海外にドローンを持っていきたい&使いたい! 時のまとめ

TIPS

こんにちは。ドローンインストラクターをしておりますりんごロイドです

本当は↑こういうアイサツは好きじゃないのですが、どうもドローンに関しては『専門家の意見』ということを重視するような風潮があり、この方が安心感を得てもらえるようですので、ドローンの解説記事に関してだけは毎回書かせてもらっています。うざくてスミマセン

ぶっちゃけ、私の周りのドローンのプロ()より全然知識のあるアマチュアの方はいっぱいいるんですけどね

序文でこんなことを書くのはアレですが、あまり「私はドローンで仕事してます」という人の意見を盲目的に聞くのはやめた方がいいと個人的には思ってます

さて。何だこの序文は! という感じで始まりましたが(笑)

今回は、海外にドローンを持っていきたい! 海外でドローンを飛ばしたい! と思った時のためのまとめ記事を書いてみたいと思います

PVを稼ぐためなのか『輸送方法だけ』とか『飛ばすための注意点だけ』、とかの記事は結構あるのですが、一連の流れをまとめてる記事はほとんど見当たらないようですので、この記事だけでどちらも分かるようにまとめておきます

あっちこっちリンクするのメンドクサイし分かりにくいんだよ! という感じです

なるべく結論だけシンプルに書いていこうと思います。と言いつつもダラダラ書いてしまうのが私の悪いクセなのですが、今回こそは気をつけたいと思います。では行ってみましょう

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海外へドローンを持っていくときのポイント

TVで見るような海外の絶景の空撮映像、自分で撮影できたら最高ですよね。そうした映像を見るたびに「ドローンを海外旅行に持っていきたい」と感じる人も多いのではないでしょうか

海外へ自分のドローンを持っていくことは可能なのか?

結論から言うと「大多数の国で可能です」。その方法は大きく分けて3つありますでしょうか

  1. 飛行機に手荷物として持ち込む
  2. 飛行機に預け入れ荷物として持ち込み
  3. 外国へ輸送する

こんな方法が考えられ、上のものほどおススメです。と言っても2と3はほとんど変わらないですので

1 >>>越えられない壁>>> 2 ≧ 3

というような感じです

ドローンを飛行機に手荷物で持ち込む

圧倒的におススメなのは飛行機内に手荷物として持ち込む方法です。他の方法と比べて輸送時の事故リスクを格段に下げることが可能です

ドローン 海外利用 解説

しかし飛行機の持ち込み手荷物にはサイズ制限がありますので、大型のドローンですとこの方法は採れないことになります。中小型のPhantom程度であっても、他の荷物があるとちょっと厳しい……ハードケースを使ってる場合なんかも大体アウトですね

そういう意味では小型で嵩張らず性能もそれなりのMavic 2 Proなんかは有難いですね

なお、この後に解説する『飛行機の貨物室に預け入れる場合』であっても、バッテリーだけは手荷物で持ち込まないとダメですので、その点は十二分に注意して下さい

ドローンを飛行機に預け入れ荷物とする

手荷物持ち込みに比べるとリスクは跳ね上がりますが、ドローンを貨物室に預けることも可能となっています

ドローン 海外利用 解説

飛行機の預け入れ荷物は「Fragile」シールが貼ってあったとしても、他の荷物との兼ね合いで上に物を乗せられてしまう場合があります。そういう意味で、ハードケースの使用はマストだと思います

その際はシンプルなハードケースを使うようにしましょう

例えばこんなヤツ

それに対してよく売られているこういうアルミケースは注意です

私も以前に買ってしまったのですが、見ていただくと分かる通り思いっきり「PHANTOM」とか書いてあって、ケースの外側からでも『これはドローンですよ~』と分かるようになっています

国にもよると思いますが、ただでさえ高級感のあるケースで目をつけられやすいのに中身まで主張してしまっては盗難の被害に遭う可能性がグッと高まります

それから、預け入れ荷物の取り扱いは航空会社や現地の空港職員によっても丁寧さがマチマチですが、落とされたり投げられたり負荷をかけられたりするのは当然だ! というぐらいのつもりで預ける方が良いと思います

カメラユニットが外せるドローンの場合は、カメラ部だけは手荷物として持ち込むなどの安全策をとるべきです

そして、預け入れの際の最も大事な点がバッテリーについてです

リチウムイオン電池(リポバッテリーも該当)はICAO(国際民間航空機関)によって、旅客機貨物室への搭載が禁止されています

ドローン 海外利用 解説

ICAOの加盟国ではこのルールを守る必要があるわけですが、現在のICAOの加盟国は193か国。つまり、ほとんど全ての国においてこのルールは適用されます

ドローンのバッテリーは必ず手荷物として客席へ持ち込む必要がありますので注意して下さい

バッテリーを何個まで持ち込めるかは航空会社によって変わります。100Wh以下の電力のバッテリーは無制限なことが多いですが、必ず自分の使うドローンのバッテリー電力を把握したうえで航空会社のルールを確認して下さい

DJIでいうとInspire2やMatrice600クラスまでOK。PhantomとかMavicの人は全然心配しなくて大丈夫ってことです。でもMatrice200シリーズになると174.6Whだから制限がかかりますので注意

なお、リポバッグ(防炎袋)の使用は義務ではありませんが、対策をしておけると素晴らしいと思います

外国へドローンを輸送する

あまりおすすめしませんが、旅行ではなく仕事の場合ですとこの方法が便利な場合があります

ドローン 海外利用 解説

仕事でドローンを海外へ持ち込む場合には、現地に相手先の会社や施設がある場合が多いです。そこにドローンを予め送り付けておきます。そうすると、自分が日本を発つ際の荷物を減らせる点も有難いです

この方法にはいくつも注意点があります

  • 輸送には時間が掛かるうえ、遅延の可能性も見越したスケジュールの余裕が必要
  • 途中で紛失するリスクがある
  • 受取先が信頼できない(よく知らない)場合には使わない方がいい
  • 運送会社や輸送方法によってはバッテリーが規制されている場合がある

というような感じでしょうか

海外輸送というのは時間がかかるうえ、特に現地についてからの運送会社については、日本の感覚で信頼を置いていると痛い目に遭うことがあります。予定日に到着しないことはザラで、荷物の紛失というリスクも日本より高いです

幸い輸送事故や紛失については保障してくれる場合も多いですが、いざ現地についてみたらドローンが無い! というようなリスクはあります。お金は戻ってきても、使用目的に間に合わなかったということになってしまう可能性がありますので、余裕を持った発送ができないなら避けた方がいいでしょう

それから受取先が信頼できない人の場合にはこの方法は使わない方がいいと思います。例え空港やホテル宛に送れたとしても、日本のように信頼できるかというと、残念ながらそうとは言えません

職員が荷物を勝手に開封して盗むなんてこともあります……

国によっても変わってくるとは思いますが、よく知っている人相手に送れる場合だけ使う方が無難でしょう

そしてバッテリーについてなのですが、これは運送会社によってルールが違っている場合もありますので、ご利用の運送会社によく確認されることをおすすめします。一律空輸は不可で、時間のかかる船便しか受け付けないという運送会社もあります

勝手に船便に回されることはほぼ無いとは思いますが、リスクを下げる意味でしっかりと確認しておいて下さい。あるいはバッテリーだけは手荷物として自身で飛行機へ持ち込み、本体だけ先に現地へ送っておくという方法はアリかもしれません

Fragile(壊れ物)と記載するなどのアタリマエのことは一々書きませんでしたが、そのあたりも気を付けて下さいね。そう書いてあったとしても容赦なく放り投げられたり、上に重いものを乗せられるのが海外クオリティです

梱包は厳重に行いましょう

海外へのドローン持ち込みのまとめ

というわけで海外へのドローン持ち込みについては『可能なことがほとんどだけど注意点も多い』ということになりました

  • できるだけ手荷物として機内に持ち込むべし
  • 預け入れや宅配も可能だけど、ハードケースの厳重な梱包は当然で、それでも壊れたり盗まれたりするリスクは覚悟しておくべし
  • バッテリーは客席へ手荷物として持ち込むべし(義務)

以上を胸に留めておいて下さい

また、あまり多くはありませんがそもそも持ち込み自体が禁止されている国もあります。例えばキルギスは持ち込み禁止、モロッコは事前の承認無しの持ち込み禁止などです

これらの国では使用云々の前に、持ち込んだだけで税関で没収となってしまうわけです(その場で日本への返送が可能かは不明)ので、訪れる先の国の法律はきちんと調べてから持ち込みを検討して下さい

海外でドローンを使う時のポイント

これは知っている人も多いと思いますが、ドローンを持ち込めたとしても自由自在に使えるかというと必ずしもそうとは言えません

ドローンの飛行ルールは全て、各国の法律に依ります

ルールは国によって千差万別ですので、ドローンを海外で使いたいと思った時にまずやらなければならないことは、その国のルールをきちんと下調べするということになります

ドローン 海外利用 解説

よくあるケースは

  • 業務使用機は事前に機体登録が必要
  • 趣味使用でも、ドローンは全て事前に機体登録が必要
  • 趣味使用でも、機体重量によっては事前に機体登録が必要

というような感じで、業務利用であったり中大型機の場合は事前に管理局に登録して機体名を明示しておきなさいよ! となっているものが多いです

しかし例えばタイでは、全てのカメラ付きドローンの登録が必要。香港では250g以上は趣味でも一律、機体登録が必要――というケースもありますので、繰り返しになりますが各国のルールを事前にきちんと調べて下さい

その他のルールも日本と似ているものが多いです

  • 高度制限(400フィート以下で飛行させる、など)
  • 夜間飛行の禁止
  • 空港周辺の飛行の禁止(周囲10km前後が多い)
  • 国の重要施設周辺の飛行の禁止
  • 軍事施設周辺の飛行の禁止
  • 第三者から距離を空けて飛ばすこと(30m程度が多い)

などなど、これは一例で詳細は国によっても違いますしその国独自のルールが設けられていることがほとんどです。日本よりゆるい国もあれば厳しい国もあります

また、世界は広いですので国土の広大な国では国のルールだけでなく州や地方ごとのルールが設けられており、それが航空法と同等、もしくはそれ以上の効力を持っている国もあります

さらに。

持ち込み自体は出来たとしてもドローンの使用が全面的に禁止されている国もあります。中東なんかは特に多いイメージ。観光地として人気のところで考えても、インドやエジプトはドローンの使用が禁止されていますので注意して下さい

もう一つ気を付けるべきことは、日本で飛ばすとき以上に安全飛行を心がけるということです。特に万一の際の対応をしっかりと押さえておくことがポイントだと思います

  • 事故を起こしてしまったらどのように対応するのか?
  • その際の責任問題や処罰の内容はどうなっているのか?
  • 加入している保険は海外でも有効なのか?

なども確認しておきましょう。不慣れな言葉で緊急事態に対応するというのは想像以上に大変です。想像を絶する賠償を請求される可能性があるということも知っておく必要があると思います

まとめ

ということで、海外でドローンを使いたいと思った際に確認しないといけないこと・気をつけないといけないことをまとめさせていただきました

本当は各国のルールを全て表にしてまとめておけるとよりカンペキだと思うのですが、記事が膨大になり過ぎて逆に見づらくなってしまいそうなのでこのような形に留めさせていただきます

なおこの記事は2019年末に執筆しておりますが、2021年にICAO主導のもと国際的なドローン(RPAS)のルールがシカゴ条約に盛り込まれるとも言われております

そうなると日本国内ももちろんですが、外国でドローンを使う際の注意点などもまた変わってくると思いますのでアンテナを張っておいて下さいね

それでは今回はこのへんで~

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