見た目はそのままに劇的な性能アップを遂げたiPad mini(iPad mini 5)
ホームボタン、タッチID、白ベゼル、イヤホンジャックなど、Proでも残っていて欲しかった機能をそのまま残しつつ、Proに迫るのではないかと思えるほどパワーアップして帰ってきました
今回は第5世代iPad miniと第3世代iPad Proの両者を実機でベンチマークを計測し、その結果を公開&検証していきたいと思います
さすがにProには勝てないでしょうが、どこまで肉薄できるのか注目して下さい
また、mini5には不満点もありますので、最後の方ではそのあたりのことも触れてみたいと思います
比較する実機のスペック
まず、実際に検証に使用する両者のスペックをまとめておきます
iPad mini 5 | iPad Pro 11インチ | |
チップ(SoC) | A12 Bionic | A12X Bionic |
メモリ | 3GB | 4GB |
ストレージ | 256GB | 64GB |
というモデルを使用します。どちらもセルラー版です
iPad Proの方はスペックによってストレージ速度やメモリ容量までもが変わってきますが、今回検証に使うのは最廉価版ですね
対してiPad miniの方は最上級版ということになります
この両者で実際にベンチをとってみたのが以下の動画になります
ベンチ中の挙動を全てお伝えできるようノーカットでお届けしておりますので、退屈な場合は映像中の案内を参考に早送りしてみて下さい
PerformanceTest Mobile比較
最初に行ったのがPerformanceTest Mobileによる確認とベンチマークです
動画を見ていただいた方は確認済みかもしれませんが、以下のような結果になりました
iPad mini 5 | iPad Pro 11インチ | |
CPUスコア | 467367 | 743779 |
メモリスコア | 31509033 | 32042298 |
ストレージRead | 1678MB/s | 1663MB/s |
ストレージWrite | 661MB/s | 392MB/s |
GPU 2Dスコア | 16487 | 15910 |
GPU 3Dスコア | 1187 | 1186 |
まず注目すべきはCPUスコアです
iPad miniに比べてiPad Proの方が1.6倍程度優れていることが分かります
詳細なスコアの内訳は動画で確認できますが、ほぼ全ての項目で1.6倍程度の開きがありました
メモリは差がないので、どちらも同性能(DDR4かな?)であることが分かりますが、その下のストレージ性能は差が出ている部分になります
ストレージ容量が多いモデルほどSSDの書き込み速度が高速になるのですが、これはiPadの伝統であると同時に、SSDの仕組み上仕方がない部分でもあります…
iPad miniの256GBモデルの方がiPad Proの64GBモデルより高速なSSDであることがハッキリしました
速度を見る限りどちらもNVMeタイプのSSDが使われていることも併せて確認できましたね
続いてグラフィックスコアを見て欲しいのですが、なんとこのベンチではminiの方がProを上回るスコアを出しています
しかし「miniはProに勝ってるんだ♪」と慌ててはいけません
動画を見ていただくと分かるのですが、miniもProもどちらも60FPSでカンストしていることが見て取れます
ということはこの結果は、このベンチマークソフトが計測できる限界値であり、両者とも最高スコアをたたき出したが故のスコアであるということが考えられます
どちらのスコアもカンスト値であり、miniの方がわずかにスコアが高いのは誤差の範疇なのだと判断できるのですね。残念……
なお、動画中で解説した通り、iPad mini 5はiPad Pro 10.5インチよりはGPU性能が優れているということは確認できました
ということでより正確な結果を求め、次のベンチマークを行っていきましょう
Antutuベンチマーク
モバイルデバイスのベンチマークソフトとして名高いAntutuベンチマークを行っていきます
こちらもまずは結果を見てみましょう
iPad mini 5 | iPad Pro 11インチ | |
総合スコア | 393694 | 553327 |
CPUスコア | 137675 | 160841 |
GPUスコア | 174322 | 312389 |
UXスコア | 67181 | 67597 |
メモリスコア | 14516 | 12500 |
このような結果となりました
まず何よりも驚くべきはiPad mini 5の総合スコアの高さです
約40万ポイントという好成績を残してくれたのは嬉しい誤算
現状、8インチAndroidタブレットの最高スコアは18万程度ですが(Huawei Media Pad 5)、比較するまでもなく圧倒的に凌駕しています
それどころか、Androidの現行最高性能SocであるSnapdragon855のスコアが37万ですので、万一今後スナドラ855搭載の8インチタブが出たとしてもiPad miniに勝てないということになります
Appleの技術力、恐るべし…
iPad miniは全てのAndroid端末を凌駕する驚くべき性能なわけですが、それでもiPad Proにだけは負けているということが結果から分かります
iPad Proの性能の高さにも改めて驚かされますね
先ほどのPerformanceTestではカンストしてしまい計測できませんでしたが、iPad mini5のGPU性能はProの6割程度だということがAntutuベンチによって分かりました
動画を見ていただくと、フレームレートが少し劣っており、わずかに遅延があることが確認できます
CPU性能の方は、Antutuでの計測においても、miniよりProの方が高性能という結果になっていますが、その性能差は1.2倍程度であると測定されています
UX(ユーザーエクスペリエンス)スコアとメモリスコアはほぼ同等で、どちらもヌルヌルです
3DMark Ice Storm Unlimited
それでは最後に3DMarkのベンチ測定を行ってみます
こちらはPCにも同じベンチマークが存在するため、ノートPCなんかとの性能差を測るのに都合が良いベンチマークとなっています
例によって結果から掲載しますとこんな感じになりました
iPad mini 5 | iPad Pro 11インチ | |
総合スコア | 69420 | 104298 |
Graphicsスコア | 124204 | 196741 |
Physicsスコア | 27290 | 39439 |
こちらのベンチは特にGPUの測定に定評がありますので、Graphicsスコアを中心に見ていくと良いのですが、miniの方はProの6割程度のグラフィック性能であることが分かりました
Antutuが割り出した性能差と同じですので、それなりに正確性のある数値なのだと思います
この約12万という値は予想していたよりも少し低く、やや残念であると感じます
A12チップはIris PlusぐらいのGPU性能があると思っていたのですが、このスコアはIntel UHD630 Graphicsぐらいの性能です
iPad mini5のグラフィック性能はintelのiGPUと同程度の性能なのかと思うと、正直ちょっと期待外れだったかなぁ……
まとめると
以上のように、iPad miniは8インチ級のタブレットとしては驚異の性能を持っていることが分かりました
これでApple Pencilにも対応しているわけですから、ゲームにクリエイションにライトユースにと、あらゆる場面でストレスなく使っていくことが可能です
実際に動画編集・画像編集アプリも使用してみましたが、重い作業をさせない限りはiPad Pro第2世代と同じくサクサク使っていくことができました
しかしながら残念な点もありますので、最後にそこだけ触れて記事を締めたいと思います
iPad miniの残念な点
1.スピーカーが2つで、本体の下部に配置
前モデルから変更のない点ですが、この配置のせいで画面を横にして動画を観ようとすると音が片側からしか聴こえません。バランスが悪く不満です
2.インカメラがTrueDepthではない
搭載しているカメラは普通のカメラで、IRビームを発するTrueDepthカメラではありません。そのため顔認証が出来ないのですがそれはどうでもいいとして、アニ文字やMii文字を使えないのが残念で
使わない人にはどうでもいいかもしれませんが、私にとっては大きな不満でした
3.True Toneを謳ってはいるがProのそれとは性能が異なる
同じTrue ToneディスプレイでもiPad Proのディスプレイと比べると色味がいまひとつに感じます
True Toneというのは正確な色の再現を謳ったディスプレイですので、画面の鮮やかさを図る指標にするのはちょっと違うのですが、カタログスペックの「True ToneディスプレイでP3色域をカバー」というのを見てProと同じレベルの液晶を期待してしまっていただけに、ちょっと残念でした
と色々書きましたが、値段の安さも考えるとこの性能でこの価格というのは超コスパが高いと思いますので、自信を持っておススメできるタブレットだと思います
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