先日の記事の続きです
トイカメラでありながら高性能が自慢の「HappiCAMU+」(以下、ハピカムプラスと表記)。画素数やデジタルズームはまあいいとして、メーカーが堂々と書いている『4/3COMSセンサー搭載』という謳い文句
これがホントだったらすごいことだと思うのですが、メーカーサイトからはその真偽は読み取れませんでした
これはもう、買って確かめるしかない!
ということで購入したところまでが前回の記事です。そして今日、実際に届きましたので実機をもって色々と確認してみました
結果は……予想以上に酷かったと言わざるをえません。昔なら「JAROに訴えるぞ!」と言いたくなるレベル
メーカーは今すぐ謝罪して、フォーサーズセンサー搭載という宣伝文句は取り下げるべきである!
HappiCAMU+の実機と内容物
実際に商品が届いて開封してみると、想像以上に小さいカメラが姿を現しました
何と比較したら分かりやすいか考えたのですが思いつかなかったので、とりあえずiPhone 5s、及び普通のミラーレス一眼(α)と並べてみました
小さいですね。これで本当にスペックがよければ最高だったのですが……
内容物はこんな感じ
中国製ですがけっこうちゃんとしたパッケージです。中身は、ネックストラップ、USBケーブル(micro B to Type-A)、変換コネクタ2種(Type-A to micro B、Type-A to Type-C)、マニュアル、ステッカーとなっています
今考えると、変換コネクタがいちばんありがたい付属物でした(泣)
んで、早速起動してみたわけなのですが、背面液晶に映るライブプレビューの時点で既に嫌な予感しかしませんでした。室内だと既にノイズが酷い……
使い方は超簡単で、電源を入れたらシャッターボタンを押すだけです。なぜならフォーカスをいじれないから。これは『写ルンです』かな?
なお設定メニューはこれだけです
トイカメラなので絞りやSS、ISOやホワイトバランスはフルオートで、自分ではいじれないのは当然だろうとも思っていたのですが、ピントすら合わせられないって、何?
いちおう補足しておくと、どういう基準なのかは分かりませんがカメラを動かしているとごくたまに緑のフォーカスエリアが表示されることがあります。でもすぐ消えるし、シャッター半押しでもピント合わないしで謎挙動です。光量が足りないのか? 屋外ならピントが合うのか??
もちろんマニュアルフォーカスも無理。一体どうしろと……
パッケージだけは完璧でワクワクするんですが、子どもの知育に向いているのかというと「うーん」と首を傾げたくなる仕上がりとなっています
ハピカムプラスのカタログスペックは本物か
ということで、デザインだけは良いものの使い勝手は最悪ということは分かったわけですが、ではメーカーの謳い文句はどこまで本当なのか? そして、カタログに記載されていない部分の性能はどんなもんなのかを検証していきます
まずすぐに判明するポイントを確認しました
- 2000万画素:本当
- 4倍ズーム:本当
- フルHD動画:本当
このようになっていました。「ならいいじゃん♪」と思ってはいけません。この点についてもかなりツラい仕様となっています
まず画素数についてですが、これは特に言うことは無いです。静止画は5184×3888ピクセルで、有効画素数2015万画素程度です。カタログ通りですね
問題は次のズームです
たしかに4倍デジタルズームが可能なのですが、操作性はハッキリ言って最悪です
ズーム時は、画像赤枠の部分を長押しし続けることによってズームするという仕様になっています。これはそれぞれメニューボタンとプレビューボタンとなっていますので、途中でちょっと力が緩んでしまうとメニューやプレビューが立ち上がってイライラ……
しかも等倍から4倍ズームに移行するまでに10秒弱も時間がかかります。約10秒ボタンを押しっぱなしにしないとダメ。子どもだってめんどくさくて使わないでしょ、コレ
動画機能については画質は悪いものの、カタログスペック通りですので特に文句はありません
ちなみにフレームレートは30fpsとなっています
ということでここまでは、色々と不満はあるものの、とりあえず記載には偽り無いことが分かりました。では問題のセンサーサイズについてです
センサーサイズはExifにも表示されませんので、まずはこのカメラの画角を調べてみました。これはスペック上不明となっていた部分でしたが……
いくつか撮り比べたところ、ハピカムプラスの画角はフルサイズ換算でおおよそ35mmの焦点距離だということが分かりました。もう少しだけテレ寄りかな? 40mmまでは無いけど37~38mmぐらいかなと感じます
なお画像のピンボケはご容赦下さい。先ほど言ったように、ピントを合わせる手段が無いのです(泣)
しかし、ちょっと脱線してしまいますがこの画像を見ただけでも写りの悲惨さが分かりますね
等倍切り出し比較がこちらです
……言葉もありません
フルサイズ換算の画角が分かりましたので、ここからExif情報をもとにして実焦点距離との比較でセンサーサイズを割り出すことが可能です
Exifを確認してみると
実焦点距離は7mmです。これがフルサイズ換算で35mm前後になるセンサーサイズはというと……1/2.3インチです
フォーサーズじゃない! orz
分かってた。予想はついてましたけどね。ただ、メーカーには即刻
この画像を削除したうえでお詫びの声明を発表してほしいものです
1/2.3インチというのは一般的なスマホやエントリークラスのコンデジと同じですが、レンズが悪いのか写りはスマホを大きく下回っています
なお、近年ではあまり聞かなくなりましたが1/2.5インチや1/2.7インチというセンサーサイズもありますので、そちらが用いられている可能性もわずかにあります
ちなみにExifからは他にも面白いことが分かりました
ホワイトバランス、シャッタースピード、ISO感度はオートになっており、撮影条件によって変動することが確認できたのですが、絞りだけはどのように撮影しても変わりませんでした
2000ルーメンオーバーのライトに向けて撮ってみたりもしたのですが、シャッタースピードは1/30000秒程度まで上がるものの、絞り値には変動なし
Exifでは「最大絞り 1.5」とあるのですが、やはり絞りの変更はできず固定F値なのではないかと予想します。快晴の日中に屋外でもう少し試してみようとは思っていますが……
まとめ
実機を購入したことで、前回不明だったスペックもハッキリさせることができました
- F値:f3.2(固定っぽい)
- 画角:フルサイズ換算約38mm(センサー次第で多少誤差あると思います)
- センサーサイズ:1/2.3インチ(低い可能性ながら1/2.5や1/2.7の可能性あり)
ということになりますかね
正直フォーサーズセンサー搭載というのはあり得ないだろうと予想していたのでそれほどショックではないのですが、せめてスマホカメラ程度の写りができるなら使っていこうと思っていたのに、使用感も写りも想像をはるかに下回っていたのはとてもショックです
メーカーサイトに載っていたこういう作例も完全に嘘です
こんなキレイな画像は夢のまた夢。まぁ、他のカメラで撮影した作例を載せるのは中華製品の常套手段ではありますが(笑)
このカメラをお子さん向けのおもちゃカメラとして見た場合でも、はっきり言っておすすめできません。他のトイカメラと性能はほとんど変わらないですので、もっとデザインが可愛くて値段も安いものがいくらでもありますので
誇大広告については予想もしてたし文句は言いませんが、虚偽広告については至急撤回していただきたいという思いでいっぱいですね
そんなわけで、久々に『金ドブ』という結果となってしまいました。もうしばらく検証したら、最後は分解して実際にイメージセンサーのサイズを確認して捨てたいと思います
それではまた~
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