜなら64GB版ではVRAMに使えるのは結局48GB程度までであり、70B~のローカルモデルを展開することが出来ないのです。それよりも下で主流のモデルや量子化レベルで考えるとこれは32GB VRAMに収まるようなモデルになってしまい、であるならば普通にdGPUに収まるのです

ハッキリ言ってAI推論性能ではStrix HaloやAppleシリコンはNvidia dGPUの足元にも及んでません。だからVRAMに収まるならデスクトップでLLMを走らせる方が絶対に良いのです。RTX5090の二枚挿しだとか、RTX Pro 6000だとかを使わない限り展開できないモデルでも、そこそこの速度(40tok/s程度)でローカルで動かせるというのが、唯一最大の利点です

もちろん普通のPCでもdGPUのVRAM+システムRAMに溢れさせれば展開は出来ますがその時の速度は惨憺たるものがあります(数tok/s~10tok/s)。なのでこうしたSoCが注目されるんですよね。それが利点なのです

私の意見はこの機種を求める一般ゲームユーザーとはかなり違っていると自覚しています。ゲームの場合には全然当てはまらない、あくまでも私の使い方の場合ですが、Ryzen AI Max+の機種は128GB RAMモデルを買わないなら自分にとってはあまり買う意味が無いと思っています

単純にグラフィック性能が欲しいならdGPUを搭載したPCを買う方がはるかにいいわけです。その方が安いし性能も高い。ロマンを求めるため! というならまた別ですけどね(笑)

Strix Halo機はどうしても大きくなってしまいますし値段も高い。UMPCの場合バッテリーも外付けですので別途持ち運ばないといけない。グラフィック性能についてはポータブルeGPUがあり、8060Sの性能はこうしたeGPUに負けてしまっています

特にWIN 5は私の嫌いなスレート型であるため、使用する時には本体+ドック+バッテリーを持っていかないといけません。現在の私のお出かけ用システム(AYANEO FLIP 1S+eGPU)と荷物の量はほぼ変わらないのでその点のメリットも無し

だから本当に、私にとっては

  • 96GB VRAMで大容量モデルをローカル展開できること
  • 逆に96GB システムRAMで、64GBでは溢れてしまうAEやCubaseのプロジェクトファイルを開けること

というのが、すごく少ないけど逆に他では実現不可能なオンリーワンの利点ということになります

だから、スレート型(キャンディーバー型)の端末は大嫌いですがそれでもGPD WIN 5を買ったというわけです。本当は嫌です、こんな機種は。心からGPD WIN Max3の方が欲しかったです

なんで128GB版出ないんだよ……

GPD WIN 5の良いところ

そんな、個人的にあまり好きではないGPD WIN 5ですがそれでもいいところもあります

まず、Ryzen AI Max+ 395を搭載したUMPCの中でもは最も横幅が短いです。Swtich2より少し短いぐらいのサイズ

といってもアプデプログラムを受けたごく一部のOXP Mini2 Proや、今度のGPD WIN Max3には負けてしまうわけですが、これらには128GB版がありませんので、128GB版のUMPCとしては現時点でも変わらずに世界最小です

またその利点のおかげで、重量も上記2モデルよりも軽量になっています

RAMアポカリプス・半導体ストライクの前に作られた機種なのでSSDが4TB積まれているのも嬉しいですね。昔だったら小容量のモデルでも自分で換装すれば良かったのですが、今は4TB SSDの高いこと高いこと……

発売から時間が経っておりコミュニティには情報が豊富な点もありがたいですし、当時はMotion Assistantしかなかったユーティリティツールにも「GPD Tool」が登場しました

こうした管理ツールは他社に明確に劣っていた点でしたが使いやすくなったものです。機能はかなり限定的ですがそのぶんシンプルで使いやすいとも思います。ただ、この記事を書いている時点ではGPD Toolを使用するとオンスクリーンキーボードにTabtipが使えないっぽい(?)のがちょっと不満ですが

あと良かった点として、私が買ったのはパンダカラーモデルで見た目的にもかなり好きな配色なのも自分としてはいいところです

GPD WIN 5 レビュー

白色でもちゃんと技適があり、こういうところAYANEOとかより好感も持てます

あと全然関係ないのですが、大昔に買って全く使わず余らせてしまっていたSkull&CoのSwitch用ケースがまさかのシンデレラフィット!

GPD WIN 5 レビュー

下段にはバッテリーも入れておけるのでかなり良い感じですしケースを買わなくて済んで良かったです

GPD WIN 5 レビュー

GPD WIN 5のダメなところをどのように乗り越えたのか

もちろんダメなところもあります

その最大のものは、ファンノイズのデカさだと思います。と言ってもこれはAPEXも同じなのですが、やはりこのサイズのPCではある程度高い(55W~とか)TDPで動作させてしまうとかなりの爆音になりますね。今は真夏だから余計にそうです

WIN Max3は比較するとだいぶ静かになっていることがChinaJoyで確認されていますし、バッテリーと排他になりますがファンモジュールを使うことでさらに静音性を高めたり、冷却性を向上させより高いTDPを実現することが可能となっています

あとは何といってもGPDのアイデンティティであるキーボードが無いことですよね。その代わりにオンスクリーンキーボードボタンが物理ボタンとして追加されてはいますが、これはまあ『無いよりマシ』という程度のものです

他にも、画面がOLEDでない、アスペクト比が16:9であるなどライバルに負けてしまっている部分は多々あります。そもそも1年前に買わなかったのもこれが理由でした

これを妥協できるようになったのは私の使い方に変化があったからでした

歳のせいか、もはやUMPCの画面でWindowsを扱うことが視力的な意味で無理になってきてしまいました。これは7インチだろうが8インチだろうが10インチだろうが同じです(ToT)

だったらFlow Z13みたいな2 in 1やノーパソを買えよ! と思うでしょうが、私は「こんなに小さいのに高性能!」というのはやっぱり大好きなのです。オタクの悲しい性です

そこで私はちょっと前から、折りたたみ外付けモニターと折りたたみキーボードマウスを持ち運んで使うというスタイルに変化しました。このポータブルディスプレイはAdobe RGBまでカバーしている高色域かつ低色差のものですし、キーボードもテンキーまである日本語配列のものです

だから今まではあれだけ重要視してきたディスプレイの品質がどうでも良くなったわけです。というよりも本体側のディスプレイはサブディスプレイとしてシステムオーバーレイを常時表示していますので、むしろOLEDでは無い方がいいまであります(焼き付きを心配しなくていいから)

キーボードについても、やはり私は本気でPCを使うならテンキーは絶対に必要な人間です。しかし小さいの好きの自分が選ぶUMPCですからサイズ的にもテンキー付きのものなどありません。今までは外付けテンキーなど色々試してきましたが、やっぱりフルサイズのキーボードが欲しいのです

そんな時にこの折りたたみ式でテンキー付きでしかも日本語配列でというものと出会い、以後はずっとこれを使っています。だからキーボードの有無もどうでもいいのです

これも逆に、JISキーボードを使うため設定は日本語配列にしますが、もしUMPC本体にキーボードが備わってしまっていた場合、これは確実に英字配列です。使えないわけではありませんが、本体に印字されているキーと実際に入力されるテキストに齟齬が生じますので、キーボードについてもむしろ付いて無い方がいいまであります

昔は散々「ディスプレイの色域ガー」とか「キー配列ガー」とか言ってきた私ですが意見が180度変わりました(笑)

このように、ちょっと使い方のスタイルが変わるだけで評価が真逆に変わってしまうわけですからガジェットの評価は本当に難しいと思います

今でもゆーちゅーばー()なんかは「最強!」とか「最高!」とかやってるんですかね? 分かりませんけど、本当に評価は目的やライフスタイルによって激変しますので鵜呑みにし過ぎたり騙されたりしないように気をつけないとですね

GPD WIN 5の性能チェック

これももう古い機種ですので、いつものように本格的なベンチをするわけではなく簡単な参考用比較として行ってみたいと思います

なので本体設定もBIOSも何もいじっていません。箱明け直後状態ですのでマニュアル通りならたぶんTDPは70Wだと思います。これで今のシステム(AYANEO FLIP 1S + RTX 4090mですが一部のベンチ結果はiGPUのものです)と比べてどのぐらい良かったり悪かったりするのか軽くチェックしてみたいと思います

PassMark(CPU Mark)

まずPassMarkを試してみました

とはいえいつものAMD機と同じく相変わらず3D Markテストでエラーが出ており正確に計測できていません

GPD WIN 5 PassMark

GPD WIN 5 FLIP 1S
PASSMark 11354 10848
CPU Mark 54082 28951
2D Mark 1307 1037
3D Mark 17918※一部NA NA
MEMORY Mark 2529 2706
DISK Mark 52482 18701

このような結果になりました

Pコアを16個積んだ32スレッドのモンスターっぷりを如何なく発揮していますね

正直グラフィックを重視しているだけならIntel Arc G3eを採用したPCの方が良かったりするんですよね。あるいはRyzen AI Max+ 388とか。でも私のように多コアCPUの恩恵がものすごく必要な場合、やはりこのSoCは魅力的となります

GeekBench 5&6&7

新しくGeekBench7が登場しましたね。それに伴いGeekBench5を実施するのは今回が最後となります。今までありがとう

GPD WIN 5 GeekBenchGPD WIN 5 GeekBenchGPD WIN 5 GeekBenchGPD WIN 5 GeekBenchGPD WIN 5 GeekBenchGPD WIN 5 GeekBench

GPD WIN 5 FLIP 1S +RTX4090m
GeekBench5 シングルコア 2191 1983
GeekBench5 マルチコア 19893 11446
GeekBench5 GPU(OpenCL) 106319 217628
GeekBench6 シングルコア 2903 2731
GeekBench6 マルチコア 18262 12666
GeekBench6 GPU(OpenCL) 89495 170093
GeekBench7 シングルコア 2653 2124
GeekBench7 マルチコア 22241 11575
GeekBench7 GPU(OpenCL) 84569 23221

このような結果になりました。概ね予想通りですね

シングルコア性能的にはHX370とMax+ 395は同じですのであまり差が出ていませんが、395の方は16コア32スレッドしかも全部Pコアという電力の暴力によりマルチコアのスコアがすごいですね。これが個人的に388は嫌で395がどうしても欲しかった理由だったりします

巷では、GPD WIN Max3の388版はこのご時世にしてはすごく価格が安いと喜ばれているようですが、ゲームの人にとっては良い(むしろ16コアはGPUの足かせになるのでCCDを1つ無効にするぐらいですのでね)のでしょうが生産性用途で使うにはマルチコア性能は非常に重要です

その点が実感できて良かったです

CINEBENCH 2024/2026

CINEBENCHです

GPD WIN 5 CINEBENCH 2024GPD WIN 5 CINEBENCH 2026

GPD WIN 5 FLIP 1S +RTX4090m
CINEBENCH 2024 シングルコア 112 112
CINEBENCH 2024 マルチコア 1429 883
CINEBENCH 2026 シングルコア 593 550
CINEBENCH 2026 マルチコア 6365 2818

これもGeekBenchと似た結果になりましたね

先述の理由に加えてAYANEO FLIPはどうしても冷却性能が弱くサーマルスロットリングを起こしてしまうため、HX370の平均マルチコアスコアよりも低めに出てしまっているから余計にそうですね

PCMark10

大幅な向上が見込みそうなPCMark10です

GPD WIN 5 PCMark10

GPD WIN 5 FLIP 1S
Essentials 10607 9354
Productivity 17189 8941
Digital Contents Creation 15224 8676
総合スコア 10076 6442

このような結果になりました

Strix Haloはライトユーザーには値段が高いばかりで全く無用の長物ながら、目的意識のある人にとっては値段以上の絶大な価値があるというのがよく分かる結果になっていて面白いですね

Fire Strike(3DMark)

GPU中心のベンチに入っていきます

GPD WIN 5 Fire Strike

GPD WIN 5 FLIP 1S +RTX4090m
Graphics Score 26921 38478
Physics Score 32382 23849
Combined Score 10545 10800
総合スコア 23823 28538

このような結果になりました

やはりOcuLinkはおろか、サンボル3接続のeGPUにもグラフィック性能は届いていませんね

ただ今回比較対象がHX370なので、GPD WIN 5はCPUスコアの方をゴリッと伸ばしており、総合スコアだけ見てしまうとあまり大きな差になっていないのがちょっと騙されそうになりますね

Time Spy(3DMark)

恐らく最もStrix Haloの性能を語るのに使われてきたであろうTimeSpyです

GPD WIN 5 Time Spy

GPD WIN 5 FLIP 1S +RTX4090m
Graphics Score 10273 18336
Physics Score 10553 9168
総合スコア 10314 15944

このような結果となり、ネットでよく見たリザルトそのままといった印象です

やはりグラフィック性能はこんなものですね。iGPUがこれをたたき出したと考えるとスゴイとも言えますし、そもそもStrix Haloのダイサイズを考えればSoCにdGPUが載っているようなものでもありますので当然とも思えます

なんとなく昔のKaby Lake-Gを思い出します

そのぶんPCIeレーンを使用していて空きが減ってしまっているわけですし、Strix Haloは本当に『最初からミドルGPUが載っているSoCなのだ』と考えるとしっくりきます

これと比較されるIntelやAppleのiGPUは少し気の毒な気もしますね(笑)

Port Royal&Speed Way&Steel Nomad(3DMark)

レイトレ系のベンチですが……

GPD WIN 5 Port RoyalGPD WIN 5 Speed WayGPD WIN 5 Steel Nomad

GPD WIN 5 FLIP 1S +RTX4090m
Port Royalスコア 5435 11084
Speed Wayスコア 1998 4999
Steel Nomadスコア 2017 4708

これはかなり大きな差が開いてしまっていますね

GPUの性能以上に、レイトレに対してのNvidiaとAMDの差が思いっきり出てしまっていてちょっと悲しくなってきます

でも、eGPUのように本体からケーブルがミョーンと伸びていないのにこのスコアが出ていることは嬉しい気持ちも少しはあります

FF14ベンチマーク(黄金のレガシー)

設定はいつも通り、高品質(デスクトップ)/1920×1080/ウィンドウです

GPD WIN 5 FF14 ベンチマーク

GPD WIN 5 FLIP 1S +RTX4090m
スコア 13433 15557
評価 とても快適 非常に快適

このような結果となりました

FF15ベンチマーク

こちらも設定はいつも通り、1920×1080・標準品質・ウィンドウです

GPD WIN 5 FF15 ベンチマーク

GPD WIN 5 FLIP 1S +RTX4090m
スコア 12109 14390
評価 非常に快適 非常に快適

このような結果です。ゲーマーの方も特に問題なく楽しめそうで人気があるのも頷けました

個人的には宝の持ち腐れというか、ゲームならdGPUも積んだPCの方がいいんのでは? と思ってしまったりしますが、手持ち端末でこれだけの性能が出るということがゲーマーの方にとってはまた一つのロマンなのかもしれませんね

まとめ

ということで今回はGPD WIN 5にまつわるあれこれを書かせていただきました

何で今さらWIN 5!?

と思われたかもしれませんが、この記事に書いたような苦悩を重ねた末だったというわけです

いま私がいちばん恐れていることは、GPDがゲリラ的にGPD WIN Max3の128GB版を少量だけ発売してしまうことです。私は貧乏なのでWIN 5を買ってしまった今、突発的にリリースされたMax3を買うだけの予算がありません

実はWIN 5の時も彼らは同じことをしているのです。当時は「128GBを出すかもよ~」みたいなことを言っておきながら結局出さずにキャンペーンが始まり、

なんだよ、結局128GB版は出ないのかよ

とみんなが思って他のモデルなどを買っていっている中、いきなり128GBを少量リワードとして掲載してきたのです。たしか白黒どちらも5個ずつとか10個ずつとかだったと思います。クソが!

まあ噂ではAMDは既にStrix Haloの128GBは生産を停止しており、各サプライヤーも在庫を持っていないとのことなので出ないとは思いますが、もしそんなことになったら私は立ち直れそうにありません……

もちろんGorgon Haloではまた128GBモデルは出てくるでしょうし、何なら噂されている192GB RAMも出てくるとは思いますがそれはもう素直に見送って、Medusa Haloを楽しみに待ちたいと思います

それまでにRAM・NANDフラッシュの異常事態が収まっているといいですね

それではまた~

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