初期不良のため昨年のクリスマスに修理に出したAYANEO Pocket DMGがようやく戻ってきました
私が受け取ったのが12月18日で即日初期不良が発覚。修理のための連絡を交わし、一週間後に修理に旅立ちました。そして本日2月19日に戻ってきたわけですので、修理完了までに要した時間はなんと2カ月です!
またこの間AYANEOと交わしたメールは合計23往復です。AYANEOは1日1回しかメールの返事をしてこないので、不良発覚から返送までだけでも1週間もかかったのが痛かったです

クラファンで出資したのに、まともな商品が届いたのは国内版の発売よりもはるかに遅い時期とかツラすぎる……
久々にクラファンで大きなダメージを受けた出来事でしたね
余談ですが、これで私はGPD、AYANEO、One-Netbookの主要3社全てから初期不良品を掴むという経験をしたことになります(笑) その経験をもとに比較すると
- One-Netbook:依頼から修理完了まで1か月程度。返送料はこちらもち
- AYANEO:修理完了まで2か月。ただし配送手配は全てお任せで費用もかからず
- GPD:依頼してない(部品を自分で交換したため)
という感じで、AYANEOは丁寧だしFedexの手配とかお任せできるのはありがたいんだけど、要する期間と労力を考えるとやっぱり3社中ワーストの体験でした
あってほしくないけど、初期不良のことを考えるとユーザーが自由にいじりやすいGPDの製品コンセプトというのは理にかなっているように思えます。無骨だけど修理しやすいというのは安心につながりますね
前書きが長くなってしまいましたので本題に入っていきます
AYANEO Pocket DMGの問題とは?
初期不良は最悪でしたが微かな期待もしていました。それは、AYANEO Pocket DMGが抱える問題がクリアされて戻ってくるのではないか? というものです
AYANEO Pocket DMGに関する問題は2つあって
- 熱処理がうまくいっておらずSnapdragon G3x gen2の性能を発揮できていない
- 中期型以降のレトロモデルはシェルの質感が変わってしまっている(後期型にはUVコーティング処理がされた)
というものになります
熱処理についてはAYANEO EVOも同じ問題を抱えており、discordではサーマルパッドの追加装着がトレンドになっています。Pocket DMGでも挑戦してる方が多いですが、分解の難易度がやや高いため自分で行うのは尻込みしてしまいます
しかし、後期型(1月中旬検品分以降?)では改良されたサーマルパッドがデフォルトで貼られこの問題が改善しているという情報があり、どうやらメーカーによって対策がなされたのではないかともっぱらの噂です
修理に出していた私の個体も対策してくれているのではないのかと期待していたのです
質感については逆に心配していた部分でした
某Youtuberの動画に端を発し、AYANEO Pocket DMGのレトロモデルは途中からシェルの質感が変更されるという事態に発展しました(メーカーは公式にはYoutuberの影響だと認めていません。無関係だと主張しています)
具体的には、初期型のレトロモデルは黒/白モデルと異なり、非常にサラサラすべすべした質感で指紋汚れが目立ちにくく手触りが抜群でした。私が持っていたのもこれです
この手触りの差は白黒モデルが防汚のためのUVコーティングをしているのに対して、レトロモデルは質感を重視するため未実施だったためです
しかし途中から、レトロモデルにも白黒モデル同様UVコーティングがされることになってしまいました。メーカーの言い分としては「UVコーティングされてる方がコストもかかっており耐久性も高い」ので、レトロモデルも同様にするとのことです

UVコーティングされてる方がいいじゃん
と思える人はいいのですが、私は元々のレトロモデルの手触りを知っているだけにこの変更は改悪だと思っています
例え耐久性が少し下がっても、それを補って余りあるほど初期型の手触りは抜群でした。また某Youtuberが言うように、UVコーティングされていると指紋が目立ちやすいという欠点もあります
ですので私は、修理の際にシェルが交換されてしまってUVコーティング版になってしまうのではないかということをとても心配していました。この点はAYANEOにもメールで「絶対にUVコーティング版シェルには交換しないでくれ」と伝えさせてもらっています
修理から戻ってきたいま、この2点の問題がどうなっているのか? を見ていきたいと思います
AYANEO Pocket DMG Retroの質感
まず、開封すればすぐに分かる質感問題から見ていきます
こちらについては杞憂でした。シェルはそのままでシリアル番号も変わっていません
UVコーティング版だけしか見たことない人はそれはそれで満足できてるみたいなのですが、比べてしまうとやっぱり違いがありますのでこれは本当に良かったです
ただ本題とは関係ないのですが、修理の際に送った化粧箱に遠慮なく管理ラベル(?)をベットリ貼り付けられたのにはちょっとイラっとしました
さすが中国という感じでしょうか。それとも自分が気にしすぎなだけ? 化粧箱にもこだわるAYANEOのアーサーCEOならこの暴挙に対するストレスに共感してくれそうなものなのですが……

このシールがまた剥がしにくいこと! 温めながら少しずつめくっていき、キレイに剥がすのに誇張抜きで1時間ぐらいかかりました
AYANEO Pocket DMG パフォーマンス比較
続いてパフォーマンス面の比較を見ていきます。実施するのはdiscordでも指標とされている3DMark Wild Life Extremeのストレステストです
前回の記事には載せていませんが、実は修理に出す前に私も実施していました。下の表にも載せてますが、ベストが3794・ワーストが3180で、安定性は83.8%とG3x gen2としては低めのスコアです。これがどう変わったのか、結果がこちらです
修理前 | 修理後 |
|
Best loop score | 3794 | 3933 |
Lowest loop score | 3180 | 3490 |
Stability | 83.8% | 88.7% |
良くなってます……が、向上したかというとちょっと微妙です
というのも、実は初期設定直後はスコアが激低(ベストでも3000以下)で2回目も修理前より15%ほど低いスコアでした。そこでフル充電後に充電器から外した状態でベンチを走らせて上記のスコアとなってます
Pocket DMGはかなり熱にシビアで、充電中はバッテリーの発熱によりスコアが下がることが知られています。修理前のスコアは取り急ぎ返送前に簡易的に1回だけ試しただけなので充電器に接続した状態でのスコアなんですよね
強烈な寒気で今日の方がはるかに気温も低いですし、それでこのスコアということは、実質的には修理前の方がパフォーマンスは良かったんじゃないかと思います。たぶんシェルを開けた時にサーマルパッドが少しポロポロと落屑したのではないかと

ネットで探せば動画も見つかると思いますが、DMG/EVOのデフォルトサーマルパッドは謎のポロポロのパッドが貼られていて、そのせいもあってうまくヒートシンクに接触せず熱に弱くなっているようです
これ以上の改善を目指すなら、discordの先人たちにならってサーマルパッドを貼るしかなさそうですね。DMGの分解はかなりめんどくさい部類なので悩むところです
ちなみにあえて掲載まではしませんがGeekBenchやGFX Bench、Performance test等の結果は修理後の方が全体的に少し下がっていました
まとめ
ということで、2か月間も待たされてようやく返ってきたAYANEO Pocket DMGについて書かせていただきました
良くも悪くも修理前と変わっておらず、シェル――というか筐体全体がそのままなのは安心しましたが、どうせ開けたんならサーマルパッドの処置もしてくれないかなという希望は叶わずでした
本当は修理の際に途中で追加の要望として出そうかとも思ったのですが、これ以上待ち時間が増えるのは嫌だったので気を利かせてくれることを期待しましたが、ダメでしたね(笑)
当たり前のことではありますが、問題だった有機ELパネルの色ムラとボタン潰れはちゃんと直っていましたので、今回はひとまずこれで良かったと思うことにします
もし今後サーマルパッドを貼ることにしたら、フロー共有のためにまた記事を書こうと思います
それではまた~
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