この記事は短いです
コロナの影響もあるのかTiger Lakeのリリースに遅れが生じるかもなんて噂もありますが、夏発売を表明してしまっているOneGXは一体どうするのかな? と思っていたら、予想外のウルトラCを決めてきました(笑)
なんと、本来語られていた仕様・スペックとは異なるエディションを発売し、夏発売という公約を守る方針にしたようです(あくまでネットのリークなので確定ではないです)
その名も「OneGX Fashion Edition」
※その後、日本では「カジュアル版」と呼ばれるっぽいという情報がありました
この噂が本当だったとして、どの点がどれだけ犠牲になったのかを簡単にまとめてみようと思います。なお、先に言っておきますがこれを買うことはおすすめしません
OneGX Fashion Editionの発売日・スペック
突如として発表された(まだリーク止まりか?)OneGX Fashion Editionですが、中国語では「时尚版」という表記で、意味はそのまんまファッション版=ファッションエディションです
発売日は5月30日となっていますが、これは申し込み開始日(?)のようで、実際には6月からAmazon、Banggood、GeekBuyingでプレセールが始まるとされています。到着は7月でしょうか。おお! 公約通り夏にゲットできますね(笑)
こちらが語られているOneGX Fashion Editionのスペックになります。せっかくなので本物のOneGXとの比較もしてみましょう
OneGX Fashion Edition | OneGX 本物 | |
CPU | Core i5-10210Y | Tiger Lake Yシリーズ |
GPU | Intel UHD Graphics EU数24 | Intel Xe GPU EU数96 |
ディスプレイ | 7インチ 1920×1200 10点マルチタッチ 16:10アスペクト |
7インチ 1920×1200 10点マルチタッチ タッチペン対応 筆圧2048レベル 16:10アスペクト |
メモリ | 8GB / 16GB LPDDR3 | 8GB / 16GB LPDDR4X |
ストレージ | 256GB / 512GB NVMe PCIe | |
I/Oポート | USB Type-C(電源兼用)×1、USB Type-C×1、USB3.0 Type-A×1、Micro HDMI、Micro SDスロット、イヤホンジャック、空きM.2スロット×1 | USB4×1、USB Type-C×1、USB3.0 Type-A×1、Micro HDMI、Micro SDスロット、イヤホンジャック、空きM.2スロット×1 |
通信 | WiFi 6、4G LTE(オプション) | WiFi 6、4G / 5G LTE(オプション) |
バッテリー容量 | 12,000mAh 1セル 44.4Wh | |
サイズ | 173 × 136 × 21 mm | |
重量 | 623 g |
こんな感じになっています。正直、ネットで流れているこのスペック表もちょっと偽物臭さがあるにはあるんですが、本当だったとしたちょっと悲しいです
とにもかくにも悲しいのはCPUで、現行のOneMix 3シリーズと同じComet Lakeのi5-10210Yが採用されています。つまり性能はOneMix 3と全く同じってことです
Comet Lakeは従来のCore iの流れを汲むCPUですので、GPUが強化されたIce Lakeとは別系統です。OneGXはゲーミングPCを謳っているわけですのでGPUこそ重要なわけですが、残念ながらIce Lake Yが搭載されることはありませんでした
これについてはOne-Netbookの社長が
Ice Lakeは20W以上で動作させないとGPUの性能が発揮できないから載せない
と発言していて、OneGXへのIce Lake Yの搭載を見送ったと公表してしまっていますので、今さらIce Lakeを載せるわけにはいかなかったんでしょうかね
内蔵されているGPU(iGPU)はUHD Graphicsです。つまり、普通のノートパソコンと同じですのでゲーミングでも何でもありませんね
GeForce NOWのようなクラウドゲーミングをしたり、PS4やSTEAMをリモートプレイする際にはいいかもしれませんが、それなら他にいくらでも選択肢がありますので
そしてCPU変更の煽りを受けて、メモリもLPDDR3メモリになってしまってます。i5-10210YはLPDDR4Xをサポートしていないので仕方ないところですが
ポート類に関しても、USB4が搭載できないのは仕方ないですね。まだ無いですので。というか登場は2021年になりそうとか言われ始めていますけど、本当にOneGXは搭載できるんでしょうか……
ということで、これって性能的には完全にOneMix 3をガワだけ変えたものって感じです
好みもあるかもしれませんが、AAAゲームの動作が困難ということになると、この形状をしてることはむしろデメリット。Yogaスタイルが可能でデジタイザにも対応しているOneMix 3の方がマシなんじゃないかと思ってしまいます
ちなみにOneGXには従来バージョンの他に『PRO版』の噂もあるのですが、もしかしたら今回のファッションエディションに対してのプロ版ということになるのかもしれませんね
まとめ
この記事を書こうと思ったのは警鐘を鳴らす意味があります
なんとなくこの情報を見た時、『あまり知識がない人を騙してやろう』という意図が透けて見えるように感じられてしまったのです
SNS等で散々煽っておいて興味を惹かせ、先に出てくるのは現行機種のガワだけ変えたバージョンというのはうーん……
普通の人ってTiger LakeとかComet Lakeとか言われても分からないだろうし、そもそもYプロセッサとかUプロセッサとかも分かってないと思うんですよね。「こんな小さいのにi7なんだ! すげえ!」とか「4コアなんだ、すげえ!」みたいに、型式しか見てないように思います
もし本当にファッションエディションを出すんだとしたら、「夏登場って言っちゃったからとりあえずガワだけ変えて出しとくか」とか、「中身の違いなんて分かんねえだろ。見た目さえよければチヤホヤしてくれるだろ」みたいなメーカーの思惑を感じてしまうんです
……邪推しすぎでしょうか
でもこのメーカーって、Comet Lakeを載せた時に「4コアのPCで世界最小」とか煽りまくってたという前科があります。Yシリーズの4コアなんてそんな煽れるものでもないのに、当時Uシリーズで4コアを載せたレッツノートに喧嘩売るスタイルで宣伝してたんですよ。あれはかなり印象悪かったです
今回も悪意を持ってやってるんじゃないかと感じてしまいます
ただまあとにかく、もし本当にOneGXファッションエディションが発売されたとしても、その性能は現行のOneMix 3と同じであり、特別「ゲーミングマシン」を名乗れるようなスペックではありませんので、その点を納得した上で購入されることをおすすめします
それではまた~
コメント
以前どこかの記事でPlatinum Editionなどの上位モデルの売れ行きが良かったと言っていたので
購入層を分析する際に
1性能差があまり無くても気にしないお金持ちが購入した
2パソコンの性能が良く分らないかi7などのブランドだけ見て購入した
この内2が圧倒的に多いだろうと考えるだろうし案外邪推じゃないのかもしれません。
まぁ…購入層を考えてマーケッティングを行うのは当然の事ではあるんでしょうけど。
ファッションエディションに関してはともかくtiger lakeのiGPUには結構期待出来ると思います。
TDP9Wでどれほどの性能が出せるのかとかそもそも早い段階で量産されるのかとか懸念もありますが
任天堂switchのエミュレータが快適に動く程度の性能はある可能性が高いので
スイッチの代わりになるPCとして期待しています。
aotyaさん
いつもためになるコメントありがとうございます
Switchに既にエミュレーターが存在していたとは知りませんでした。YプロセッサとUプロセッサの違いはあっても、Ice Lake Uを超えてきそうな印象はありますよね
個人的にはRyzen4000シリーズのGPU性能も気になっています。まあ7インチに搭載するのは難しい気もしますが
Pentium時代からガジェオタをやってる身としては近年のiGPUの性能向上には驚かされワクワクしています(笑)