AndroidはiPhone以上に端末によるスペックの開きが大きく、それぞれ出来ること・快適度が全く違ってきます。いま、どんなモデルが「ハイスペック」と呼べるのかをしっかり知っておくことは、負荷の高い作業(3Dゲームや動画編集)をやりたいと考える人にはとても重要なこと
そんな中、間違いなく「ハイスペックである」と胸を張って言える機種が登場します
RAZERのRazer Phone、XiaomiのBlack Sharkと並んでゲーミングスマートフォンにラインナップされるASUSのROG Phoneに新モデル『ROG Phone Ⅱ』が登場します
間違いなくAndoid端末において現時点で最強のスペックを誇っています。本来はゲーマー向けなのでしょうが、私はスマホゲームを全くやりませんのでクリエイション目線での紹介となります
どれだけすごいのか、詳しく見ていってみたいと思います
ROG Phone Ⅱの特徴・スペック
まず目を引く特徴が、クアルコムの最新SoCであるSnapdragon 855 Plusを世界で初めて採用したという点です。このSoCの詳しい解説やスペックは次の章で紹介しますが、スナドラ855のオーバークロック版というSoCとなっており、着実な性能アップが見て取れます
ディスプレイもすごいです。6.59インチの有機ELで、解像度は2340 × 1080ピクセルのウルトラワイドとなっています。注目は10bit色深度でHDRに対応したという点。これによってDelta-E(色差)は1以下を実現。正確な色を再現できるとしています
リフレッシュレートは前モデル(90Hz)からアップし120Hzとなりました。応答速度は1msのまま変わらずです。ただ、タッチに対しての応答速度はかなり改善されており、iPhone XS Maxを超える49msを実現しています。これは世界最高の値となっています
ちなみにGorilla Glass 6採用ですので、安心感がありますね
そしてROGシリーズというと強力な冷却機構がウリなわけですが、スマホになってもそれは変わりません
第2世代となったGameCool冷却システムは3段階で構成されており、新設計の3Dベイパーチャンバーやアタッチメントとしての新型アクティブクーラー、静音化されたファンなどがセールスポイントとされています
メモリ12GB、ストレージ512GBが搭載されており基本機能も贅沢です。メモリに関してはLPDDR4Xを採用。そしてストレージはUFS3.0であることが明かされていますので、NVMe SSD並の速度を得ることができます
他にも魅力的な機能がたくさんありますので、表にまとめようと思います
項目 | 仕様 |
SoC | Snapdragon 855 Plus |
ディスプレイ | 6.59インチAMOLED(リフレッシュレート120Hz、色深度10bit、HDR対応) 2340 × 1080 ピクセル Gorilla Glass 6 |
メモリ | 12GB |
ストレージ | 512GB UFS3.0 |
OS | Android 9.0 Pie |
カメラ | リア:4800万画素+1300万画素デュアルレンズ F1.8 イン:2400万画素 |
ネットワーク | Android 9.0 Pie |
GNSS(GPS) | GPS、GLONASS、Galileo、BeiDou、QZSS(みちびき) |
バッテリー | 6000mAh |
特筆機能 | TwinView Dock II付属、Mobile Desktop Dock付属、WiGig Display Dock付属、AirTrigger II超音波センサー、Dual Surrounding Vibration技術 |
サイズ | 170 × 77.6 × 9.48 mm |
重量 | 240 g |
このようになっています。改めてみるとスゴイですね(笑)
前モデルから引き続き、画面を2画面にできるTwinView Dockが付属するわけですが、こちらは第2世代に生まれ変わりました。大幅な軽量化が施されているわけですが、その影響でか搭載バッテリー容量は少し減って5000mAhとなっています
ただし本体バッテリー+ドックバッテリーの合計が11000mAhであるある点は変わっていませんので、むしろ本体側のバッテリーが増えたことは喜ばしいことなのかもしれません
TwinView Dockではそれぞれ別のアプリ(ゲーム)を動かすことも可能なわけですが、クリエイションに使う身からすると、同一アプリ内でキャンバスとツールの分離表示、とか、タイムラインとプレビュー画面の分離表示とかの方が嬉しいところ
ただしこれはアプリの最適化が必要なため、実現可能性は限りなく低いでしょう。残念
Snapdragon 855 Plusの特徴・スペック
ROG Phone Ⅱにはクアルコムの最新SoCであるSnapdragon 855 Plusが採用されています。このSoCの採用は世界で初めてとなっています
Snapdragon 855 Plusは、コアの構成はSnapdragon 855と変わっていません。ただ、CPU・GPUともにクロックアップがなされており、CPUのプライムコア(最も高性能なメインとなる1コア)は2.84GHzから2.96GHzと、ほぼ3GHzと言ってよいレベルにまで引き上げられています。GPUクロックも585MHzから675MHzにクロックアップ
このオーバークロックにより、Snapdragon 855 Plusはスナドラとしては初めてAntutuスコアで40万を突破。AppleのA12 Bionicに並んだことになります。最新のiPhone XS MaxやiPad miniなんかと同じ性能になったわけですね
Antutuスコア | Snapdragon 855 Plus | A12 Bionic |
総合 | 約 401000 | 約 390000 |
CPU | 約 129000 | 約 137000 |
GPU | 約 175000 | 約 174000 |
もう少し具体的に言うと、CPU性能はまだ少しA12に負けていますが、GPUの方はわずかに高性能となっています(表中スコアはiPad miniによるもの。iPhone XSシリーズはもう少しスコアが落ちる傾向があり、スマホ同士の比較であればスナドラが有利とも考えられる)
Appleにはアプリの最適化があるため、どっちがサクサク感があるかというと、まだA12に分がありそうですが、ハードウェアとしてのスペックはiPhone XSやXS Maxを上回ったことになりますし、GPUを重視するゲーマーの方には、スナドラ855 Plusは魅力的な選択肢となりそうです
GeekBenchスコアではシングルコアで3600程度、マルチコアで11000程度と、ほとんどSnapdragon 855から変わりありません。プライムコア以外の3コア+省電力4コアはクロックが据え置きのため、ほとんど変化がないんですね
GeekBenchスコア | Snapdragon 855 Plus | A12 Bionic |
シングル | 約 3600 | 約 4800 |
マルチ | 約 11000 | 約 11000 |
GeekBenchで見ても、やはり性能はA12と同等。シングルコアの性能はA12が上回っている、という感じです
ちなみにこれらのベンチマークスコアですが、AppleのA12の場合どの機種でもハードウェア構成が似ていますのでこれに近い結果が得られると思いますが、スナドラ855Plusに関してはROG Phone Ⅱのスコアとなっており、他の機種ではメモリ容量等によって変動することが考えられます
まとめ
以上のように、スペックもさることながら独自のアタッチメント・ギミックによって変態級の性能を持つに至ったROG Phone Ⅱ。アプリの調整に左右される点もありますが、色再現性の正確さも相まって、RAW現像や画像編集、動画編集等にも不満なく使っていくことができそうです
世界初の技術が色々と採用されている点も、スペック厨のココロをくすぐります
唯一気になるのはその重量でしょうか。スマホ単体で240gというのはかなりの重量感。日常使いの電話機というふうには考えない方がいいかもしれません
日本での正式発売はまだ発表されていませんが、発売されたらスペックと値段とでとんでもなく話題になりそうですね。公式サイトも要チェックです
ASUS 日本公式サイト
ROG Phone Ⅱプレスリリース
それではまた~
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