今年盛り上がりを見せる二画面Android端末として話題のAYN Thorが届きました。Snapdragon 8 Gen2/メモリ16GB版のMAXモデルです
クソAYANEOと違って発送も予告通りで素晴らしいですね
AYN Thorは技適未取得機器ですので日本ではそのままでは使えず、法的な問題の無い海外で使用するか技適の実験等特例制度を活用する必要があります
実験等と言っていますがこの領分は非常に曖昧グレーで、普通にゲームしてるだけの人でも「AYN Thorを用いたAndroid OSにおける通信動作実験」とでもしておけばそれでOKというザルぶりなのがなんとも日本らしいです。アマチュア無線なんかとも全く一緒ですね
電波法もうちょっとなんとかならないものですかね
閑話休題
ということで今回はAYN Thorの実機初見レビューと、ほぼ同等性能とされるSnapdragon G3x Gen2とのベンチマーク比較を行ってみたいと思います

※比較に使用した機器はAYN ThorとAYANEO Pocket DMGです。同じSoCでもTDPやそれに伴う冷却性能、果ては環境温度等によってベンチ結果は左右されることをご承知おき下さい
それでは見ていってみましょう
AYN Thor実機レビュー
配送・開封所感など
ご存じの通り、AYNはRetroidと実質的に同じ会社(同じグループ企業)とされていますので、サービスから製品品質に至るまで全体的に似ています
まずこの会社の特徴として配送方法を選ばせてくれるというのが良いところなので今回はDHLを選択しました。Retroid Pocketの時に安い方(4PXだったかな?)を選んでちょっと失敗したので
土日挟んだせいで少し遅くなりましたが5日間で届きました。輸入消費税は無しです
内容物はこんな感じ。と言っても私は今回、本体以外にアクセサリーパックと保護ケース(グリップ無し用)も買ったのでこうなだけであって、これは人によって違います

保護プロテクターが入ってない!?
と少し焦りましたが、グリップ付き用のバッグの中に入ってましたので良かったです。同じように焦った方はバッグの中を見てみて下さい
バッグサイズの違いはこんな感じです
今回何故バッグも2種類揃えたのかというとちょっと悩ましい問題がありまして、AYN ThorのグリップとTPUシェルは排他になっています。TPUシェルを付けた状態ではグリップが付けられないため、グリップを使いたい時にはシェルを外さなければいけません
なのでここは実際に触ってみて、グリップが無い状態ではあまりにも使いにくいようならTPUシェルを諦めてグリップ着けっぱなしで使うのも仕方がないかなと思ったため、アクセサリーパックを購入したという経緯があります
で。実際に触ってみた感想として、私はTPUシェルの方を常用し本当にいざという時だけグリップを使用しようかと思いました
AYN Thorは完全に3DSを思い起こさせるサイズでこのまま使いたいという気持ちになりますし、3DSを使ったことがある方であれば違和感なく使えるだろうと思われます。また、TPUシェルは比較的柔らかく取り外しもそれほど苦にならなさそうというのもありました
10/21追記
その後無理やり押し込んでみたところTPUシェル上からでもグリップがはまりました。でも伸びてしまう可能性もあるので自己責任でお願いします。ノーマル状態だとちょっとゆるくて、固定用に3Mテープも付属しているのですがシェル上からつければキツキツでその心配はありません
グリップつけっぱなしでいいという場合にはシェル+グリップはありかもしれません
そんなAYN Thorですが、質感としてはサラサラとしている手触りで心地よいです。もしかしたらカラーによって違うかもしれませんが、私の購入したRainbowモデルではそうでした
TPUシェルをつけてしまうとそのすべすべが失われてツルツルした感触になってしまうのが少し残念なのですが、私は3DSにもTPUシェルをつけて使っていたのでここは我慢することにしました
本体外観
何といってもデュアルスクリーンでどちらもOLEDですので、ディスプレイに関しての不満はありません。6インチ+3.97インチというのもバランスが良いと感じます
また、AYANEOと比べて優れている点として120FPSモード(スムーズディスプレイ)に対応していることが挙げられます
Androidの仕様として、複数ディスプレイを備えた機種であってもリフレッシュレートは同一に固定されてしまうという特徴があります。PCとは違いますよね。ThorにせよPocket DSにせよ、上部画面はハイリフレッシュレートに対応していますが下部画面はどちらも60Hzです
そのため普通なら下画面に引っ張られてリフレッシュレートは60Hzに固定されてしまう(下画面をオフにした場合のみ、上画面本来のハイリフレッシュレートで使用できる)わけですが、AYNはそれを力業で可能にしました!
下画面は物理的に60Hzのリフレッシュレートなのですが、それをソフトウェア的に120Hzだと偽装することでOSを騙して、2画面使用時でも上部画面を120Hzで使用できるとする機能が備わっています
これは現時点ではAYANEOが対応できていない機能であり、Thorのアドバンテージだと言えるでしょう
その代わりに、AYANEOと比べて劣っている点として、ヒンジが無段階ではなく120度程度・150度程度・180度の三段階に限定されています
AYANEOはFLIP 1S DSもPocket DSも0~150度無段階+180度という形なので人によっては気になるかもしれません

初代のAYANEO FLIP DSが三段階ヒンジだったので、AYN Thorは前世代のモデルと同じということですね
それとこれはDMGのレビューでも触れたのですが、下画面に使われているLG Wingのサブディスプレイパネルはどうもゼリースクロールのような挙動を感じることがあります
さらにゼリースクロールに加え、高速スワイプをしたときなどは歪みのように見えることもあります。恐らくなのですがこれは先述した120FPSモードを実行している弊害ではないかと思います。本当は60Hzなのに120Hzで動かしている(ことになっている)ため、歪みが見えるのではないかなと……
と言っても高速スクロールした場合など限定で、普通に使用するうえでは全く気にならないので個人的には全然OKです。Pocket DMGも実際には全く気にならず使えていましたし、そんなに心配することも無いとは思いますが個人差もあるでしょうから一応触れておきました
その他のハードウェアも見ていくと
スティックのサイズや可動域はAYANEO DMGとほぼ同じなのでPocket DSとも同じだろうと思われます
ただ、AYANEO Pocket DSは7インチなので相対的に小さく感じてしまう気もします。私はPocket DSを持っているわけではありませんが、ほぼ同型機のFlip 1S DSは持っているのでこれは両方を手に取ったうえでの実体験です

本当はここに比較画像も載せたかったのですが、修理に出して1か月以上経ちますが未だに何の音沙汰も無いため不可能です。AYANEOサービスふざけるなよ
DパッドとABXYボタンについてはRetroid Pocket 5の気に入らない点であったカチカチ感が無くなり静かな打鍵感になっているので好印象です。ただしL1/R1ボタンのみカチカチ感が残っていますが……
これらのボタンはゲームのみならずOS上でのUI操作にも使いますのでフィーリングは大事です。そういう意味でホームボタンや戻るボタンが物理キーとして存在しているのも、基本なんだけどありがたいですね
スピーカーは正面投射型なので、もしかしたら音量の絶対値は普通なのかもしれませんが使っていてよく聴こえるので特に不満はありません
そんなボタンの中の一つに本機の大きな特徴であるAYNボタンがあります
これがデュアルスクリーン端末を上手く活用するために必要な機能(TCC)にアクセスするための重要なキーとなっています。重要な部分ですので後で詳しく書きます。と言っても私もまだ完璧に理解したとは言えませんが……
ポートは一つだけですがフル機能を備えたUSB3.1 Type-Cポートで、DP ALTにも対応しています。手持ちのXreal ONEにも正常に映せました。ただし外部映像出力できるのは上画面だけで、今のところ下画面を映す方法は見つけられていません。実用上の問題は無いと思いますが
全体的に不満もなく往年の3DS SFCエディションを購入した経験のある自分としてはこのAYN Thorレインボーモデルはかなり満足度の高い機種となっています
システム面
初期設定についてはいつものAYN/Retroid機と全く一緒です。Androidに慣れていれば特に難しいことも無いと思いますが、この初期設定中にOTA(システムの更新)が出来るようになっていますので実施した方が良いと思います
このアップデートによって
- 解像度の低い壁紙に変更するとシステムがクラッシュする
- 画面表示を「下のみ」にした後、TCCが開けなくなったり、再起動後ロックを解除できなくなる
- 画面表示を「上のみ」にした後で縦画面型アプリを起動すると下画面が強制起動したうえにタッチ操作が効かなくなる
等の重大なトラブルを引き起こしかねないバグが修正されました。Discordでも何人かの方がファクトリーリセットせざるを得なくなってしまったと報告していましたがそれが解決されましたので適用しない手はありません
なおアップデートには10分ほどかかりました
続いて機能面を見ていきます
画面を上からスワイプするとクイック設定が表示できます
これもRetroid機と同じですね。Androidの機能だけでなくThorに関する機能にもアクセスできるようになっています。分かりにくそうなところだけ補足していきます
- Performance:Standard/Performance/High Performanceを切り替え
- Fan:Smart/Sport/Customizeから切り替え。完全オフにも出来る
- Joystick LED:ジョイスティックの発光色や発光箇所を切り替え
- ハンドルスタイル:Nintendoスタイル(Aで決定)かXboxスタイル(Bで決定)の切り替え
- スムーズディスプレイ:120Hzモードの有効無効切り替え
- Charging separation:バイパス充電のオンオフ
- ホバーアイコン:フローティング表示のオンオフ
- フォースドランドスケープ:横向き表示を強制(画面回転ロックと異なり縦型アプリに対しても強制。アプリによっては不具合が出る可能性あり)
パフォーマンスはその名の通りTDPを上げパフォーマンスを向上させます。それに合わせてファンも設定すると一層効果的でしょう。以前のファームではファンをオフにするトグルもあったようですが、私の環境では無くなっていました。でもSmartにしておけば負荷がかかってない時は基本的にファンはオフです
ジョイスティック設定では両方だけではなく、片側ずつ色を変えることもどちらかだけオフにすることも可能です
ハンドルスタイルは好みもあるでしょうがデフォルトは日本スタイル(任天堂スタイル)になっています。最近私はXboxスタイルに毒されてしまったため、標準(Xbox)に変更しました。リモートプレイする時に母艦側とあべこべだとうまくないという理由もあります

あくまでデバイスを操作する時の話でありゲームは実機通りの任天堂スタイルで操作可能です。それはエミュの設定なのでまた別ですので
スムーズディスプレイは先に説明した二画面使用時でも上画面を120Hzで使用するためのモードのオンオフです。バイパス充電は特に説明の必要もないかと思いますがここで簡単に切り替えできます
分かりにくいかと思ったのがホバーアイコンなのですが、これはAYN/Retroid機によく備わっている機能で、これをオンにしたままゲームやアプリを起動すると右側に白い線がフローティング表示されます
これをスワイプすると便利機能にアクセスできる
……のですが、ゲームなどをプレイしている時には常に前面表示されるこのアイコンが煩わしく感じることが多く私はオフにしています
なお、これらの設定は「Odin Launcher」アプリからも行えます
このアプリではよく使うアプリをランチャーとして登録できるほか、左右にスワイプすることでクイック設定を呼び出すことが可能です。ランチャー起動中はランチャー画面がホーム画面となりますので、ホームボタンを押せば即座にこの画面を呼び出すことが可能です
また、アプリ右下に「Thor Settings」アイコンがありますが、ここからThorの設定にアクセスできます

設定アプリの「Thorの設定」でも同じ設定が可能です
この設定では振動の強度設定が出来たりビデオ出力やUSB接続設定、各キーのマッピングや設定変更などができるのですが、ユニークなのがバーチャルマウス機能です
バーチャルマウスは任意のショートカットキーを設定し、ジョイスティックをマウスとスクロールホイールのように使用することができるモードです。長押しで簡単にオンオフの切り替えができますし、速度やマッピングなどマウス自体の設定もある程度可能となっています
私はハンドヘルド機のジョイスティックをマウスにすることに慣れていませんが、他のハンドヘルドメーカーもX86機には基本的にこの機能をつけていることを考えると一定の需要があるのかもしれませんね
これはThorに限ったことではないですがAYN/Retroidは長年培ってきた実績があるためシステム周りの設計はこなれているなという印象を受けます。便利だと思いますよ
TCC(Thor Control Center)について
AYNボタンを押すことでアクセスできるTCCの機能について見ていきます
TCCには大きく3つのメニューアイコンがありますが、まず一番右の「システム設定」というのがネットなどでよく見られるモニター画面になります
ここでパフォーマンスをモニターしたり、クイック設定アイコンから各機能の切り替えが可能となります。この中に重要な機能である「フォーカスモード」があります
Thorはデュアルディスプレイですので、エミュレーターないし一般のゲームアプリなどはどちらかの画面で起動することになります
この時にコントローラーのフォーカスロックをしていないともう一つの画面に触った際にアクティブなウィンドウが切り替わることでコントローラー操作の優先権も奪われてしまうといったことが起きてきます

ゲームをやってたはずがコントローラーの操作権がもう一つの画面側に移ってしまってゲーム側が(再度タッチするまで)操作できなくなってしまう
そこでゲームを実行している画面にロックをかけることによって、ゲーム中にもう一つの画面で何か操作(例えば攻略サイトを開いて読み進めるなど)しても、コントローラーはずっとゲーム側に固定されて操作できるようになります
基本だけど重要な設定かなと思います
次に一番左の「画面表示管理」というものがデュアルディスプレイに関する設定になります
ここでどの画面を使用するのかや、明るさ/音量についてを画面ごとに個別に設定することが可能です。これは秀逸だなと思うのですが外部キャストには対応していない点に注意が必要です
先ほどVRグラスのところでも書きましたが、現在外部へキャストできる映像は上画面だけのようであり、またBluetoothイヤホン等へ出力できる音声も上画面のものだけであるようです。システムのアップデートを待ちたいですね
また、さっきから汚い写真ばかり写っていることからも分かるかと思いますが、スクリーンショットが撮影できるのも上画面だけのようです。方法はありそうな気もするのでもう少し触って何か分かったら追記します
最後に真ん中の「タスク管理」なのですが……実はこれがよく分かりません(泣)
これを選択するとTCCの画面が終了(画面から消える)し、下画面で実行中のアプリに戻るような挙動を見せます。何も開いていなければデスクトップ(ホーム画面)に戻るような動き

単なるTCCを閉じるためのボタンなの!?
これについても何か分かったら追記したいと思います
どうもここまで試した感じですと、下画面で起動しておけるアプリは基本的に一つで、それ以外は上画面で動作しているような感じです。そして「タスク管理」を選択することで下画面で実行されているアプリに戻れるという、そういった機能なのではないかなと思います
なので下画面は上下のスワイプジェスチャーにも対応しておらず、タスクの切り替えなどもできないように思われます

じゃあどうやって下画面で開きたいアプリを切り替えるの?
と思いますよね
これは簡単で、下画面をタッチしてアクティブな状態にします。すると本体に備わっているホームボタンも下画面側でアクティブになりますので、押せば下画面側がホーム画面に戻ります
この状態で別のアプリを選択すれば今度はそのアプリが下画面で動作します。あるいは上画面側でそのアプリをタップして実行すれば下画面はホーム画面に戻ります
例えば下画面でChromeを起動している時に、上画面側でChromeを選択すると瞬時にアプリが上画面に移動して下画面が空きますので、実行したいアプリを下画面でタップして選択します
上画面が空いてるならこの方が早いですね
AYN Thor ベンチマーク
ここでは主にG3x Gen2を搭載したAYANEO Pocket DMGとの比較を目的とします
一般的にはG3x Gen2は8 Gen2とほぼ同等だけど、GPU性能に関しては8 Gen3に近いとか言われたりしますが、ネットでは「実動作はそこまで良くない」と言われたりもしていてあまりはっきりしません

上記の意見は主にTurnipドライバに関してで、WinlatorやGamehub、Yuzuエミュ等でのパフォーマンスが低いことから来ていたと思いますが、今ではTurnipドライバはA32 GPUに対応していますので、現状どうなのかは「?」です
ということで簡易的にですがベンチマーク比較してみて生の状態の性能差を確認したいと思います。ですのでドライバもデフォルトのままです
ベンチマーク環境は以下の通り
- 環境温度:22℃程度
- モード:Performance
- ファン:Sports
- 電源接続状態(バイパス給電)
- フレームレート:120FPSモード
※G3x Gen2(Pocket DMG)の方は真冬に測定しており環境温度15℃程度だったため、G3xの方に有利な結果が出やすい比較となっています
GeekBench 6
まずはGeekBenchを計測します
お手軽な反面どこまで信用できるのか? というところはありますがクロスプラットフォームですのでiOSともザックリと比較できるのは良いですよね
AYN Thor | AYANEO Pocket DMG |
|
Single Core | 1958 | 1780 |
Multi Core | 5428 | 4742 |
GPU(OpenCL) | 9290 | 11566 |
このような結果になりました
CPU側については同等だと思っていたのですが8 Gen2の方が良いというのはちょっと意外でした。GPUについては噂通りG3x Gen2の方が2割ほど良いようですね
Antutu V10
続いてもクロスプラットフォームで、端末の全体的なベンチを計測できるAntutuを実施します。私はPCでいうところのPCMarkみたいなイメージで参照していますが果たして……
AYN Thor | AYANEO Pocket DMG |
|
Antutu(総合) | 1688531 | 1349211 |
CPU | 583408 | 328591 |
GPU | 380182 | 436319 |
MEM | 343098 | 323987 |
UX | 381843 | 260314 |
このような結果となりました
あまり信用ならないGeekBenchの結果をちゃんと証明してくれるかのように同様の傾向となりましたね。CPUについては8 Gen2の方がだいぶ良いようですがGPUについてはG3x Gen2が上回っています
どうもこの傾向は正しいようですね
Performance Test
PCでも使用しているPerformance Testを実施します
これは厳密なクロスプラットフォームではないですが、クロスプラットフォームマーク――いわゆるCPU Mark――の部分のみ比較可能とされていますので、そこだけは他OSと比較してみてもいいかもしれません
AYN Thor | AYANEO Pocket DMG | |
SYSTEM(総合) | 21835 | 21106 |
クロスプラットフォームマーク(CPU) | 23472 | 22779 |
CPUスコア | 10108 | 10021 |
Memoryスコア | 36953 | 36967 |
DIskスコア | 333685 | 340193 |
GPU 2Dスコア | 76618 | 80468 |
GPU 3Dスコア | 61481 | 23048 |
このような結果となりました
前2つのテストほどCPUに差が出てないですね。でもやっぱり8 Gen2の方が優れているというのは確かのようにも思えます
GPUについてなのですが、3Dスコアが異常に低く出てしまっているように見えますがこれは検証に使用したPocket DMGのリフレッシュレートが60Hzなせいで頭打ちになってしまっていることによる弊害だと思われます
これまでのテストや2Dスコアを見て分かる通り、GPUについてはやはりG3x Gen2の方が優れている可能性が高いです
GFX Bench
実ゲームを想定したベンチということでGFX Benchを実行します
ほんとはAPIはVulkanの方が良い結果となるのでしょうが、他のベンチと仕様を合わせるためOpenGLのスコアを掲載して比較します
AYN Thor | AYANEO Pocket DMG | |
4K Aztec Ruins High Tier(Offscreen) | 28 FPS | 26 FPS |
Aztec Ruins High Tier | 60 FPS | 60 FPS |
1440P Aztec Ruins High Tier(Offscreen) | 62FPS | 55 FPS |
1080P Aztec Ruins Normal Tier | 118 FPS | 60 FPS |
1080P Aztec Ruins Normal Tier(Offscreen) | 153 FPS | 142 FPS |
Car Chase | 117 FPS | 60 FPS |
Car Chase(Offscreen) | 130 FPS | 123 FPS |
1440P マンハッタン(Offscreen) | 134 FPS | 126 FPS |
マンハッタン エンハンスド | 120 FPS | 60 FPS |
マンハッタン エンハンスド(Offscreen) | 217 FPS | 209 FPS |
マンハッタン ノーマル | 120 FPS | 60 FPS |
マンハッタン ノーマル(Offscreen) | 303 FPS | 295 FPS |
ティラノサウルス レックス | 120 FPS | 60 FPS |
ティラノサウルス レックス(Offscreen) | 480 FPS | 467 FPS |
このような結果となりました
まず、オンスクリーン系のベンチについては先に書いたようにリフレッシュレートの問題がありG3x Gen2側はカンストしてしまっていますので、これはあくまでもAYANEO Pocket DMG(リフレッシュレート60Hz機)の場合のスコアだとして参考程度に留めて下さい
で、オフスクリーン系で比較していくわけですがこれが意外にも8 Gen2の方が良い結果となっています。今までのベンチとは違いますね
これどういうことなのだろう? と思うわけですが、予測するに、ゲームというのはGPUの比率が高いもののCPU性能もある程度影響を及ぼすものですので、CPUが優れているぶんフレームレートに反映され、結果としてG3xよりも良い結果が出ているのではないかと思いました
でも自分はあまりゲームに詳しくないですので確証はありません
とりあえず結果はこうなっているわけですので、一つの事実として参考情報として捉えていただけたらと思います
Wild Life Extreme Stress Test
3DMark系のベンチでWild Life Extremeのストレステストを実施します
AYN Thor | AYANEO Pocket DMG |
|
Best loop score | 3712 | 3933 |
Lowest loop score | 3302 | 3490 |
Stability | 89% | 88.7% |
このような結果になりました。こちらではG3x Gen2が良い結果を出していますね
このベンチを実施したのはPocket DMG以外にも多くの機種のベンチ結果が出回っており比較しやすいと思ったからです。G3x Gen2を搭載したもう少し大型の筐体ではこのベンチで4500程度のスコアが出ているものもあるため、やはりグラフィック性能はG3x Gen2に軍配が上がるようですね
まとめ
ということで今回はAYN Thor Maxのレビューと簡単なベンチマーク比較検証をまとめさせていただきました
本体の満足度も非常に高い機種かと思いましたので、性能をあまり求めないならSnapdragon 865のベースモデルは金額的に考えて結構アリなんじゃないかなと思います。たぶんこの機種を買う人の半分以上はDSや3DSエミュ目的だと思いますが、それらであればSD865で十分とも言えますし
Wii U(Cemu)についてはちょっと厳しいかもしれません。いけるのかもしれませんが自分で試すことが出来ないので、不安であれば8 Gen2版の方が良いかもしれません。8 Gen2モデルでも12GB RAMのProモデルなら少し金額を抑えることもできますので
AYANEO機と比べてコンパクトで軽いというのも良いと思います。ただ、プレイするゲームジャンルによってはグリップを付けないとやりづらい可能性もあるため、その点は本体自体にグリップがあるAYANEO機の方が良いかもしれません
DS/3DS実機の背面も平べったい形状をしているわけですので、実機と同じで大丈夫かどうかが判断の分かれ目になるかもしれません。そのぐらいこの機種は、実機に近い感覚を得られる名機だなと感じます
次回は2画面対応が出揃ってきた各種エミュの使用感と、出来ればWinlator及びリモート使用の操作感についてもまとめられれば良いなと思っています。興味があったらまた見ていただけたら嬉しいです
それではまた~
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