Razerがやってくれました!
現行モデルのRazer Blade StealthはGeforce MX150(4GB版)を採用し、モビリティとグラフィック能力を両立したのが魅力の機種ですが、そうは言ってもやっぱりGPU性能にはちょっと物足りなさがありました
私もそんな現状から、以前はこんな機種に注目していたのですが……
しかし9月3日にRazerが行った自社イベント「Opne House」で、次期Razer Blade Stealthが発表され、グラフィック能力が大幅に向上することが判明しました
これはさっそくライバルと比較してみるしかない! ということで、同クラスの製品とベンチマーク数値を比較してみたいと思います(実機は無いので他機種による参考値ですが)
PS:最近更新が遅く申し訳ありません。あと1週間ぐらいで今の案件が片付くので、そうしたらまた以前の更新ペースに戻ります……
新・Razer Blade Stealthの概要
その前にまず、新しいRazer Blade Stealthのスペックなどをざっと見ていきたいと思います
今回発表されたRazer Blade Stealthは2バージョンあるのですが、どちらもコードネームIce Lakeで知られる第10世代Intel Coreプロセッサを搭載しています。採用されるCPUはどちらもi7で、Core i7-1065G7となっています
このCPUは現時点で発表されている第10世代U付プロセッサ(低電圧版)の中では最も上位のものとなっています。ざっくりとしたスペックを紹介すると
- 4コア/8スレッド
- ベースクロック1.3GHz/ターボクロック3.9GHz
- iGPU:Intel Iris Plus Graphics
- GPUベースクロック0.3GHz/ターボクロック1.1GHz
というような感じです。注目は何と言っても内蔵GPUの性能で、現行モデルのRazer Blade StealthがEU(実行ユニット)数24基だったのに対して、新しいRazer Blade Stealthでは64基となっている点です
第9世代までの内蔵グラフィックは、たとえ最上位のIris Plus GraphicsであってもEU数は48基まででしたので、CPUの効率以上にGPUの性能向上が顕著なのが第10世代Coreの特徴と言えますね
これによって第10世代Coreプロセッサでは、Ryzen3700(Vega10)を上回るグラフィック能力を発揮することができるようになっているとのことです
前置きが長くなってしまいましたがここからが面白いところ
今回登場するRazer Blade Stealthは、dGPUを採用する「Razer Blade Stealth 13 GTX-Model」に加えて、内蔵GPUしか持たない「Mercury White」モデルが存在します
なんだよ、ホワイトにはGPU載らないのかよ。解散!
という私のようなスペック厨のために、Mercury Whiteモデルでは、従来のU付プロセッサの15WというTDPをcTDPによってカスタムし、TDP25W動作のモデルとなっているのです。これによって内蔵GPUであっても、従来のIris Plus Graphicsを上回る性能が発揮できるというわけです
GTXが載らない分、電力と排熱に余裕があるためTDP25Wが可能なのだと思われます(GTXモデルは15W動作)が、嬉しい対応ですよね
GPUだけでなくCPUにも恩恵がありますので、グラフィックはそこそこでいいからCPUの性能が良い方がいい、という方にはむしろホワイトモデルの方が魅力的かもしれませんね
それ以外のスペックについては大きく変わっていません
Razer Blade Stealth 13 Mercury White |
Razer Blade Stealth 13 GTX-Model |
|
CPU | Core i7- |
Core i7- |
GPU | Iris Plus Graphics 940 | Geforce GTX 1650 4GB GDDR VRAM |
メモリ | 16GB | |
ストレージ | 256GB NVMe M.2 SSD | 512GB NVMe M.2 SSD |
ディスプレイ | 1920×1080 sRGB100%カバー | 1920×1080 sRGB100%カバー / 4Kタッチ対応 sRGB100%カバー |
ネットワーク |
Wi-Fi 6(Intel Wireless-AX 201) | |
I/O |
Thuderbolt3 Type-C×1、USB3.1 Gen2 Type-C×1、USB3.1 Type-A×2、イヤホンジャック、インカメラ(720P)、マイク | |
サイズ |
304.6 × 210 × 15.3 mm | |
重量 |
1.32Kg | 1.39Kg / 1.47Kg |
このようになっています。有機ELモデルは無し……。まぁ、高くて買えないんですけどね
発売日については例によって日本は後回しなのが悲しいところ。北米等では9月末から出荷が始まるそうです。価格は1,444.99ドルから。うーむ……おま国価格がさらに加速する予感がします
新Razer Blade Stealthの性能を比較(予想)する
では製品の特長が分かったところで、ライバルたちとの性能差を探っていってみたいと思います。ちなみに比較対象は全て13インチモデルになります
まずはCPUの性能を計測するGeek Benchのスコア
機種(CPU) | GeekBench4スコア シングル/マルチ |
新Razer Blade Stealth(Core i7- |
平均5300 / 平均17000 |
現Razer Blade Stealth(Core i7- |
5204 / 16897 |
現MacBook Pro最上位(Core i7- |
5409 / 19284 |
マウスから登場予定のPC(Core i7- |
平均4400 / 平均15000 |
このようになっています
10nmプロセスルールでの採用となったことで省電力化が進みました。それによって内蔵GPUの性能を大幅にアップしながらも、CPU能力は従来と同等以上の性能を維持してくれていそうですね
また、25W版のMercury Whiteエディションだとこのスコアももう少し伸びると思いますので、少なくとも数字上は中々満足のいくスペックなのではないかと思います
ちなみにマウスから登場予定のスコアは、上位の8809Gの平均スコアから割り出した予測スコアとなっています。詳しくはこちらの記事をご覧ください
続いてGPU性能を見ていきます
まず、根本的な性能を探るために理論演算性能(TFLOPS)を比較してみます
機種(GPU) | 理論演算性能(TFLOPS) |
新Razer Blade Stealth(GTX 1650) | 2.9TFLOPS |
新Razer Blade Stealth(Iris Plus 940) | 1TFLOPS |
現Razer Blade Stealth(MX150 4GB版) | 1.1TFLOPS |
現MacBook Pro最上位(Iris Plus 655) | 0.9TFLOPS |
マウスから登場予定のPC(Radeon RX Vega M GH) | 3.6TFLOPS |
マウスから登場予定の新G-Tuneは理論性能で言えばピカイチです。しかしベンダーがAMDということで相性問題や、カタログスペック上の性能が出ないという問題がありそうです。そうなってくると新Razer Blade Stealthが最も性能と安定性のバランスがいいということになるのかなぁ
それと表の上から2番目、新Razer Blade StealthのMercury Whiteモデルが採用するIris Plus Graphics 940ですが、こちらは15W駆動時での理論演算性能となっています(数値はIntel発表)
TDPを25Wにアップさせることによって、特にGPUへの恩恵が大きいと言われていますので、MX150程度の性能は出るのではないかと予想しています
続いてFire Strikeをば
機種(GPU) | Fire Strikeスコア グラフィック / 総合 |
新Razer Blade Stealth(GTX 1650) | 9300 /8500 |
新Razer Blade Stealth(Iris Plus 940) | 3000 / 2798 |
現Razer Blade Stealth(MX150 4GB版) | 3749 / 3406 |
現MacBook Pro最上位(Iris Plus 655) | 2165 / 1969 |
マウスから登場予定のPC(Radeon RX Vega M GH) | 10197 / 8511 |
んー…こうして見ると、GTX-ModelとMercury Whiteモデルで結構違いますね。ちなみにこのスコアは25W駆動での1065G7スコアとなっていますのでこれ以上の向上は無さそうです。参考にさせていただいてのはこちら
MX150に匹敵するのではないかと思ったのですが、いくらIce Lakeとはいえまだそこまでは達していないようですね。2GB版のMX150、それもTDPの低い1D12の方といい勝負という感じでしょうか
まとめ
ということで新Razer Blade Stealthについてざっくりと紹介、検証をさせていただきました。こうしてまとめてみて思ったのは
- 現行のStealthを持っている人は、Mercury Whiteだとそれほど大きな性能アップは無い
- GTX-Modelは素晴らしい機種だけど、熱は大丈夫?
- もしかしたらマウスから出る機種の方がコスパはいいかも
という3点です
Mercury Whiteモデルは外部GPUがオミットされてしまったので、現行のMX150モデルよりもグラフィック性能が下がってしまうようです。dGPUの無いStealthを使っている人にとっては買い替えの恩恵は大きそうですが、現行を持っている人は様子見でもいいのかも……
反面、GTXモデルの性能は素晴らしいと思います。フルHDパネルを選択すればGTX1650を搭載しつつも横幅304mm、重量も1.3Kg台というのだから恐れ入ります。しかし心配になってくるのが発熱です
GTX1650は低発熱なことで知られていますが、それにしてもこの筐体で耐えられるのでしょうか……。ここはRazerを信じたいところですが、比較的故障が多い上に修理は海外対応となることがほとんどのRazerですのでやや不安は残ります
そして3つ目の懸念なのですが
最近Razerは拝金主義になってしまったと思います。印象としてはAppleの路線を真似ているような感じ。恐らく新Stealthも、20万円オーバーは確実でしょう。白モデルでギリ20万円以下ぐらいかなぁ。昔の『値段も手ごろなのにカッコよくて性能もいいRazer』はもう無くなってしまったのでしょうか
それに対してマウスコンピューターはコスパの良さが魅力。マウスから登場予定の13インチ新G-Tune(東京ゲームショウで発表かな?)は、素のTDPの高さやベースクロックの高さがあるので、もしかするとベンチマーク以上に性能が良い可能性があります。GPUに至ってはいちばん高性能なわけですし……
この2機種、もし価格が同じだったらRazer Blade Stealthを買うとは思いますが、価格差によってはマウスコンピューターを選ぶというのもまだまだ全然アリだなと感じています。いずれにせよ、どちらも早く登場してくれることを期待しています
それではまた~
コメント
Thanks for finally writing about > Razer Blade Stealth、ついにGTX搭載へ……! | りんごロイド how to buy cheap lyrica without insurance