AYANEO Pocket DMGを購入しました
某ハイ〇ーム(〇空)のせいなのか、ここ2~3年は日本でも商業レビューが増えてしまっており、自分の好きなマニアックなガジェットがすっかり提灯持ちのレビュワーに食い荒らされげんなりしてしまっています
だからと言ってじゃあ自分の書いてる記事が良いものなのかと言うと、提灯レビューよりもさらに役に立たない、ライトユーザーからしたらどうでもいい部分に言及しているわけで、きっと世の中のほとんどの人にとって価値の無いものなのだと自覚しています
そんなことを思い、最近は特にハンドヘルド端末についてはレビューする気が失せてきてしまっており、AYANEO Pocket DMGについてもレビューは書かないつもりでした
ただこの機種は、ガジェットとして面白いなと感じる部分や、個人的に気になる部分があったので、気になったところやマニアックな部分だけでも書いてみようかと思い直しました
一般的なレビューではありませんので、そういうのお望みの方はご高名なレビュワー様のサイトをごらんくださいませ
なおこの記事は、「自分だったら知りたい!」と思うことを書いていきますので、思いついたらその都度追記するというスタイルをとらせていただきます。ので、都度内容が増えていくと思います
AYANEO Pocket DMGのここが気になります!
レトロな外観とそれに見合わぬ高性能というギャップを売りにしたAYANEO Pocket DMG
Snapdragon G3x Gen2搭載でAndroid機としての性能は申し分ありません。アクティブクーリングファン搭載のため冷却面での心配も少ないはずです。また、本体形状のおかげでスマホ等と違って持った感じもかなり軽く感じられますので、なかなか満足感は高い機体となっています
この章ではそんなAYANEO Pocket DMGにおいて、気になるんだけど前情報が少ないポイントを思いつくままダラダラと書いていってみたいと思います
製品全般
私が購入したのはRetroモデル(16GB / 1TB)ですが、このモデルはプレミアバージョンと位置付けられています。通常版との違いを簡単に紹介していきます
内容物はこんな感じですが、私はクラファンでの購入ですので、国内版でこれら全てが付属するわけではないはずです。気になる方はご自身で販売店の案内をご確認下さい
モデルとしての違いでまず目を引くのは化粧箱の違いですが
通常モデルはこのようなデザインですが、実はレトロ版でも全く同じパッケージです
レトロ版では箱の上から独自デザインの紙パッケージを覆いかぶせているだけという仕様で、箱そのものがレトロオリジナルというわけではありませんでした
また、通常モデルには付属しないレトロデザインACアダプタも付属します
出力は35Wで、穴の空いたコンセントプラグ形状のため日本の法律にも適合しています。各国向けの変換プラグも付いてるので世界のお友達も安心です。日本モデルにも付属するのかは知りません
法律と言えば気になるのが技適ですが、本体には技適の刻印が無くまたAndroidの設定アプリにおける電磁的な法的ラベル表示もありませんので、国内モデルでは恐らくいつものようにシールで対応するものと思われます。海外モデルを買われる方で日本で使用される方は電波法にご注意下さい
あと製品で気になる点として「付属するスタンドは単なる段ボールである」ということがリリース時から言われていましたが、実物を見てみたところ単なる段ボールでした
これは本当にディスプレイ(飾り)用であり、実用性は皆無だと思います
あと画面保護について
本製品は特殊なサイズの画面となっていますが、保護フィルムについては公式から発売されていますので安心です。ガラスフィルム(?)のような硬質のフィルムで、タッチ感度や品質も問題ないと感じています
各ボタンについて
Androidだからタッチで操作するのが基本なわけですが、AYANEO Pocket DMGには多種のボタンが備わっていますので、この各ボタンでAndroid自体も操作することができます
これが快適だとありがたいわけですが実際のところどうでしょうか
正面の各ボタンはそれぞれデフォルトだと
- 十字キー:矢印キー
- アナログパッド:矢印キー
- Aボタン:決定
- Bボタン:キャンセル
- Xボタン:検索
- Yボタン:副クリック(右クリック/ホールドと同等機能)
- スタートボタン:無し(モード切り替え)
- セレクトボタン:無し(モード切り替え)
- AYAボタン:AYASpace オーバーレイ呼び出し
- スライドパッド:無し(押し込みでAYA Homeランチャーの設定)
というように割り当てられています
なお、スライドパッドについては『スタート+セレクト同時押し』でマウスモードに切り替えることで有効になり、その際には各ボタンの役割も変わりますのでこれについては後述します
ちなみにこの機種はAYANEOが掲げるレトロをテーマにした製品ラインですので、ABXYのボタン配置やソフトウェア的レイアウトは、近年のSteam等で見慣れた配置とは違って任天堂スタイルです(設定で変更可)
これらのボタンによるAndroid操作性は決して悪くないと思います。(PINを使わなければ)ロック画面の解除含めて画面に触らずにほぼ全ての操作をすることも可能です
ただ、自分の慣れのせいもあるでしょうし、AndroidのUIデザイン設計がタッチ操作を念頭に置いたものということもあるのでしょうが、ふとした時にはどうしてもタッチ操作の方を多用してしまい、ボタン操作はあまり使わなさそうだなとも感じています
ちなみにIndiegogoのコメ欄にも投げましたが、私のところに届いた個体はXボタンが潰れていました。たぶんみんなが「発送早くしろ!」って言いまくったから品質管理がザルになったのでしょう……
続いて側面です
左側には上から、LCキー、メニューキー、マジックダイアル、ターボスイッチが備わっています
LCキーはデフォルトではタスクキーに割り当てられています。Androidユーザーにはなじみ深いキーですね
その下のメニューキーについては正直よく分からないのですが、説明書にはサードパーティのゲームアプリ等のメニューやファンクションを表示できる、とあります。ほぼゲームをやらない自分にはイメージが湧きませんでした
その下のダイアルはマジックダイアルと言われるもので、デフォルトではボリューム操作が割り当てられています。感触は無段階ではなく、カチカチと段階的なストップが感じられるものです
またこのダイアルをプッシュすることで、ボリュームのミュートON/OFFをワンタッチで切り替えることができます
さらに、このダイアルを長押しすることで機能の切り替えが可能です。切り替えできるのはディスプレイの明るさ、パフォーマンスモード、振動、ファンスピード、そしてRetro Arch向け機能です
このダイアルはアーサー氏がドヤってただけあってよく出来てるなぁと感心しました
モード切り替えボタンは上にクイッと入れることで一つ上位のモードに切り替わります。順序としては「静音」→「バランス」→「ゲーム」→「MAX」となります
このボタンはバネの力で元の位置に戻るタイプのボタンです。つまり一方通行であり、例えば「MAX」から「ゲーム」にしたい場合には3回クイッと入れる必要がありちょっと不便です
モードの切り替わりは即時ではなく1~2秒かかるので、3回切り替えるのは地味にストレス。こうしたケースの場合にはAYA Spaceから変えちゃった方がいいと感じました
ちなみにレンダリングでは分かりにくかったボタンの色は、オリーブドラブっぽい暗い緑色でした
続いて右側面です
右側面は上から、RCキー、ホームキー、電源ボタン、microSDカードスロットが備わっています
RCキーはデフォルトでは「戻るボタン」で、ホームキーはホームボタンです。その下の電源ボタンやSDカードスロット含め、右側面のボタン類に関しては特に説明不要な基本的なものとなっています
戻るボタンやホームボタン、タスクボタンが側面についているのは最初はちょっと戸惑いますが、慣れてしまえば保持している状態から自然と指が伸びるので使い勝手は悪くないと思いました
一方で電源ボタンは段差も低く触った感じが分かりにくいので個人的にはあまり良いとは思えませんでした
スライドパッドについて
ゲームをやらない自分がなぜこの機種を買ったのかというと、このスライドパッドにめちゃくちゃ興味を惹かれたからにほかなりません!
この挙動を見ていきます
デフォルト状態では、スタートボタンとセレクトボタンを同時に長押しすることでマウスモードに切り替わります
スライドパッドが有効な「マウスモード」になると、各ボタンの役割は以下のように変更されます
- 十字キー:矢印キー
- アナログパッド:マウス移動
- Aボタン:左クリック
- Bボタン:ESCキー
- Xボタン:副クリック(右クリック/ホールドと同等機能)
- Yボタン:Enterキー
- スタートボタン:無し(モード切り替え)
- セレクトボタン:無し(モード切り替え)
- AYAボタン:AYASpace オーバーレイ呼び出し
- スライドパッド:マウス移動(プッシュで左クリック、長押しでさらにモード切り替え)
分かりにくいかなと思うのがスライドパッドの長押しです
通常マウスモード時はスライドパッド操作もマウス移動となりますが、この時スライドパッドを長押しすることによってスクロールモードへと変化します。スクロールモード時はトラックパッド操作がスクロールのみとなり、マウス移動はアナログスティックでしか行えなくなります
逆に言うなら、通常のマウスモード時には例えば2本指でスクロールするとったジェスチャーには対応してないということでもあります。ピンチ操作などもできず、本当にただカーソルを動かすことしかできません
正直に言って、死ぬほど使いにくいです。これ目的で買ったのを後悔するレベルでした。切り替えがくそめんどくさいうえに、スクロールモード時の動きもものすごく遅っそいです。ジェスチャー操作も出来ません
リモートデスクトップでも使ってみましたが変わりませんので、Winlator含むデスクトップ操作なんかでの使用を期待している人はちょっとやめておいた方がいいかもしれません……
Winlatorの使用感については検証して記事にするのに少し時間がかかります。一応いま現在思っていることとして、私には解像度800×600が限界だったことと、スライドパッドはWinlatorでも使えるけど使いにくいということです
あとはG3x Gen2+メモリ16GBというオーバースペックがWinlatorでは活きるのかどうかを検証して追記したいと思います
外部ディスプレイと解像度について
この機種の発表時、不穏な噂が流れておりました。それは「外部ディスプレイ接続時でもアスペクト比は8:7のまま変更できないのではないか?」というものです
いやいやそんな馬鹿な(笑)と思うところですが、なんとこれは事実でした
そのためDiscordではシェルスクリプトを自作して解像度を変更するという先人たちの努力があったのです
このシェルスクリプトはroot権限はいらず、例のビルドバージョンを7回タップして管理者モードを有効にしておくだけでOKなのですが、私のところに届いた個体はすでにAYANEOの公式アプリで対策が済んでいました
AYA Settingsアプリから「Device」→「Screen Casting Settings」→「Resolution settings」と進むだけで解像度の変更が可能となっています
メーカーさん仕事早い!
なおこの方法で解像度を変更した場合は、外部ディスプレイとの接続を解除した後でもPocket DMG側の解像度は変更されたままになってしまいます
ので、戻す際には手動で「Restore the default screen ratio」を選ぶ必要があります
これで簡単にもとに戻りますが、本当は自動で適応してくれたらいいんですけどね
USB Type-CのDP Altモードについて
下記のようなトラブルに見舞われていたのですが、その後Pocket DMG側、モニター(GPD DUO)側、どちらも何度か再起動を挟んでトライアンドエラーを重ねたところ、突然解決しました。なぜ直ったのか、詳細は不明です
どんな問題があったのか一応残しておきますので、↓のようなトラブルが発生した際には諦めずに再起動と再接続を試せば直るかもしれませんよ
上記の話と少し通ずるところですが
AYANEO Pocket DMGのポート(USB 3.2 Gen2 Type-C)は、DP Alt(DisplayPort 1.4)に対応していることが明記されています
が、私の環境ではこれが映りませんでした(ToT)
と言っても私はDP Alt対応モニタを1種類(GPD DUO)しか持っていないため、これがDMG側の問題なのか、それとも単なる相性問題なのかの切り分けはできていません
もちろんモニター側が他の機器では使えることは確認していますが、GPD DUO自体クセの強い機種ですので問題ないとは言い切れないところがあります。なお、ケーブルに関しては3種類試したのでケーブルの問題でないことだけは確かだと思われます
あくまでも一事例ではありますが、ダメだった事例があるということだけ報告です。ARグラスなどDP Alt入力しかない機器を使っている人は念のため確認してみるといいかと思います
詳しくない人が誤解するといけないので念のため書いておきますが、外部ディスプレイに映せないという意味じゃないですよ。前項にもあるように映せますが、DisplayPort信号をうまく送れてない(故障or相性)のではないか? ということを言っています。HDMI変換ハブ等では普通に使えます
ゼリースクロール(っぽい)画面
ここから内蔵ディスプレイの話です
この機種はiPad mini 6で話題になったゼリースクロール(のような挙動)をかなり感じやすい機種になっていると感じました。これは画像で説明することが困難であり、かつ動画でもうまく撮影することが難しいため感覚的な話になってしまって申し訳ありません
スクリーンサイズのせいなのかアスペクト比のせいなのか分かりませんが、iPad miniが騒がれていても自身は全然気にならなかった鈍感な私がすぐに気付くぐらい、この機種では感じます
iPadで報告されたゼリースクロールは個体差があるとされていたため、AYANEO Pocket DMGでも個体差がある可能性はあります。また、iPad miniでは波打つような揺れだったのに対して、この機種では真っすぐなはずのものが斜めに表示されてしまうという風に表れます
上記画像はイメージですが、こんな感じで見えます
とはいえゼリースクロールとは、ディスプレイの書き換えに伴ってあらわれる現象ですので避けられないところはあると思いますし、実際のところゲーム等では気にならないかとも思います
ただこの機種は特殊なアスペクト比のせいもあって表示領域が狭いため、高速スクロールをスマホ以上に多用することになり、結果、鈍感な私にも気になるぐらい目についたのだと思います
個人的にはネガティブ要素にはなりませんが、iPadのときあれだけ騒がれたので気にする人もいるんだろうなぁと思い、いちおう書いておきました
スクリーンサイズについて
LG Wingのサブディスプレイを搭載している本機。3.92インチで1240×1080という約8:7アスペクト比を採用しています
これによってレトロゲームに広く採用されている4:3アスペクト比等のゲームでは、昨今の16:9や21:9のアスペクト比を採用した6インチ級のスマホ等で遊ぶ際と同等以上の実画面サイズで遊ぶこともできるとしています
しかし私はレトロゲームをしません
そんな私にとって、このスクリーンは実際のところどのぐらい不便なのかを確認してみたいと思います。当然ですが買う前から覚悟はしていましたが……
まず通常のAndroid利用ですが、これは特に気になりませんでした。私は昔BlackBellyとか使っていたことがあるので、4インチ前後の画面サイズや正方形に近いアスペクト比に慣れもあるのかもしれません
ただ、一部のアプリだとかウェブサイトによっては正方形に近いアスペクト比のディスプレイを考慮していないインターフェースとなっているものもあるでしょうから、その点は諦めておく必要があるとは思います
次にSteamゲームですが、意外にもこれは不可能ではなさそうでした
と言っても私は最近モンハンワールドだけ始めたような程度で、先日のセールでゲームをいくつか買ってみたものの全然やっていません。なので他のゲームでは評価が変わるかもしれませんし、特にテキストを読むのは不可能っぽいのでそういったゲームには不向きだと思います
あくまでも「モンハンワールドならできそう」という意味です
気になっていた「スライドパッドを右スティックの代わりにうまく使えるのか」という点においては、自分的には慣れればいけるんじゃないかと感じました
もちろんやりにくいです。アナログスティックの方が圧倒的に操作しやすいです。やりにくいんですが、これは先日の記事に書いたSteam DeckやWIN miniに感じるやりにくさと同種のもので、つまり普段使ってるコントローラーとの違いからくるやりにくさだと思いました
ずっとこれで慣れていけば(少なくともモンハンのカメラ操作に関しては)いけるんじゃないかと。ただレスポンスもあまり良くないので、素早い操作は厳しいかとも思います。とりあえず闘技場でアンジャナフを倒すことはできました(笑)
テキストを読む必要のあるゲームも厳しいわけですので、アクション系でかつ右スティックの素早い操作が求められないゲームであればいけるかも? といった感じです
最後にリモートデスクトップですが、予想通りこれはほぼ絶対に無理です(笑)
比較用にスマホで同じページを表示してみました。もちろんモバイル版とPC版との違いはありますが、どれだけテキストサイズが違うかイメージしてもらえるのではないでしょうか(笑) マサイ族の方とかなら見えるんだろうか……
なお、リモートデスクトップアプリによって、例えばSteam LINKだと無理ですが私の使っているSplashtopならピンチ操作で拡大表示は可能です
アプリ次第でこれらの拡大機能を使えばもちろん見えるようになりますが、いちいち拡大縮小を駆使して使うぐらいなら他のPC――でなくても、スマホの方が圧倒的に視認性は高いですので、わざわざこの機種を使わないですよね……
Winlatorを入れて色々試してみるのも楽しみにしていたのですが、これではちょっと無理かも分かりません
品質管理について(ボタン潰れとパネルの滲み)
これは購入直後は気づかず最近気づいたので追記した部分になります
Xボタンが潰れていたことは先に書きましたが、それ以外にもう一点、ディスプレイの問題点にも気づいてしまいました
拡大しないと分かりづらいかもしれませんが、画面の上端隅に青色の焼き付き(?)のようなものがありました(ToT)
これはディスプレイテストをしている際に気づいたもので、アプリ由来のものなどではなく、ハードウェア的な欠陥で・初期不良です
これで品質管理「合格」という合格証が同封されているのですから、メーカーの品質管理体制は推して知るべしです
ボタンにしてもそうですが、みんなが急かすからこういうことが起きたのではないかと邪推してしまいます
私はIndiegogoのコメ欄に溢れている「早く発送しろ」なんてことは全く思っておらず、むしろ「時間かかっても完璧な商品を届けてほしい」と思っていますので、これはとても悲しい……。巻き添え事故をくらった気分です
ボタンだけなら自分で修理するつもりでしたが、改めてメーカーに連絡して返事待ちです。おそらく中国に返送することになるでしょう。久々に海外商品でハズレ引きました
AYANEO Pocket DMG 簡易ベンチマーク
GeekBenchとかAntutuとかは既に提灯マン達がやってるでしょうから、今さら後追いで書いてもしょうがないかなと思います。リザルト画像だけは貼っておきますので興味ある方はどうぞ
ここではあまりネットには無さそうなベンチだけサクッと回して確かめてみます
ベンチ条件は以下の通りとなります
- 動作モード:MAX(TDP15W / ファン全開)
- 電源接続状態
- 環境温度:15℃前後
Performance Test
まずPassMarkでも有名なPerformance Testです
AYANEO Pocket DMG |
iPad mini 5 |
|
SYSTEM(総合) | 21106 | 35717 |
クロスプラットフォームマーク(CPU) | 22779 | 20632 |
CPUスコア | 10021 | 9673 |
Memoryスコア | 36967 | 51222 |
DIskスコア | 340193 | 28011 |
GPU 2Dスコア | 80468 | 43835 |
GPU 3Dスコア | 23048 | 19088 |
このような結果となりました
全体的に良好なスコアだと思いますが、特にUFS4.0ストレージの性能が良いですね。Read/Writeどちらも2,000MB/s程度出ていますので、モバイル端末であることを思えば十分満足できるかなと思います
ちなみにこのベンチにはクロスプラットフォームマークがあり、そのスコアだけは別OSのものと比較することができます
ある程度の指標にはなりますが、例えばDiskマークのようにOSによって大幅にスコアの異なるもの(そもそもテスト項目自体が違う)もあります。厳密に比較できるのは項目中の「クロスプラットフォームマーク」だけですので注意して下さい
そこで近いスコアのものは何があるかなと手持ちデータを探してみたところ、iPad mini 6のスコアが本機のクロスプラットフォームマークのスコアに最も近かったですので掲載しました
超絶うるさいファンの音を鳴らしながらベンチを回しても、ファンレスの、それも前世代のiPad miniレベルの性能というのはちょっと悲しい気もしなくもありませんでした
一方でGPU性能に関してはiPad mini 6(A15 Bionic)よりも良いスコアが出ていますので、もう少しGPUの比較をしてみます
GFX Bench
こちらもクロスプラットフォームのベンチですので、先ほどと同じくiPad mini 6のスコアと、もうひとつ上位であるiPad mini 7(A17 Pro)とも比較してみていってみましょう
クロスプラットフォームと言ってもAPIには違いがあります(OpenGL or VulkanとMetal)のでSoCそのものの性能差を表すわけではありませんが、単純なFPSの比較ですので実ゲームでの性能差をイメージできるのではないかと思われます
AYANEO Pocket DMG |
iPad mini 7 | iPad mini 6 | |
4K Aztec Ruins High Tier(Offscreen) | 26 FPS | 18 FPS | NA |
Aztec Ruins High Tier | 60 FPS | 44 FPS | 32 FPS |
1440P Aztec Ruins High Tier(Offscreen) | 55 FPS | 42 FPS | 35 FPS |
1080P Aztec Ruins Normal Tier | 60 FPS | 60 FPS | 50 FPS |
1080P Aztec Ruins Normal Tier(Offscreen) | 142 FPS | 142 FPS | 99 FPS |
Car Chase | 60 FPS | 56 FPS | 44 FPS |
Car Chase(Offscreen) | 123 FPS | 108 FPS | 85 FPS |
1440P マンハッタン(Offscreen) | 126 FPS | 76 FPS | 70 FPS |
マンハッタン エンハンスド | 60 FPS | 60 FPS | 57 FPS |
マンハッタン エンハンスド(Offscreen) | 209 FPS | 146 FPS | 130 FPS |
マンハッタン ノーマル | 60 FPS | 60 FPS | 60 FPS |
マンハッタン ノーマル(Offscreen) | 295 FPS | 223 FPS | 222 FPS |
ティラノサウルス レックス | 60 FPS | 60 FPS | 60 FPS |
ティラノサウルス レックス(Offscreen) | 467 FPS | 405 FPS | 343 FPS |
※iOS版では小数点以下までFPSが出ますが、視認性のため四捨五入しています
こんな感じでした。GPUの性能的にはiPad mini 6よりはだいぶ上のようで、現行バージョンのiPad mini 7と比較してもより良い結果を出してくれています
ちなみに手持ちのデータだとこの上にiPad Pro(M2)があるのですが、そちらと比較すると1.5倍ぐらいのスコア差で負けていました。このことから、Snapdragon G3x Gen2のGPU(Adreno A32)はApple M1のGPUに近いぐらいの性能があるのかなという気がします
AYANEO Pocket DMGがゲーム向け端末ということを思えば、この結果は喜ばしいことなのではないかなと思いますね
それはそれとして、このベンチではかなりの項目でカンストしているのが分かります
ゲームをしない自分はリフレッシュレート60Hzで困ることは無いですが、せっかくのSoCの性能+ゲーム向けコンセプトの機種なのですから、もう少し高リフレッシュレートのパネルを搭載しても良かったのではないかなぁと思う結果ですね
まとめ
ということで今回はAYANEO Pocket DMGについて書かせていただきました
品質管理の問題についてはメーカーに投げているところなのでその対応次第で評価をするとして
製品の質感はかなり良いと思いますし、性能も申し分なし。デザイン的にも大好きなデザインで所有欲も非常に満たしてくれるのですが、個人的にいちばん楽しみで、このために買ったと言えるトラックパッドがどうにも……
トラックパッドがいまいち使い勝手が悪いとなると、ゲームをやらない私には使い道がないということになってしまいます
ゲーム、特にレトロゲームをやる方ならまた評価も違うのかもしれませんが、自分にとってはこれはちょっと失敗だったかなというのが現時点での率直な感想です
デバイスとしては面白いと思うのでもう少し色々試して追記していく予定ではいますが、これはたぶんあまり遠くない未来に手放してしまうような気がします(泣)
それではまた~
コメント