iPad Proをお絵かき用途で使いたい方も結構多いのではないかと思います
でも、使い慣れたWindows環境でのイラストソフトも捨て難いという気持ちもありますよね
そんな時、候補に挙がるのがWindowsお絵かきタブレット(?)としては最高の性能を誇るSurface Book 2ではないかと思います
13.5インチというサイズでGTX搭載でデジタイザーにも対応している機種は他にありません
今回は実際にこの2機種を使って比較し、動画も撮影してみましたので参考になれば幸いです
スペックおさらい
まず、両者のスペックをさらっとおさらいしておきます
iPad Proの性能はズバ抜けていて一般的なWindowsタブレットやノートを引き離していますが、Surface Book 2ならそれなりに良い勝負ができるスペックを持っています
項目 | iPad Pro 11インチ(Apple Pencil 2) | Surface Book 2 13.5インチ |
CPU(SoC) | A12X | Core i7-8650U |
CPUスコア (geekbench4) |
シングル:5,000 マルチ:17,800 |
シングル:4,500 マルチ:14,000 |
GPU | A12X GPU | GTX1050 2GB(非Max-Q) |
GPUスコア (3D Mark Ice storm Unlimited Graphics 1280×720) |
194,856 | 287,928 |
ペン性能 | 傾き検知・サイドタップ・ワイヤレス充電 | 傾き検知・サイドボタン・トップボタン・電池交換式 |
筆圧レベル | 非公表(8,000段階級という意見も…) | 4,096段階 |
ペン応答速度 | 非公表(10ms程度という噂) | 21ms |
ペン スキャンレート | 非公表(360~400fpsという噂) | 実測 約270Hz(270fps) |
このようになっています
両者の比較というか、Apple Pencil 2と新型Surfaceペンの比較にもなってしまいましたね
処理能力はiPad Proの方が高いですが、グラフィックはSurface Book 2が勝っています
MX150だとこうはいかないので、GTXさまさまですね
そして肝心のペン性能ですが、iPadの方は「非公表」とか「噂」とかばかりですね
Appleは基本、こうしたスペックは非公開なので、憶測が多くなってしまって申し訳ないです
『噂』の部分は、私なんかよりもバリバリ絵を描いている方たちが語っていた感覚を、『噂』として記載させていただいたものになってます
Surface Book 2の方もスキャンレートは公表されていませんが、こちらは私が実際に測定した値となっています
噂が真実なのだとしたらですが、カタログスペックではiPad Pro(Apple Pencil 2)に軍配が上がりそうです
動作の比較検証
それでは実際のところはどうなのか?
簡単な比較を行ってみましたのでまずは動画をチェックしてみて下さい
今回はレイヤー分けや塗り分けはせず、あくまでも線が正しく引けるかどうかという点に焦点を当ててみました
どうでもいいけど手がガサガサじゃん(笑)
冬は荒れちゃうんだよ…
見苦しくてごめんね……
また、同じソフトを使わないと不公平かなと思ったので今回はどちらもメディバンペイントを使用しています
それぞれの主力ソフト(WindowsならPhotoshopやクリスタ、iPadならプロクリエイト)での比較はまた機会を改めてお届けしますね
キャンバス解像度も不公平が出ないよう、両者ともにiPad Proの解像度(2388×1668)に合わせ、350dpiに設定してあります
応答性はどうか
まずはペンを高速でグリグリ動かし円を描いていきました
ここはiPadの方が追従性が高いのが動画でも分かるかとおもいます
応答性10msぐらいという噂はあながち間違いではなさそうですね
でも、Surface Book 2も悪いわけではありませんでした
狙ったところに線が描けるか
これはどちらも悪くなかったです
視差のズレも感じませんし、きちんと狙い通りに描けたんじゃないかなと思います
こちらがなぞった結果
多少下絵を外してるのは、単純な手ぶれです
ただ、今回は動画を撮影するためにペンを起こし気味に描きました
Surface Book 2の方は、ペンを寝かせた状態だともう少し視差ズレがあります
と言っても個人的には気になるレベルではないですが、プロの方だとちょっと気になるかも?
筆圧の効き具合はどうか
動画は撮影用に強めの筆圧で描いたので、あまり筆圧のかかり具合を伝えることができなかったかと思います
一応、描いた『ぐでたま』を載せておきますが
…やっぱりこの絵からでは分かりませんね(笑)
感覚的な話になってしまいますが、筆圧の出方はApple Pencil 2の方が良いと感じます
ただしこれはソフトの問題もあるような気がします
iPad用のイラストアプリは、ペンの筆圧関係の設定が最適化されている可能性は高く、逆にPCのメディバン+Surfaceペンという組み合わせでは、ハードウェアの性能を発揮できていないのかもしれません
実際、Microsoft謹製のWindows Inkのスケッチ機能などでは、もっと滑らかな筆圧が出てるように感じますので…
余談になりますが、PC版のクリスタでもイマイチな感じがしました
筆圧も傾き検知も、Microsoftアプリを使った時より少し反応が悪い気がします
やっぱり総合的に見るとSurfaceペンはWacomには敵わないのかなという感じも受けています
WacomならiPad Proといい勝負になるのかも……
まとめると
ハードウェアとしての性能とアプリの最適化を考えると
描きやすいのはiPad Proの方ではないか
というのが個人的な感想です
でも、Surface Book 2も一昔前のWindowsタブレットでは考えられないぐらい頑張っていますし、iPad Proに大きく劣っているということも無いと思います
iPad Proで絵を描いても、そのデータを母艦PCに移すのは少々めんどくさかったりします
その点Surface Book 2はWindows機ですのでデータの取り回しは非常に楽ですし、連携するソフトもインストールしておけばSurfaceの中だけで作業を完結させることも不可能ではありません
1枚絵を仕上げられればそれでOKなのか、それともPSD等で保存して母艦で仕上げたり、アニメーションさせる等「次のステップ」が待っているのか……
そのあたりを判断基準にデバイスを選ばれるのがおススメな気がします
どちらも素晴らしい機種ですので、買ったらきっと満足できると思いますよ
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